夢と現と妄想と〜Rêve et réalité et illusion et〜
ジリジリと日差しが照りつける。
こんな日差しの中、出かけるつもりなんてなかったのだけれど、急な来客のせいで、出かけざるをえなくなってしまったのだから仕方がない。
冷たいドリンクの入った買い物袋は、この気温のせいで結露して、時折私の足を濡らしていた。
「はぁ……暑い……」
やっと日陰に入ったものの、自宅まではなんだか入り組んだ階段を上らなければいけない。
何でこんな構造なのか。分かっていて選んだ家とはいえ、こんな暑さの中を帰ってきたのだから文句も言いたくなる。
私の家は、所謂、集合住宅なのだけれども、少々拗らせたデザイナーが作ったデザイナーズ物件というもの。そのデザインが、なかなかトリッキーであまり入居者がいなかったそうだ……。
それで、親戚がやっている不動産屋さんに紹介して貰って、格安で住まわせてもらっている。
ありがたいけれど、この階段だけは少し面倒。ひとつ溜息をついてから、自宅までの階段を上っていった。
まったく、来るなら来るで、早めに連絡くれてもよかったじゃない。
部屋で待つ客人に、内心で悪態をついていた。
自宅前で、鍵を肩掛けバッグのポケットから出して開ける。昼でも夜でも、何故かこの集合住宅は静か。
他の住人には殆ど会ったことがない。
けれど、ゴミ捨て場にはそこそこゴミが溜まるのだから、いくらか住人はいるのだろう。
「ただいまです」
中に入ると、ひんやりとした空気が肌を撫でた。外の茹だるような暑さで息をするのも辛かったせいか、思わず深く呼吸をしてしまった。
サンダルを脱ぎ捨て、玄関と部屋を隔てる引き戸を開けると、客人はダイニングテーブルに
ついて、私が出かける前まで読んでいたギター雑誌を、パラパラとめくっていた。
「おかえり」
客人は、雑誌から目を離さずそう言った。
その雑誌の表紙に載っている人物と、今それを読んでいる人物が、多少のヴィジュアルの違いはあっても、同じ人という状況が、非日常すぎてなんだか頭が混乱する。
これは現実なのかと確認するように、表紙の彼と、此処にいる彼を交互に見てしまった。
「あの、それ私の……」
「知ってるよ」
「自分が載ってるやつなら、自分でも持ってますよね?」
「うん」
まったくマイペースなんだから……。そう、思いながら買ってきたものを冷蔵庫にしまっていた。
この突然やってきた客人は、雑誌の表紙になるような有名人。
そんな彼が、何故こんなところに……というと、それは二ヶ月くらい前のこと……。
***
「カノンちゃん♡いつもお世話になってるから、今度一緒に食事でもどう?今度、大きな仕事が終わるから、その打ち上げにご招待するわ♡ついでにお客さんも捕まえちゃえ!」
と、開業当初から通ってくれているお姐さん、楠木さんが誘ってくれた飲み会。
基本的にあまりそういうことが得意ではないので、お断りしようとしたのだけれど、楠木さんの押しに負けたのだ。
よくよく聞いてみたら、実は楠木さん、芸能界のお仕事をされている方で、そりゃ毎日ハードですよね……と、思ったのは覚えている。
そして、自分のお店を閉めた後に、楠木さんに指定されたお店に行ってみたら……。
「!」
みんなテレビで見たことあるよ! という人達ばかりで、私のような一般人には、ひたすらに肩身が狭いところだった。打ち上げって、ホントに打ち上げじゃないですか……。
私が到着したことに、楠木さんが気付くと、
「私の専属セラピスト‼︎ カノンちゃん!」
と、紹介してくれたものの、その後は、居場所なんてなくて、テーブルの端っこでお酒を静かに飲んでいた。
どうしてこんな飲み会に誘ってくれたんだ……というか、押しに負けた私の馬鹿……。
ひたすらに後悔していたが、『タダ酒ならば美味しいお酒も貰ってしまえ』と、誰も話し掛けないでと言わんばかりに、一番端の奥の席で一人で日本酒を飲んでいた。
「手酌で日本酒なんてカッコいい飲み方するね」
突然、声を掛けられたので、顔を上げる。
……え? 嘘でしょ?
亜麻色の綺麗な長い髪、色白で、切れ長の目の端整な顔立ち……。
間違いない。
「……REI……さん?」
私が、大人を斜に見ていた高校生の頃から大好きだった憧れの人……。
Luar《ルアル》のREIさんが目の前にいる……!
え? 飲み会にいました? 全然気づかなかった……。と言うか、楠木さん、関係者だったんですか? と、頭の中で色々なことがグルグルと回って、半ばパニックになっていた。
しかし、ここで発狂してはいけない。落ち着くんだ私!
