short story
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『瀞霊廷に納品する用事があるんで、一緒に帰りましょう』
マユリへ報告するため十二番隊へ来ていた名無しの伝令神機に、一通のメッセージ。
送り主は言わずもがな、浦原だ。
約束していた時間よりも数分早く、待ち合わせ場所に着いた。
着いたの、だが………
「浦原隊長ってお話で聞いていたよりもかっこいいですね!」
「いやぁ…それはどうも」
女性死神数名に囲まれている浦原。
一見満更ではなさそうにも見えるが、少しだけ困ったように眉を寄せていた。
(……あ。すごいモヤモヤする。)
嫉妬だと自覚するのは一瞬のことだった。
初めてではないものの、久しぶりの感覚に名無しはついこめかみを押さえた。
こんなこと恥ずかしくて口には出せないが、浦原は自分の、……こ、ここ、こ、恋人、で。
独占欲がないと言えば真っ赤な嘘になる。
そりゃあ顔はいい。とてもいい。
頭もいいし、何より強い。
死神としても恋人もしても最高にハイスペックだろう。
……どうして彼が自分に惚れてくれたのか、未だに理解が出来ない程だ。
それでも、
(あんな人格に問題ありのドスケベ店長は、)
私のだもの。
白紙の報告書に文字を書き殴り、テープを貼る。
それを掴んだまま、女性死神に囲まれている浦原の方へ、一歩、二歩、三歩。
まさにズン、ズン、ズンといった歩調で近づき――
ぽんっ。
「もう、浦原さん。帰りますよ!」
背中を軽く叩いて、浦原の羽織の裾を引く。
「あ、名無しサン。スミマセン『恋人』が来たのでこれにて失礼します」
「こ…っ」
息を吐くように出てきた単語に、私は思わず言葉を呑む。
流れるような動きで手を取られ、浦原が歩き出せば聞き慣れた下駄の音が鳴り響く。
カラン。コロン。カラン。コロン。
音が鳴る度に、ヒラヒラと浦原の背中に貼った紙が揺れる。
やけくそになって貼ったものだが、剥がすタイミングを逃してしまった。
(……帰ったらこっそり剥がそう…)
残念ながら予約済み!
「で?名無しサン背中に何貼ったンっスか?」
「………………へ!?」
「どれどれ。………へーほー、ふーん?『予約済み』っスか。」
「わーわーわー!返してください!」
「何言ってるンっスか。永久保存するに決まってるでしょ」
マユリへ報告するため十二番隊へ来ていた名無しの伝令神機に、一通のメッセージ。
送り主は言わずもがな、浦原だ。
約束していた時間よりも数分早く、待ち合わせ場所に着いた。
着いたの、だが………
「浦原隊長ってお話で聞いていたよりもかっこいいですね!」
「いやぁ…それはどうも」
女性死神数名に囲まれている浦原。
一見満更ではなさそうにも見えるが、少しだけ困ったように眉を寄せていた。
(……あ。すごいモヤモヤする。)
嫉妬だと自覚するのは一瞬のことだった。
初めてではないものの、久しぶりの感覚に名無しはついこめかみを押さえた。
こんなこと恥ずかしくて口には出せないが、浦原は自分の、……こ、ここ、こ、恋人、で。
独占欲がないと言えば真っ赤な嘘になる。
そりゃあ顔はいい。とてもいい。
頭もいいし、何より強い。
死神としても恋人もしても最高にハイスペックだろう。
……どうして彼が自分に惚れてくれたのか、未だに理解が出来ない程だ。
それでも、
(あんな人格に問題ありのドスケベ店長は、)
私のだもの。
白紙の報告書に文字を書き殴り、テープを貼る。
それを掴んだまま、女性死神に囲まれている浦原の方へ、一歩、二歩、三歩。
まさにズン、ズン、ズンといった歩調で近づき――
ぽんっ。
「もう、浦原さん。帰りますよ!」
背中を軽く叩いて、浦原の羽織の裾を引く。
「あ、名無しサン。スミマセン『恋人』が来たのでこれにて失礼します」
「こ…っ」
息を吐くように出てきた単語に、私は思わず言葉を呑む。
流れるような動きで手を取られ、浦原が歩き出せば聞き慣れた下駄の音が鳴り響く。
カラン。コロン。カラン。コロン。
音が鳴る度に、ヒラヒラと浦原の背中に貼った紙が揺れる。
やけくそになって貼ったものだが、剥がすタイミングを逃してしまった。
(……帰ったらこっそり剥がそう…)
残念ながら予約済み!
「で?名無しサン背中に何貼ったンっスか?」
「………………へ!?」
「どれどれ。………へーほー、ふーん?『予約済み』っスか。」
「わーわーわー!返してください!」
「何言ってるンっスか。永久保存するに決まってるでしょ」