anemone days
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浦原の伝令神機が鳴り響く。
薄暗い研究室の中で煌々と光るディスプレイには、よく知っている男の名前。
anemone days#06.5
『どうや、そっちは』
「例えるなら、スポンジに水を与えてる気分っス」
『分かりにくい例えやな』
「…正直、これでいいのかな、って思ってるんっスよ」
『なんや。全然ダメなんか』
「逆っス。グイグイ知識飲み込んでいってるんで、ボクちょっと戸惑ってるんっスよ」
彼女の底なしの霊力が、時々怖いくらいだ。
霊圧は霊圧遮断義骸と手首の霊力制御装置でなんとか抑えているが、そろそろ新しいものが必要かもしれない。
土壌は完璧。種はこっちで蒔いて育つ環境さえ与えてしまえば、際限なく育つ植物のようだった。
『俺ら全員の虚化防ぐために作るワクチンも、本来人間の魂魄が材料として必要だったらしいやないか。
…魂魄の代わりになる量の霊力を八人分って…助けてもらっといてなんやけど、正直得体が知れんわ』
「平子サン。」
『…今のは失言やったな、すまん』
伝令神機の向こうで、彼は申し訳なさそうな声で謝った。
そう、彼は平子真子。101年前に起きた魂魄消失事件の被害者のひとりだ。
「藍染サンの斬魄刀の能力や、名無しサンの霊力の特性伝えたら…彼女、なんて言ったと思います?」
『知らんわ。普通ビビるやろ』
「ボクらの濡れ衣を晴らして、藍染サンをぶん殴るんですって」
『…冷静な子やなと思ってたけど、俺の認識間違っとったか?身の程知らずとちゃうんか』
「それが困ったことに、彼女、本気なんっスよ」
『………なぁ喜助ェ』
「何ですか?」
『ホンマに今回、あの子巻き込んでよかったんか?』
平子の言葉に、一瞬浦原は息が詰まった。
「…どういうことです?」
『間違いなく藍染はあの子に目ェつけとるで。アイツの暗躍を護廷にバラすにしては、リスク高ァないか?』
「平子サン発案なのに何を言うんスかぁ」
『確認や、確認。
後でなんかあった時に、お前とひよ里にブツブツ言われるンは、俺やぞ』
ホント、責任重大やわ。
そう言いながら電話の向こうで平子は大きく溜息をついた。
モンスターペアレントのような関西弁少女は未だに元気そうで何よりだ。
確かに、彼女の修行風景をひよ里が見たら激怒するだろう。容易に想像できる。
けれど、
「遅かれ早かれ、彼らに見つかりますよ。彼女は。もしかしたら、見つかってるかもしれませんが。
…だからこそ、ボクは最善の手を用意するんっス。それが例え、彼女に嫌われたとしても、傷つける結果になったとしても」
薄暗い研究室の中で煌々と光るディスプレイには、よく知っている男の名前。
anemone days#06.5
『どうや、そっちは』
「例えるなら、スポンジに水を与えてる気分っス」
『分かりにくい例えやな』
「…正直、これでいいのかな、って思ってるんっスよ」
『なんや。全然ダメなんか』
「逆っス。グイグイ知識飲み込んでいってるんで、ボクちょっと戸惑ってるんっスよ」
彼女の底なしの霊力が、時々怖いくらいだ。
霊圧は霊圧遮断義骸と手首の霊力制御装置でなんとか抑えているが、そろそろ新しいものが必要かもしれない。
土壌は完璧。種はこっちで蒔いて育つ環境さえ与えてしまえば、際限なく育つ植物のようだった。
『俺ら全員の虚化防ぐために作るワクチンも、本来人間の魂魄が材料として必要だったらしいやないか。
…魂魄の代わりになる量の霊力を八人分って…助けてもらっといてなんやけど、正直得体が知れんわ』
「平子サン。」
『…今のは失言やったな、すまん』
伝令神機の向こうで、彼は申し訳なさそうな声で謝った。
そう、彼は平子真子。101年前に起きた魂魄消失事件の被害者のひとりだ。
「藍染サンの斬魄刀の能力や、名無しサンの霊力の特性伝えたら…彼女、なんて言ったと思います?」
『知らんわ。普通ビビるやろ』
「ボクらの濡れ衣を晴らして、藍染サンをぶん殴るんですって」
『…冷静な子やなと思ってたけど、俺の認識間違っとったか?身の程知らずとちゃうんか』
「それが困ったことに、彼女、本気なんっスよ」
『………なぁ喜助ェ』
「何ですか?」
『ホンマに今回、あの子巻き込んでよかったんか?』
平子の言葉に、一瞬浦原は息が詰まった。
「…どういうことです?」
『間違いなく藍染はあの子に目ェつけとるで。アイツの暗躍を護廷にバラすにしては、リスク高ァないか?』
「平子サン発案なのに何を言うんスかぁ」
『確認や、確認。
後でなんかあった時に、お前とひよ里にブツブツ言われるンは、俺やぞ』
ホント、責任重大やわ。
そう言いながら電話の向こうで平子は大きく溜息をついた。
モンスターペアレントのような関西弁少女は未だに元気そうで何よりだ。
確かに、彼女の修行風景をひよ里が見たら激怒するだろう。容易に想像できる。
けれど、
「遅かれ早かれ、彼らに見つかりますよ。彼女は。もしかしたら、見つかってるかもしれませんが。
…だからこそ、ボクは最善の手を用意するんっス。それが例え、彼女に嫌われたとしても、傷つける結果になったとしても」