anemone days
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許さない。
anemone days#40
浦原を射抜いた矢を抜けば、今までに見たことのない彼の夥しい血が白い岩を赤に変える。
両手が、真紅に染まる。
それと同時に頭の中が、怒りで真っ白になっていく感覚。
「…ペッシェさん!ドンドチャッカさん!織姫ちゃん達を、安全なところへ!」
「な…っ名無し!お前はどうするつもりなのだ!?」
「言わせないでください。早くしないと、命の保証はしませんよ」
瞬歩で岩の高台から飛び出す名無し。
乱装天傀で動く滅却師、キルゲの矢が頬を掠める。
「名無しと言いましたか!?
あぁ、なんて今日は素晴らしい日でしょう!黒崎一護の足止めの任を成功さけるだけではなく、『霊王の右足』を手に入れる日が来るとは!」
「黙れ」
名無しが手をひと振りすれば、キルゲの左足首が切り落とされる。
あぁ。これは、汚い赤だ。
「ぐ、あぁああ!」
「お前を殺して、黒崎くんのところへもう一度門を開く。
――二度と立ち上がれないように、原型を留めない程に殺してやる」
冷徹な視線がキルゲへ落とされる。
まるで、獲物を射抜く獣の目だ。
瞳孔が開ききった目は、殺気立っていた。
「無駄だ!一度閉じた黒腔は同じ場所へ開かない!」
「そう。じゃあ先にお前を殺そうか」
「何をそこまで怒るのです?私の胸をあの男は射抜いた!お返し…したまてですよ!!」
右手に携えた霊子で出来たサーベルをキルゲが振るう。
それを半歩下がり紙一重で躱し、右足を石英の砂漠へ大きく踏み鳴らした。
「その操り糸、邪魔ね」
「乱装天傀と言って頂きたい!滅却師の最終奥義を操り糸などと、」
「あぁ、霊子の隷属だったけ。お得意の。
――悪いわね、こっちは」
乱装天傀が、砕ける。
「『空間の隷属』なのよ。
虚圏が霊子で構成されているなら、今の霊子は私の支配下だ」
名無しの右足の影が、ボコリと揺れる。
「そんな、霊子の隷属こそが滅却師の、」
「あぁ。今この空間にいるなら、お前も霊子で出来ているんだっけ?」
ニッコリとそれはとてもとても、綺麗な笑み。
冷徹で、冷酷で、刃のような微笑み。
可愛らしく首を傾げる姿はむしろ、キルゲに恐怖を植え付ける。
「まさか、」
「一片の欠片も残すものか。原型を留めない程に、って、言ったはずよ。…『消えろ』」
名無しが右手の拳を固く握れば、キルゲの身体を構成している霊子が砕けていく。
それは角砂糖が紅茶に溶けるように、ボロボロと崩れ空気に溶ける。
「キルゲ様!」
生き残っていた滅却師達が、遠くから駆けてくる。
まだ、仲間がいたのか。
「なんだ、まだいたの。何人いても、同じだけどね」
「本当にな。蛆虫みてェに湧いてきやがる」
背後から、聞こえたきた声。
それは聞き覚えのある男の声だ。
「…今、あなたの相手する程、暇じゃないんだけど」
「奇遇だな。俺もあの白服共を殺すことで忙しいんだよ」
そう言って現れた男、グリムジョーが好戦的な笑みを浮かべた。
anemone days#40
浦原を射抜いた矢を抜けば、今までに見たことのない彼の夥しい血が白い岩を赤に変える。
両手が、真紅に染まる。
それと同時に頭の中が、怒りで真っ白になっていく感覚。
「…ペッシェさん!ドンドチャッカさん!織姫ちゃん達を、安全なところへ!」
「な…っ名無し!お前はどうするつもりなのだ!?」
「言わせないでください。早くしないと、命の保証はしませんよ」
瞬歩で岩の高台から飛び出す名無し。
乱装天傀で動く滅却師、キルゲの矢が頬を掠める。
「名無しと言いましたか!?
あぁ、なんて今日は素晴らしい日でしょう!黒崎一護の足止めの任を成功さけるだけではなく、『霊王の右足』を手に入れる日が来るとは!」
「黙れ」
名無しが手をひと振りすれば、キルゲの左足首が切り落とされる。
あぁ。これは、汚い赤だ。
「ぐ、あぁああ!」
「お前を殺して、黒崎くんのところへもう一度門を開く。
――二度と立ち上がれないように、原型を留めない程に殺してやる」
冷徹な視線がキルゲへ落とされる。
まるで、獲物を射抜く獣の目だ。
瞳孔が開ききった目は、殺気立っていた。
「無駄だ!一度閉じた黒腔は同じ場所へ開かない!」
「そう。じゃあ先にお前を殺そうか」
「何をそこまで怒るのです?私の胸をあの男は射抜いた!お返し…したまてですよ!!」
右手に携えた霊子で出来たサーベルをキルゲが振るう。
それを半歩下がり紙一重で躱し、右足を石英の砂漠へ大きく踏み鳴らした。
「その操り糸、邪魔ね」
「乱装天傀と言って頂きたい!滅却師の最終奥義を操り糸などと、」
「あぁ、霊子の隷属だったけ。お得意の。
――悪いわね、こっちは」
乱装天傀が、砕ける。
「『空間の隷属』なのよ。
虚圏が霊子で構成されているなら、今の霊子は私の支配下だ」
名無しの右足の影が、ボコリと揺れる。
「そんな、霊子の隷属こそが滅却師の、」
「あぁ。今この空間にいるなら、お前も霊子で出来ているんだっけ?」
ニッコリとそれはとてもとても、綺麗な笑み。
冷徹で、冷酷で、刃のような微笑み。
可愛らしく首を傾げる姿はむしろ、キルゲに恐怖を植え付ける。
「まさか、」
「一片の欠片も残すものか。原型を留めない程に、って、言ったはずよ。…『消えろ』」
名無しが右手の拳を固く握れば、キルゲの身体を構成している霊子が砕けていく。
それは角砂糖が紅茶に溶けるように、ボロボロと崩れ空気に溶ける。
「キルゲ様!」
生き残っていた滅却師達が、遠くから駆けてくる。
まだ、仲間がいたのか。
「なんだ、まだいたの。何人いても、同じだけどね」
「本当にな。蛆虫みてェに湧いてきやがる」
背後から、聞こえたきた声。
それは聞き覚えのある男の声だ。
「…今、あなたの相手する程、暇じゃないんだけど」
「奇遇だな。俺もあの白服共を殺すことで忙しいんだよ」
そう言って現れた男、グリムジョーが好戦的な笑みを浮かべた。