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デートがしたいゼルダ姫
「アオイ!今日は私とデートして下さい!」
突然そう言い放ったのはこの国、ハイラルの王女ゼルダ。
「…えーっと、デート?することは別に良いんだけどさ。どうしたの?急に。リンクもいないみたいだけど、またこっそり出てきたの?」
「……うっ、だって狡いではありませんか。彼ばかり。知っているんですよ。夜な夜な逢瀬を繰り返しているとか…」
「逢瀬!?いや、それ違うからね!?それに毎日でもないし……。色々と心配だから気にかけてるだけだよ」
ムーッと、頬を膨らませているゼルダ。
いつもは大人びているというのに私の前では年相応か少し幼く見えるゼルダ。…それだけ信頼してもらえているということは素直に嬉しい。
「ゼルダ」
名前を呼ぶと、私を真っ直ぐ見つめるゼルダ。
「それで…何処に行きたいの?お姫様」
「……アオイ。揶揄ってませんか?」
「まさか。でも、デートした後はちゃんとお勤めに集中してもらうからね」
「思ったのですが……アオイは古代遺物の調査を止めたり、修行をするように言ってきたりしませんよね?ただ、人と対話する事と…。これに意味はあるのですか?答えを知っているなら……」
「ゼルダ。仮に私がゼルダのその力を目覚めさせる方法を知っていたとする。原理を説明したところで君の為にはならないと思うよ。たぶん……ゼルダの性格とは相性が悪いだろうから」
不安気な表情をするゼルダの頭を撫でる。
一国のお姫様に無礼だ、と思う人もいるだろうが…知るもんか。私にとってゼルダはお姫様の前にただの1人の女の子なんだから。
「大丈夫。ちゃんと意味はあるから…。対話っていうのは最もわかりやすいコミュニケーションだよ。そこから得られるものは少なくない筈だ」
「アオイ……」
「この話は終わり。さぁ、行きたい場所はある?」
私は手を差し出すと、重ねるように手を置くゼルダ。
「……ふふっ。そうですね」と言いながら、ゼルダは何処へ行こうかと考え出した─。