「あ、すごい。俺、すっぴんだとあまり気付かれないのに。よく分かったね。端っこで日本酒飲んでる女の子なんて珍しいから、どんな子なのかなと思って、声掛けちゃった」
そう、ニッコリと笑って言った彼。
ヴィジュアル系バンド……とはいえ、デビュー当初よりはメイクも衣装も落ち着いたが、メイクをしていないと、とても優しい顔している。
ファンクラブの会報などでも、ノーメイクに近い姿は見たことはあるけれど、こんな間近で見ると、可愛い……なんて言っちゃいけないけれど、可愛い……。
しかも、肌も髪も綺麗。羨ましい……。
「ぁ……ぁの……わたし、もう15年くらいLuarのファンです……」
蚊の鳴くような声でそう告げた。声も体も震えてしまって、それ以上のことは言えなかった。
あぁ、これは酔っ払いが見た幻なのか? 信じられない。
「あ、そうなのー? ありがとう。君、名前は? さっき姐さんが紹介してたよね?」
「玉崎 華音 です。アロマセラピストやってます……。楠木さんは、ずっと通ってくれているお客様で……」
「へぇ。カノンちゃんて、本名なんだ」
「はい……。よく芸名? って聞かれますけど」
「セラピストって? どこのお店にいるの?」
「あのっ……」
***
なんて……とんでもないきっかけで出会ってしまい……。そこから何故か仲良くなったのだ。もう既に、何度か会っている。
そして、今日は、彼が急に家に来ると言いだしたので、慌てて買い出しに出て、帰ってきたところなのだ。夕方、涼しくなってから外に出ようと思っていたのにな……。
「レイさん、ビールいります?」
ついさっき買って来たばかりの缶ビールを彼に見せる。
やっと、雑誌から目を離してこちらを見た彼は、飲む。と少し笑って答えた。
缶ビールを手渡して、私は自分の分の缶ビールを開ける。プシュッと、いい音がした。
暑かったんだから、昼間から飲んだっていいじゃない。
喉に流し込んだビールは、やはり、炎天下の中を歩いて来たせいで、思っていたほど冷えてなかった。
「……なんかぬるい。ごめんなさい、美味しくないかも」
彼に向かって苦笑いする。
「いいよ。外、暑いもん。気にしないで」
基本的に、口数はあまり多くない彼だが、私の行動を少しは労ってくれたのかと思うと嬉しくなった。
「それにしても……今日は急にどうしたんです? いつもならもっと前もって連絡くれるじゃないですか」
さっきも言ったが、彼は、有名人。私のような庶民とは生きてる世界が違うのだ。
それはもう、とんでもなく忙しいはずなのに、何故わざわざこんなところに来たのか……。
「んー? 休みになったから」
至極、当たり前のことを彼に言われる。
「それなら、尚更、自分の家にいた方が休めると思いますけど……」
だって、休みに家でやりたいこととかあるでしょう。私の家なんて、何も無いのだから。
さっきのギター雑誌も、レイさんが表紙だから買っているだけで、私はギターが弾けるわけでも、持っているわけでもない。
「うーん……ちょっと仕事から離れたかったかな……? 最近、忙しかったから」
少し甘えたような声音でそう言われて、胸が音を立てた。
「っ……だからって、私のところに来ちゃダメだと思いますよ……」
一応、理性でそう言ってみる。私たちは、『そういう関係』なのだ。
だから、急に彼が来たからと、心の底から両手離しでは喜べない。
それなのに、彼は、何も問題ない、と言わんばかりに振る舞うものだから、見ているこちらの方が不安で仕方ない。
「ここが、一番離れられる場所なんだよね」
彼はそう言いながら席を立つと、テーブルの側に立ったままの私を、背中から抱きしめる。
ふわっと、彼のいつもの香水が香り、彼のサラサラとした長い髪が私の頰と首筋を擽る。
彼のこの香りが好きで、こうやって近づくたびに酔いそうになる。
頭の中で、理性が煩く警鐘を鳴らしている
わかっている。
けど、
これに抗える術を私は知らない。
彼の腕を解いて、彼に向き直る。
「何かあったって知らないですよ」
この言葉は、彼に向けたものなのか、自分の背徳感に向けたものなのか……。
「何があるっていうの? ここには、俺と二人きりなのに……」
私が悪態をついたって、彼はそう言って薄い唇に弧を描くだけ。
そんな余裕なんて、私は持ち合わせていない。
悔しくて、彼のシャツから覗く白い鎖骨に噛み付いた。
「ねぇ……」
また、彼の髪が頰を擽る。
彼が、少し掠れた甘い声を出すのは合図なのだと最近やっと学習した。
西陽が差し込む寝室のカーテンを引く。薄暗くなった部屋に二人きり。
重ねた唇は、エアコンで冷えたのか、少しだけ冷たく感じた。
