Spectral Color
炭酸飲料ってあまり飲まない方だったのだけど、翔が持ってきたすいかの一件から、夏場に飲む炭酸って美味しいんだなって気付いた。最近のお気に入りはティーソーダ。濃いめに淹れた紅茶を炭酸水で割ってレモンを入れると美味しい。
「最近、それよく飲んでるね」
「うん。今年の夏の収穫は、夏は炭酸が美味しいって気づいたこと」
「あはは。酔っ払いすいかのお陰だね」
「そう。あれは悪酔いしたけどね」
毎日お酒を飲むわけじゃないけど、翔が来た時や、ちょっと気分が乗った時に飲むお酒は美味しい。誰かと飲むのが美味しいんだよね。
「炭酸が美味しいって気づいたなら、これも飲めるかな?」
そう言いながら、安慈はソファから立ち上がってクローゼットの方へ行ってしまった。
何だろう? と思って様子を見ていると、彼はすぐに戻ってきた。
「これ」
彼の手には薄い緑色のボトル。ラベルから察するに日本酒のようだ。
「この前話した先輩から、誕生日プレゼントだって貰ったんだ」
「日本酒?」
「スパークリング日本酒だって。飲み易くて美味しいよって」
「へぇ、そんなのあるんだ。美味しそう」
ボトルを手に取って、ラベルを見る。今夜はこれに合わせて、お刺身にでもしようか……?
お酒は詳しくないから、新しいものを試すのは楽しい。
「良かった。じゃあ、冷やしておこうか」
「うん。お願い」
そう言って、彼にボトルを手渡す。
「これ、貰う時にさ……」
彼が何故か笑いながら話し出す。
「先輩に『みーちゃんと飲んでね』って渡されたんだよね」
「なっ……みーちゃん定着しちゃってるじゃん!」
「可愛いからいいんじゃない? ね、みーちゃん」
「安慈が呼ぶのはナシ!」
ケラケラと笑いながらキッチンへ行く彼。
その呼び方、定着してるのちょっと恥ずかしい。まぁ、『みーちゃん』のお陰で僕の正体が分からなくなってて、これはこれでいいのかもしれない。
「最近、それよく飲んでるね」
「うん。今年の夏の収穫は、夏は炭酸が美味しいって気づいたこと」
「あはは。酔っ払いすいかのお陰だね」
「そう。あれは悪酔いしたけどね」
毎日お酒を飲むわけじゃないけど、翔が来た時や、ちょっと気分が乗った時に飲むお酒は美味しい。誰かと飲むのが美味しいんだよね。
「炭酸が美味しいって気づいたなら、これも飲めるかな?」
そう言いながら、安慈はソファから立ち上がってクローゼットの方へ行ってしまった。
何だろう? と思って様子を見ていると、彼はすぐに戻ってきた。
「これ」
彼の手には薄い緑色のボトル。ラベルから察するに日本酒のようだ。
「この前話した先輩から、誕生日プレゼントだって貰ったんだ」
「日本酒?」
「スパークリング日本酒だって。飲み易くて美味しいよって」
「へぇ、そんなのあるんだ。美味しそう」
ボトルを手に取って、ラベルを見る。今夜はこれに合わせて、お刺身にでもしようか……?
お酒は詳しくないから、新しいものを試すのは楽しい。
「良かった。じゃあ、冷やしておこうか」
「うん。お願い」
そう言って、彼にボトルを手渡す。
「これ、貰う時にさ……」
彼が何故か笑いながら話し出す。
「先輩に『みーちゃんと飲んでね』って渡されたんだよね」
「なっ……みーちゃん定着しちゃってるじゃん!」
「可愛いからいいんじゃない? ね、みーちゃん」
「安慈が呼ぶのはナシ!」
ケラケラと笑いながらキッチンへ行く彼。
その呼び方、定着してるのちょっと恥ずかしい。まぁ、『みーちゃん』のお陰で僕の正体が分からなくなってて、これはこれでいいのかもしれない。