【もしもこの感情に名前をつけるならば】
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03
リンク様は「今日はリトの方の話をしたい」と言って、語り始めた。
主に英傑のリーバルさん、神獣ヴァ・メドー、テバさん、チューリさんの話しだった。
「今回は風の神殿に行ったんだよ。たまに遊びに行っていたけどチューリの成長っぷりには驚いたな……」
「そんなに?」
「数年前を知っているからかな。無鉄砲で危なっかしい所もあったけど、俺やテバの姿を見ていた頃から凄く強くなってる。あの勇敢さはテバに似たんだろうね。……オオワシの弓をチューリが受け継いで……リーバル、喜んでると思う。素直じゃないけど」
「オオワシの弓は英傑のリーバルさんの武器だったの?」
「そう。扱いが難しい弓なんだけど……持つのに相応しい相手に渡ったから。リーバルはちゃんと実力がある相手は褒めるからね」
「……よく理解されてるんだね」
懐かしむように語るリンク様。
英傑のリーバルさんとは仲があまり良くなかったようだけど、その関係さえ大切に想っているのが伝わってくる。
出会いと別れ。
関係を糸として例えるならば、途切れてしまった糸もあれば、たまたま手に取った糸がその先も続いていることもあるらしい。
リンク様の言葉に耳を傾けることに罪悪感を覚えるけど、もっと、もっと知りたいと思ってしまい。
私の知らない世界をもっと─。
「リンク。気持ちは整った?」
「……うん。特別近いわけじゃないけど丁度良い距離感だった。それに、困っていた彼らの手助けが出来て本心から良かったと思ってる」
「そっか。次は何処の話し?」
「プルアからのお勧めでゴロンシティに行こうかと思ってる。……あっ。そうだ、忘れてた」
ポーチの中をゴソゴソと弄るリンク様。
「あった」と、小さく言葉を漏らすと、テーブルの上に目的だったのであろう物を置いていく。
「お土産のイチゴとタバンタ小麦。こっちの方では手に入らないからさ」
「ありがとうございます。これなら……バターが残ってたからイチゴのタルト作れそう」
「……それ今すぐ作れる?」
「作るのに時間が掛かるけどそれでも良いのなら……」
「やった。楽しみにしてる……!」
少し子どものようなあどけなさで喜ぶリンク様。
よく食べるお方だと思っていたけれど、特に食べることが好きなのかもしれない。
お役に立てるのであれば、もっと料理のレパートリーを増やした方が良いのかもしれない。
「他にも色々作れるように頑張るね」
「アオイ。……俺も頑張らないとな」
「リンクは頑張りすぎだと思うよ。私はリンクが家の中だけでも何もしなくてもいい休める空間作るだけ。貴方の話しを聞いていると、とても大変な旅をしていることが伝わってくるから……」
「……じゃあ、遠慮なく休ませてもらおうかな。頼りにしてるよ、アオイ」
「任せて」
会話を終わらせて調理場へと向かう。
リンクの疲れを癒せるようなイチゴタルトを作らねば。