このまま世界から私たちだけ切り離されてればいい……。
なんて、彼の香りに酔いながら、頭の片隅でそんなことを思った……。
こんな日差しの中、出かけるつもりなんてなかったのだけれど、急な来客のせいで、出かけざるをえなくなってしまったのだから仕方がない。
冷たいドリンクの入った買い物袋は、この気温のせいで結露して、時折私の足を濡らしていた。
「はぁ……暑い……」
やっと日陰に入ったものの、自宅まではなんだか入り組んだ階段を上らなければいけない。
何でこんな構造なのか。分かっていて選んだ家とはいえ、こんな暑さの中を帰ってきたのだから文句も言いたくなる。
私の家は、所謂、集合住宅なのだけれども、少々拗らせたデザイナーが作ったデザイナーズ物件というもの。そのデザインが、なかなかトリッキーであまり入居者がいなかったそうだ……。
それで、親戚がやっている不動産屋さんに紹介して貰って、格安で住まわせてもらっている。
ありがたいけれど、この階段だけは少し面倒。ひとつ溜息をついてから、自宅までの階段を上っていった。
まったく、来るなら来るで、早めに連絡くれてもよかったじゃない。
部屋で待つ客人に、内心で悪態をついていた。
自宅前で、鍵を肩掛けバッグのポケットから出して開ける。昼でも夜でも、何故かこの集合住宅は静か。
他の住人には殆ど会ったことがない。
けれど、ゴミ捨て場にはそこそこゴミが溜まるのだから、いくらか住人はいるのだろう。
「ただいまです」
中に入ると、ひんやりとした空気が肌を撫でた。外の茹だるような暑さで息をするのも辛かったせいか、思わず深く呼吸をしてしまった。
サンダルを脱ぎ捨て、玄関と部屋を隔てる引き戸を開けると、客人はダイニングテーブルに
ついて、私が出かける前まで読んでいたギター雑誌を、パラパラとめくっていた。
「おかえり」
客人は、雑誌から目を離さずそう言った。
その雑誌の表紙に載っている人物と、今それを読んでいる人物が、多少のヴィジュアルの違いはあっても、同じ人という状況が、非日常すぎてなんだか頭が混乱する。
これは現実なのかと確認するように、表紙の彼と、此処にいる彼を交互に見てしまった。
「あの、それ私の……」
「知ってるよ」
「自分が載ってるやつなら、自分でも持ってますよね?」
「うん」
まったくマイペースなんだから……。そう、思いながら買ってきたものを冷蔵庫にしまっていた。
この突然やってきた客人は、雑誌の表紙になるような有名人。
そんな彼が、何故こんなところに……というと、それは二ヶ月くらい前のこと……。
***
「カノンちゃん♡いつもお世話になってるから、今度一緒に食事でもどう?今度、大きな仕事が終わるから、その打ち上げにご招待するわ♡ついでにお客さんも捕まえちゃえ!」
と、開業当初から通ってくれているお姐さん、楠木さんが誘ってくれた飲み会。
基本的にあまりそういうことが得意ではないので、お断りしようとしたのだけれど、楠木さんの押しに負けたのだ。
よくよく聞いてみたら、実は楠木さん、芸能界のお仕事をされている方で、そりゃ毎日ハードですよね……と、思ったのは覚えている。
そして、自分のお店を閉めた後に、楠木さんに指定されたお店に行ってみたら……。
「!」
みんなテレビで見たことあるよ! という人達ばかりで、私のような一般人には、ひたすらに肩身が狭いところだった。打ち上げって、ホントに打ち上げじゃないですか……。
私が到着したことに、楠木さんが気付くと、
「私の専属セラピスト‼︎ カノンちゃん!」
と、紹介してくれたものの、その後は、居場所なんてなくて、テーブルの端っこでお酒を静かに飲んでいた。
どうしてこんな飲み会に誘ってくれたんだ……というか、押しに負けた私の馬鹿……。
ひたすらに後悔していたが、『タダ酒ならば美味しいお酒も貰ってしまえ』と、誰も話し掛けないでと言わんばかりに、一番端の奥の席で一人で日本酒を飲んでいた。
「手酌で日本酒なんてカッコいい飲み方するね」
突然、声を掛けられたので、顔を上げる。
……え? 嘘でしょ?
亜麻色の綺麗な長い髪、色白で、切れ長の目の端整な顔立ち……。
間違いない。
「……REI……さん?」
私が、大人を斜に見ていた高校生の頃から大好きだった憧れの人……。
Luar《ルアル》のREIさんが目の前にいる……!
え? 飲み会にいました? 全然気づかなかった……。と言うか、楠木さん、関係者だったんですか? と、頭の中で色々なことがグルグルと回って、半ばパニックになっていた。
しかし、ここで発狂してはいけない。落ち着くんだ私!
