anemone days
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「じゃあ名無し。先帰ってるぞ」
「はいはい。残りの夏休み、楽しんでね」
「名無しちゃん、次は学校でね!」
穿界門の前で見送る護廷十三隊と、名無し。
見送られるのは一護達。
足がまだ完治してない為、完治するまでは拘流の中を走れないだろう、ということで尸魂界に残留した。
「じゃあな、ルキア」
「あぁ。…ありがとう、一護」
こうして尸魂界と現世を繋ぐ門は閉じる。
清々しい表情をしたルキアは、尸魂界に残った。
anemone days#20
「ヒマね。」
「そうだな。瀞霊廷も随分静かになったものだ」
見送ってすぐ、卯ノ花に病室へ連行された。
そんなことしなくても、もう逃げませんって!と心の中で抗議するが、笑顔で圧を発する彼女に反論出来る人間は殆どいないだろう。
ここの白玉あんみつが美味いのだ!とルキアが甘味を持って見舞いに来てくれた。
彼女も体調が万全でないが、あとは養生するだけなのだろう。
付き添いで彼女の兄も病室にやってきたのは、少しビックリしたけど。
「…お兄さんは食べられないんですか?」
「甘い物は苦手だ」
「白哉兄様は辛いものの方がお好きでな」
「ふーん」
どこかで聞いたことのある名前だった。
失礼なのは承知の上、その端正な顔を無遠慮に見上げる。
…やはりどこかで、あったことがある気がする。
白哉。白哉か…
『白哉。…朽木、白哉だ』
「あ!もしかして髪紐の」
そこまで言いかけて、光の速さで口を手で塞がれた。
大きな手で塞がれたからか、パァンッ!と乾いた音が私の頬で鳴る。少し痛い。そして脳天が少し揺れた。
ルキアはルキアで「兄様!?」と動揺を隠しきれなかった。
一番動揺しているのは、恐らくこの男。
「その事は黙っていろ」
そうか、髪紐を取られて夜一にからかわれていたからか。
兄としては妹に恥ずかしいエピソードを聞かれたくないのだろう。
しかも出会い方が、夜一を追いかけて瞬歩で走っていると、私と接触事故を起こした・とまぁ、あまりカッコイイ話ではない。
若気の至りの一言で、彼の中では納得出来ないのだろう。
致し方あるまいと思い、小刻みに首を縦に振った。
「っぷは、…あれだ、知り合いだったよ、ルキア。でも101年前はこんな小さかったのに」
「もう少し背丈はあった」
適当に右手を上げ、身長を表現すると、不平不満を漏らす白哉。
えぇい、細かいなこの男は。
「昔はポニーテールだったし、若かったし、死覇装着てなかったし分からないわよ」
「若かりし頃の兄様…一度見てみたいな…」
「ポニーテール似合ってたのに。勿体無い」
「……」
おもむろに髪飾りを取り、一つ一つ丁寧に近くの机の上に置く。
近くにあった紐で髪を高く結いあげれば、当時の少年がそのまま大きくなった姿だった。
「一度しかせぬ」
「兄様…!そのお姿も大変麗しゅうございます!」
ルキアは頬を染め口元を手で覆って喜んでいる。そこまで興奮することか。
しかしまぁ、確かにこれは本当によく似合う。
「いつもその髪型だといいのに」
「代々当主は髪を結わぬ仕来りだ」
なるほど。そういうことなら。
するりと紐を解き、手慣れた手つきで髪飾りを一つ一つ元へ戻した。
「そうだ、ルキア。昔の写真がないか今度夜一さんに聞いとくね」
「ならぬ」
「ええー…」
穏やかな昼下がりは、ゆっくりと過ぎていく。
「はいはい。残りの夏休み、楽しんでね」
「名無しちゃん、次は学校でね!」
穿界門の前で見送る護廷十三隊と、名無し。
見送られるのは一護達。
足がまだ完治してない為、完治するまでは拘流の中を走れないだろう、ということで尸魂界に残留した。
「じゃあな、ルキア」
「あぁ。…ありがとう、一護」
こうして尸魂界と現世を繋ぐ門は閉じる。
清々しい表情をしたルキアは、尸魂界に残った。
anemone days#20
「ヒマね。」
「そうだな。瀞霊廷も随分静かになったものだ」
見送ってすぐ、卯ノ花に病室へ連行された。
そんなことしなくても、もう逃げませんって!と心の中で抗議するが、笑顔で圧を発する彼女に反論出来る人間は殆どいないだろう。
ここの白玉あんみつが美味いのだ!とルキアが甘味を持って見舞いに来てくれた。
彼女も体調が万全でないが、あとは養生するだけなのだろう。
付き添いで彼女の兄も病室にやってきたのは、少しビックリしたけど。
「…お兄さんは食べられないんですか?」
「甘い物は苦手だ」
「白哉兄様は辛いものの方がお好きでな」
「ふーん」
どこかで聞いたことのある名前だった。
失礼なのは承知の上、その端正な顔を無遠慮に見上げる。
…やはりどこかで、あったことがある気がする。
白哉。白哉か…
『白哉。…朽木、白哉だ』
「あ!もしかして髪紐の」
そこまで言いかけて、光の速さで口を手で塞がれた。
大きな手で塞がれたからか、パァンッ!と乾いた音が私の頬で鳴る。少し痛い。そして脳天が少し揺れた。
ルキアはルキアで「兄様!?」と動揺を隠しきれなかった。
一番動揺しているのは、恐らくこの男。
「その事は黙っていろ」
そうか、髪紐を取られて夜一にからかわれていたからか。
兄としては妹に恥ずかしいエピソードを聞かれたくないのだろう。
しかも出会い方が、夜一を追いかけて瞬歩で走っていると、私と接触事故を起こした・とまぁ、あまりカッコイイ話ではない。
若気の至りの一言で、彼の中では納得出来ないのだろう。
致し方あるまいと思い、小刻みに首を縦に振った。
「っぷは、…あれだ、知り合いだったよ、ルキア。でも101年前はこんな小さかったのに」
「もう少し背丈はあった」
適当に右手を上げ、身長を表現すると、不平不満を漏らす白哉。
えぇい、細かいなこの男は。
「昔はポニーテールだったし、若かったし、死覇装着てなかったし分からないわよ」
「若かりし頃の兄様…一度見てみたいな…」
「ポニーテール似合ってたのに。勿体無い」
「……」
おもむろに髪飾りを取り、一つ一つ丁寧に近くの机の上に置く。
近くにあった紐で髪を高く結いあげれば、当時の少年がそのまま大きくなった姿だった。
「一度しかせぬ」
「兄様…!そのお姿も大変麗しゅうございます!」
ルキアは頬を染め口元を手で覆って喜んでいる。そこまで興奮することか。
しかしまぁ、確かにこれは本当によく似合う。
「いつもその髪型だといいのに」
「代々当主は髪を結わぬ仕来りだ」
なるほど。そういうことなら。
するりと紐を解き、手慣れた手つきで髪飾りを一つ一つ元へ戻した。
「そうだ、ルキア。昔の写真がないか今度夜一さんに聞いとくね」
「ならぬ」
「ええー…」
穏やかな昼下がりは、ゆっくりと過ぎていく。