Achromatic
家に着いてからも、ずっと胸の奥が温かかった。
『星になって、何百万年も暗い宇宙で一人で過ごすくらいなら、その分の時間、何度も人間に生まれ変わって、その度に、また瑞貴に会いたい』
帰り道。星が生まれ変わるって話から、星に生まれ変わりたいか? と安慈に訊いて返ってきた言葉。それが嬉しくて、ベッドに入ってからもずっと彼にくっついていた。
「今日は甘えてくるねぇ」
安慈がのんびりとした声でそう言って、僕の頭を撫でる。
「だって……」
あんなこと言われたら、こうしたくもなる。彼の脚に自分の脚を絡めるように抱きついた。
「ふふっ。嬉しいと思ってくれたなら、俺も嬉しい」
「嬉しいよ……そんな風に思ってくれる人がいるなんて、幸せなことでしょ?」
「良かった」
彼がそう言って、僕の額にキスを落とす。
「でもさ……」
僕がそう言うと、彼が穏やかな顔で僕の頬を撫でる。
「うん? どうしたの?」
「生まれ変わる度に僕と一緒にいたら、そのうち飽きちゃうんじゃない?」
僕の頬を撫でていた彼の手にそっと触れてそう言った。すると、安慈が目を丸くして僕の手をぎゅっと握る。
「そんなことないよ。俺がどれだけ瑞貴のことを好きだと思ってるの? 最低でもあと三回は生まれ変わって好きだと言い続けなければ足らないよ」
そう言って彼はまた僕の額にキスをする。
「えぇ……? ぁ……」
何て返事したらいいか分からない。嬉しいのと恥ずかしいのと愛しいのとが全部一緒くたになって、顔に熱が上がってくる。彼は、そんな僕の顔を愉しげに見つめている。
あぁ、もう。こんなに幸せな気持ちになったことがないから、どうしていいか分からない。
僕は、何も言葉が出てこないまま、少し乱暴に彼の唇にキスをして彼に背を向けた。
「あれ、そっち向いちゃったの」
クスクスと笑いながら、彼は僕を背中から抱き締める。
「…………大好き」
僕は、彼の言葉にそう返事するのが精一杯だった。
「うん。ずっと、大好きだよ」
ぎゅっと彼の腕が僕を抱き締める。僕は彼の腕に触れて、目を閉じた。
いっそのこと、この幸せな気持ちのまま死ねたらな……なんて思った。けれど、明日、目が覚めたら彼にまた大好きって言おうと思ったから、今夜はこのまま幸せに浸って眠ってしまおう……。
どうか、この幸せな時間が続きますように……。
彼の腕の中で微睡みながら僕はそう願った。
『星になって、何百万年も暗い宇宙で一人で過ごすくらいなら、その分の時間、何度も人間に生まれ変わって、その度に、また瑞貴に会いたい』
帰り道。星が生まれ変わるって話から、星に生まれ変わりたいか? と安慈に訊いて返ってきた言葉。それが嬉しくて、ベッドに入ってからもずっと彼にくっついていた。
「今日は甘えてくるねぇ」
安慈がのんびりとした声でそう言って、僕の頭を撫でる。
「だって……」
あんなこと言われたら、こうしたくもなる。彼の脚に自分の脚を絡めるように抱きついた。
「ふふっ。嬉しいと思ってくれたなら、俺も嬉しい」
「嬉しいよ……そんな風に思ってくれる人がいるなんて、幸せなことでしょ?」
「良かった」
彼がそう言って、僕の額にキスを落とす。
「でもさ……」
僕がそう言うと、彼が穏やかな顔で僕の頬を撫でる。
「うん? どうしたの?」
「生まれ変わる度に僕と一緒にいたら、そのうち飽きちゃうんじゃない?」
僕の頬を撫でていた彼の手にそっと触れてそう言った。すると、安慈が目を丸くして僕の手をぎゅっと握る。
「そんなことないよ。俺がどれだけ瑞貴のことを好きだと思ってるの? 最低でもあと三回は生まれ変わって好きだと言い続けなければ足らないよ」
そう言って彼はまた僕の額にキスをする。
「えぇ……? ぁ……」
何て返事したらいいか分からない。嬉しいのと恥ずかしいのと愛しいのとが全部一緒くたになって、顔に熱が上がってくる。彼は、そんな僕の顔を愉しげに見つめている。
あぁ、もう。こんなに幸せな気持ちになったことがないから、どうしていいか分からない。
僕は、何も言葉が出てこないまま、少し乱暴に彼の唇にキスをして彼に背を向けた。
「あれ、そっち向いちゃったの」
クスクスと笑いながら、彼は僕を背中から抱き締める。
「…………大好き」
僕は、彼の言葉にそう返事するのが精一杯だった。
「うん。ずっと、大好きだよ」
ぎゅっと彼の腕が僕を抱き締める。僕は彼の腕に触れて、目を閉じた。
いっそのこと、この幸せな気持ちのまま死ねたらな……なんて思った。けれど、明日、目が覚めたら彼にまた大好きって言おうと思ったから、今夜はこのまま幸せに浸って眠ってしまおう……。
どうか、この幸せな時間が続きますように……。
彼の腕の中で微睡みながら僕はそう願った。