「あ、すごい。俺、すっぴんだとあまり気付かれないのに。よく分かったね。端っこで日本酒飲んでる女の子なんて珍しいから、どんな子なのかなと思って、声掛けちゃった」
そう、ニッコリと笑って言った彼。
ヴィジュアル系バンド……とはいえ、デビュー当初よりはメイクも衣装も落ち着いたが、メイクをしていないと、とても優しい顔している。
ファンクラブの会報などでも、ノーメイクに近い姿は見たことはあるけれど、こんな間近で見ると、可愛い……なんて言っちゃいけないけれど、可愛い……。
しかも、肌も髪も綺麗。羨ましい……。
「ぁ……ぁの……わたし、もう15年くらいLuarのファンです……」
蚊の鳴くような声でそう告げた。声も体も震えてしまって、それ以上のことは言えなかった。
あぁ、これは酔っ払いが見た幻なのか? 信じられない。
「あ、そうなのー? ありがとう。君、名前は? さっき姐さんが紹介してたよね?」
「
「へぇ。カノンちゃんて、本名なんだ」
「はい……。よく芸名? って聞かれますけど」
「セラピストって? どこのお店にいるの?」
「あのっ……」
***
なんて……とんでもないきっかけで出会ってしまい……。そこから何故か仲良くなったのだ。もう既に、何度か会っている。
そして、今日は、彼が急に家に来ると言いだしたので、慌てて買い出しに出て、帰ってきたところなのだ。夕方、涼しくなってから外に出ようと思っていたのにな……。
「レイさん、ビールいります?」
ついさっき買って来たばかりの缶ビールを彼に見せる。
やっと、雑誌から目を離してこちらを見た彼は、飲む。と少し笑って答えた。
缶ビールを手渡して、私は自分の分の缶ビールを開ける。プシュッと、いい音がした。
暑かったんだから、昼間から飲んだっていいじゃない。
喉に流し込んだビールは、やはり、炎天下の中を歩いて来たせいで、思っていたほど冷えてなかった。
「……なんかぬるい。ごめんなさい、美味しくないかも」
彼に向かって苦笑いする。
「いいよ。外、暑いもん。気にしないで」
基本的に、口数はあまり多くない彼だが、私の行動を少しは労ってくれたのかと思うと嬉しくなった。
「それにしても……今日は急にどうしたんです? いつもならもっと前もって連絡くれるじゃないですか」
さっきも言ったが、彼は、有名人。私のような庶民とは生きてる世界が違うのだ。
それはもう、とんでもなく忙しいはずなのに、何故わざわざこんなところに来たのか……。
「んー? 休みになったから」
至極、当たり前のことを彼に言われる。
「それなら、尚更、自分の家にいた方が休めると思いますけど……」
だって、休みに家でやりたいこととかあるでしょう。私の家なんて、何も無いのだから。
さっきのギター雑誌も、レイさんが表紙だから買っているだけで、私はギターが弾けるわけでも、持っているわけでもない。
「うーん……ちょっと仕事から離れたかったかな……? 最近、忙しかったから」
少し甘えたような声音でそう言われて、胸が音を立てた。
「っ……だからって、私のところに来ちゃダメだと思いますよ……」
一応、理性でそう言ってみる。私たちは、『そういう関係』なのだ。
だから、急に彼が来たからと、心の底から両手離しでは喜べない。
それなのに、彼は、何も問題ない、と言わんばかりに振る舞うものだから、見ているこちらの方が不安で仕方ない。
「ここが、一番離れられる場所なんだよね」
彼はそう言いながら席を立つと、テーブルの側に立ったままの私を、背中から抱きしめる。
ふわっと、彼のいつもの香水が香り、彼のサラサラとした長い髪が私の頰と首筋を擽る。
彼のこの香りが好きで、こうやって近づくたびに酔いそうになる。
頭の中で、理性が煩く警鐘を鳴らしている
わかっている。
けど、
これに抗える術を私は知らない。
彼の腕を解いて、彼に向き直る。
「何かあったって知らないですよ」
この言葉は、彼に向けたものなのか、自分の背徳感に向けたものなのか……。
「何があるっていうの? ここには、俺と二人きりなのに……」
私が悪態をついたって、彼はそう言って薄い唇に弧を描くだけ。
そんな余裕なんて、私は持ち合わせていない。
悔しくて、彼のシャツから覗く白い鎖骨に噛み付いた。
「ねぇ……」
また、彼の髪が頰を擽る。
彼が、少し掠れた甘い声を出すのは合図なのだと最近やっと学習した。
西陽が差し込む寝室のカーテンを引く。薄暗くなった部屋に二人きり。
重ねた唇は、エアコンで冷えたのか、少しだけ冷たく感じた。
このまま世界から私たちだけ切り離されてればいい……。
なんて、彼の香りに酔いながら、頭の片隅でそんなことを思った……。
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