【ブレス オブ ザ ワイルド/短編】
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同じ年頃で先輩のリンク様が羨ましい。
自分はまだ新兵であの人の足元にも及ばない。
「リンク!あ、あのね……」
「…?どうしたの、ミファー」
今も気恥ずかしそうにリンク様を呼ぶミファー様。
可憐で花のような美しさ。紅のような鮮やかな色の肌は脳裏に焼き付くほど綺麗な御姿をされている。
リンク様とミファー様は幼馴染みで幼い頃からの付き合いがあるそうだ。
「あんな無愛想な天才よりもお前の方がマシだと思うけどな」そう言って、2人の姿を見ていた俺の肩に腕を回してくる同期。
「やめてくれよ。それにリンク様は尊敬に値すべき人だ。悪く言うのはやめてくれ」
「……まっ、お前がそういうならいいけど。そんなんだから何時迄も負け組なんだろ」
揶揄い甲斐のない奴と思われたのだろう。
俺に呆れた視線を向けながら同期は離れていった。
他の人達は好奇の目で彼を見ていた。
俺も少なからずそういう目で見ていた時期もあったかもしれないが、今は素直に尊敬している。
彼のようになれたら少しは彼女の視線を自分に向けてもらえることが出来るんだろうか。
……いや、無理だろうな。
俺には彼のように容姿が整っているわけでもない、強さも平々凡々だ。それに何より、彼の人を惹きつける魅力を俺は持ち合わせていない。
「あっ……」
チラリと、ミファー様に視線を向けると少し目が合った気がする。
きっと気の所為だ。
俺のような蟻の行列の中にいる一匹に向けた視線なんて意味がない。寧ろ、見ていた事を不快に思われたのかもしれない。
「この想いが報われずとも、いつかご挨拶だけでも出来たらいいのに……」
数日後。こんな事になるなら勇気を出して声を掛けたらよかったと後悔することになるとは思いもしなかった─。