anemone days
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「さてと。虚との乱戦は今回が初めてっスからね、油断せずに頑張りましょ」
「はい。…ところで、このエプロンは何です?」
「いいでしょ?看板娘っぽくて。Tシャツもいかがです?」
『浦』と染抜きされた紺色のエプロンを身につけた名無し。
雨やジン太が着ているTシャツは『浦原商店』とプリントされていた。…私が長いこと眠っている間に何を作ってたんだ。
anemone days#10
雨の持っていたガトリング砲が、けたたましい音を立てながら火を噴く。
銃火器のような武器でも虚に有効なのか、それともこれも浦原特製なのか。
「黒崎サーン!助けに来てあげましたよーン」
「テメェは、ルキアの知り合いの下駄帽子…って、名無し!何でお前もいるんだよ!」
「…なんでって、店員だから?」
「そういう意味じゃなくてだな!」
ほら、とアピールするようにエプロンをつまんで答えると、斬魄刀を持った一護が頭を抱えた。
「冗談よ。ほら、うちの店長が言ってた通り、助太刀に」
「名無しサン!もう一度『店長♡』って呼んでください!!」
「仕事して下さい『浦原さん』」
語尾にハートなんかつけていないぞ、私は。
「じゃあ、ちょっと行ってきます」
「お気をつけて〜」
「オイ、下駄帽子!止めねぇのかよ!」
「何が?」
「何がって、名無しのやつ怪我だらけだしよ、」
「大丈夫ですよォ。名無しサンは」
扇子を広げて呑気に仰ぐ浦原。
自分との『殺し合い』で生き残っているのだ。こんな虚の群れを相手取るのは、赤子を捻るより容易いはず。
「ほら、黒崎サン。無駄口を利いてる暇なんてない」
そう言って浦原が指差した先には、空を割いて顔を出す巨大な虚の姿。
死神が『大虚』と呼ぶ個体だ。
「うわ、でっかいな。あれも虚…だろうなぁ、仮面ついてるもんなぁ」
指先一つ振り下ろせば空間が裂け、視界に映る虚の仮面が爆ぜるように割れていく。
虚は元は人間の霊魂、と聞いた。
それと同時に、虚を殺すことは尸魂界に送ることで、決して完全なる死ではない、と修行の最初に浦原から言われた。
成仏出来なかった霊魂の、成れの果てがあの大きさなのだろうか。
「…可哀想に」
ポツリと呟いた名無しの声は、彼ら虚には届かない。
「はい。…ところで、このエプロンは何です?」
「いいでしょ?看板娘っぽくて。Tシャツもいかがです?」
『浦』と染抜きされた紺色のエプロンを身につけた名無し。
雨やジン太が着ているTシャツは『浦原商店』とプリントされていた。…私が長いこと眠っている間に何を作ってたんだ。
anemone days#10
雨の持っていたガトリング砲が、けたたましい音を立てながら火を噴く。
銃火器のような武器でも虚に有効なのか、それともこれも浦原特製なのか。
「黒崎サーン!助けに来てあげましたよーン」
「テメェは、ルキアの知り合いの下駄帽子…って、名無し!何でお前もいるんだよ!」
「…なんでって、店員だから?」
「そういう意味じゃなくてだな!」
ほら、とアピールするようにエプロンをつまんで答えると、斬魄刀を持った一護が頭を抱えた。
「冗談よ。ほら、うちの店長が言ってた通り、助太刀に」
「名無しサン!もう一度『店長♡』って呼んでください!!」
「仕事して下さい『浦原さん』」
語尾にハートなんかつけていないぞ、私は。
「じゃあ、ちょっと行ってきます」
「お気をつけて〜」
「オイ、下駄帽子!止めねぇのかよ!」
「何が?」
「何がって、名無しのやつ怪我だらけだしよ、」
「大丈夫ですよォ。名無しサンは」
扇子を広げて呑気に仰ぐ浦原。
自分との『殺し合い』で生き残っているのだ。こんな虚の群れを相手取るのは、赤子を捻るより容易いはず。
「ほら、黒崎サン。無駄口を利いてる暇なんてない」
そう言って浦原が指差した先には、空を割いて顔を出す巨大な虚の姿。
死神が『大虚』と呼ぶ個体だ。
「うわ、でっかいな。あれも虚…だろうなぁ、仮面ついてるもんなぁ」
指先一つ振り下ろせば空間が裂け、視界に映る虚の仮面が爆ぜるように割れていく。
虚は元は人間の霊魂、と聞いた。
それと同時に、虚を殺すことは尸魂界に送ることで、決して完全なる死ではない、と修行の最初に浦原から言われた。
成仏出来なかった霊魂の、成れの果てがあの大きさなのだろうか。
「…可哀想に」
ポツリと呟いた名無しの声は、彼ら虚には届かない。