星霜を辿る
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「いえーい、勝ち〜」
「だァァ!立ち上がりに追撃かけるのズリィ!」
「なっとらんよ、五条くん」
チーター覆面レスラーの勝利画面が無慈悲に映る。
格闘ゲームの筐体越しに、ピースサインでドヤ顔を浮かべるのは名無しだ。
俺が使う黒髪の男キャラはダウンしたまま動かない。コンテニューまでのカウントダウンがやたらと大きく聞こえる気がする。
「もう一回!」
「次の人待ってるから後でね」
名無しの後ろには近隣の高校生が並んで待っていた。
仲良さそうな男子高校生二人は実に楽しそうで、俺らもあぁいう風に周りから見えているのかと思ったら、少しだけ擽ったい気持ちになる。
煙草臭いゲームセンターの中をぶらりと歩けば、国民的キャラクターのぬいぐるみが犬神家状態になっていた。
アームを斜めから押してやれば……?
「これ取れそうじゃね?」
「取ってどうする?」
「傑に自慢する。」
可愛い猫のキャラクターなんて貰い手はいないだろうけど。
何せ唯一の女子である硝子も『いらねー』と首を横に振るに決まっている。
この大きいぬいぐるみの行先は後で考えるとして、両替したての百円玉を取り出し、投入口へ一枚転がし入れた。
動くアーム、固唾を飲む音。
「もう少しこっちじゃね?」という俺の一人言に近い呟きを名無しが拾い、「いや、もうちょっと奥だと思う」とクレーンゲームの筐体周りをウロウロ観察する。
猫のキャラクターの足を掴み、そろっと持ち上げた瞬間──
「うぉぉぉ!UFOキャッチャーの天才じゃね?一発で取れた!」
「すごい!大きいぬいぐるみ取れる瞬間、初めて見た!」
思わず二人でガッツポーズ。取り出し口からぬいぐるみを出そうとしたら、大きすぎてつっかえたのには笑った。
デカすぎんだろ、キティちゃん。
「写メ撮るから持ってろよ」と名無しに押し付けたら、巨大キティがさらに大きく見える。
嬉しそうにぬいぐるみを抱える名無し。気がつけばカメラのフレームには名無し、そして顔半分が見切れたキティちゃんの写真が出来上がっていた。
「ぬいぐるみの写真、ちゃんと撮れた?」
「…おー。」
「で、どうする?このキティちゃん」
「夜蛾先生にあげればいいだろ。多分好きだろ?可愛いの」
あの強面の担任なら呪骸に仕上げそうだ。
あと、生徒から押し付けられたぬいぐるみとはいえ、何だかんだで部屋に置きそうな気もする。
「……呪骸キティ…」
「高専の怪談話になること間違いなしだな。」
09.play play!
一方、高専の談話室。
五条からのメールを受け取った夏油は、携帯を弄っていた家入に画面を見せる。
「なんだアイツら。仲良いじゃん」
「写メまで来てるよ」
「自慢のつもりか…?」
家入は煙草の箱を取り出し、機嫌を少し拗らせる。
「アホらし。タバコ吸いに行ってもいい?」
「じゃあ私は自販機で飲み物でも買ってくるよ」
「だァァ!立ち上がりに追撃かけるのズリィ!」
「なっとらんよ、五条くん」
チーター覆面レスラーの勝利画面が無慈悲に映る。
格闘ゲームの筐体越しに、ピースサインでドヤ顔を浮かべるのは名無しだ。
俺が使う黒髪の男キャラはダウンしたまま動かない。コンテニューまでのカウントダウンがやたらと大きく聞こえる気がする。
「もう一回!」
「次の人待ってるから後でね」
名無しの後ろには近隣の高校生が並んで待っていた。
仲良さそうな男子高校生二人は実に楽しそうで、俺らもあぁいう風に周りから見えているのかと思ったら、少しだけ擽ったい気持ちになる。
煙草臭いゲームセンターの中をぶらりと歩けば、国民的キャラクターのぬいぐるみが犬神家状態になっていた。
アームを斜めから押してやれば……?
「これ取れそうじゃね?」
「取ってどうする?」
「傑に自慢する。」
可愛い猫のキャラクターなんて貰い手はいないだろうけど。
何せ唯一の女子である硝子も『いらねー』と首を横に振るに決まっている。
この大きいぬいぐるみの行先は後で考えるとして、両替したての百円玉を取り出し、投入口へ一枚転がし入れた。
動くアーム、固唾を飲む音。
「もう少しこっちじゃね?」という俺の一人言に近い呟きを名無しが拾い、「いや、もうちょっと奥だと思う」とクレーンゲームの筐体周りをウロウロ観察する。
猫のキャラクターの足を掴み、そろっと持ち上げた瞬間──
「うぉぉぉ!UFOキャッチャーの天才じゃね?一発で取れた!」
「すごい!大きいぬいぐるみ取れる瞬間、初めて見た!」
思わず二人でガッツポーズ。取り出し口からぬいぐるみを出そうとしたら、大きすぎてつっかえたのには笑った。
デカすぎんだろ、キティちゃん。
「写メ撮るから持ってろよ」と名無しに押し付けたら、巨大キティがさらに大きく見える。
嬉しそうにぬいぐるみを抱える名無し。気がつけばカメラのフレームには名無し、そして顔半分が見切れたキティちゃんの写真が出来上がっていた。
「ぬいぐるみの写真、ちゃんと撮れた?」
「…おー。」
「で、どうする?このキティちゃん」
「夜蛾先生にあげればいいだろ。多分好きだろ?可愛いの」
あの強面の担任なら呪骸に仕上げそうだ。
あと、生徒から押し付けられたぬいぐるみとはいえ、何だかんだで部屋に置きそうな気もする。
「……呪骸キティ…」
「高専の怪談話になること間違いなしだな。」
09.play play!
一方、高専の談話室。
五条からのメールを受け取った夏油は、携帯を弄っていた家入に画面を見せる。
「なんだアイツら。仲良いじゃん」
「写メまで来てるよ」
「自慢のつもりか…?」
家入は煙草の箱を取り出し、機嫌を少し拗らせる。
「アホらし。タバコ吸いに行ってもいい?」
「じゃあ私は自販機で飲み物でも買ってくるよ」