この瞬間がすき
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「ただいまぁ」
「おかえりなさいっス」
魂葬の見回りから戻ってきた名無し。
手には、赤い紙袋が握られている。
「どしたんっスか?それ」
「これですか?黒崎くんにたまたま会って、買いすぎたからお裾分け…って貰っちゃいました」
中身は…コーヒー豆?
「いい匂いっスね」
「早速淹れましょうか?」
「お。いいんっスか?」
「ふふっ、いいっすよ。外、寒かったのであったかい飲み物欲しかったですし」
そう言うと名無しは軽い足取りで台所へ向かった。
キッチンから香る珈琲の香り。
純和風作りの駄菓子屋商店には、少しだけ不釣り合いで思わず笑ってしまう。
「はい、どうぞ」
「いやぁ、すみません」
読んでいた本をひっくり返して机に置いて、マグカップに手を伸ばす。
それを見た名無しが、新聞の折込チラシを栞代わりにページに挟んで丁寧に閉じた。こういう所はマメだと、つくづく感心する。
「ありがとうございます」とお礼を言えば、彼女は照れたように笑った。可愛い。
以前、インスタントコーヒーを飲んでる時ブラックだったのを覚えていたのか、彼女が選んだ可愛らしい動物のマグカップの中には湯気を立たせたブラックコーヒーが波打っていた。
一口飲めば酸味の少ない、飲みやすいコーヒーの味が口いっぱいに広がる。
豆が挽きたてなのだろう、渋みがなく飲みやすい。素直に美味しいと思った。
「美味しいっスねぇ。今度黒崎サンに会ったら何か商品オマケしましょっかぁ」
「そうですね」
マグカップを両手で包むように持ち、ちびちびとカフェオレにしたコーヒーを飲む名無し。
外が寒かったらしい、マグカップで暖を取るように握りしめる様は、可愛らしいの一言に尽きる。
この瞬間がすき#あったかい飲み物
コーヒーを片手に、再び本に視線を落とす浦原。
器用に片手で本を持ちながら、もう片手でマグカップを持っている。
意外とそれは難しい。手が大きいから出来る芸当だと思う。
マグカップから動物のマスコットが顔を出している可愛らしいデザインは、真剣な顔で本を読んでいる姿に何となくミスマッチな気がした。逆に、ギャップ萌え、と言えなくもないのだが。
マグカップを優雅に持つ手は、こんなこと言うのは癪だがやらしいと思う。やらしい、というか、どちらかと言うとエロい。
最近気づいたが、意外と私は手フェチらしい。絶対に彼の前で口に出して言わないけれど。
どうせならお洒落なコーヒーカップだともっと映えたかもしれない。
じっと見つめていると、視線に気がついた浦原が「どうかしました?」と声を掛けてきた。
手をガン見してました、とは恥ずかしくて言えず、
「コーヒー、おかわりいります?」
「あ、じゃあお願いするっス」
もう少しだけあなたの手が見たくて、おかわりを用意するために台所へ向かった。
「おかえりなさいっス」
魂葬の見回りから戻ってきた名無し。
手には、赤い紙袋が握られている。
「どしたんっスか?それ」
「これですか?黒崎くんにたまたま会って、買いすぎたからお裾分け…って貰っちゃいました」
中身は…コーヒー豆?
「いい匂いっスね」
「早速淹れましょうか?」
「お。いいんっスか?」
「ふふっ、いいっすよ。外、寒かったのであったかい飲み物欲しかったですし」
そう言うと名無しは軽い足取りで台所へ向かった。
キッチンから香る珈琲の香り。
純和風作りの駄菓子屋商店には、少しだけ不釣り合いで思わず笑ってしまう。
「はい、どうぞ」
「いやぁ、すみません」
読んでいた本をひっくり返して机に置いて、マグカップに手を伸ばす。
それを見た名無しが、新聞の折込チラシを栞代わりにページに挟んで丁寧に閉じた。こういう所はマメだと、つくづく感心する。
「ありがとうございます」とお礼を言えば、彼女は照れたように笑った。可愛い。
以前、インスタントコーヒーを飲んでる時ブラックだったのを覚えていたのか、彼女が選んだ可愛らしい動物のマグカップの中には湯気を立たせたブラックコーヒーが波打っていた。
一口飲めば酸味の少ない、飲みやすいコーヒーの味が口いっぱいに広がる。
豆が挽きたてなのだろう、渋みがなく飲みやすい。素直に美味しいと思った。
「美味しいっスねぇ。今度黒崎サンに会ったら何か商品オマケしましょっかぁ」
「そうですね」
マグカップを両手で包むように持ち、ちびちびとカフェオレにしたコーヒーを飲む名無し。
外が寒かったらしい、マグカップで暖を取るように握りしめる様は、可愛らしいの一言に尽きる。
この瞬間がすき#あったかい飲み物
コーヒーを片手に、再び本に視線を落とす浦原。
器用に片手で本を持ちながら、もう片手でマグカップを持っている。
意外とそれは難しい。手が大きいから出来る芸当だと思う。
マグカップから動物のマスコットが顔を出している可愛らしいデザインは、真剣な顔で本を読んでいる姿に何となくミスマッチな気がした。逆に、ギャップ萌え、と言えなくもないのだが。
マグカップを優雅に持つ手は、こんなこと言うのは癪だがやらしいと思う。やらしい、というか、どちらかと言うとエロい。
最近気づいたが、意外と私は手フェチらしい。絶対に彼の前で口に出して言わないけれど。
どうせならお洒落なコーヒーカップだともっと映えたかもしれない。
じっと見つめていると、視線に気がついた浦原が「どうかしました?」と声を掛けてきた。
手をガン見してました、とは恥ずかしくて言えず、
「コーヒー、おかわりいります?」
「あ、じゃあお願いするっス」
もう少しだけあなたの手が見たくて、おかわりを用意するために台所へ向かった。
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