2012 winter┊︎short story
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12月7日。その日は金曜日だった。
『課外授業』と称した任務を終え、名無しが制服についた埃を払っていた時。
帳を解きながら、五条が近くに待機していた伊地知を呼ぶため、スマートフォンを片手にとった。
「あ。今日12月7日か。」
思い出したかのように呟かれる声に、名無しは小さく首を傾げた。
「何かご用事があったんですか?歯医者の予約をすっぽかしたとか。」
「虫歯ないも〜ん。って、そうじゃなくて。
今日で24歳かぁ、って思って。」
「ふーん…」
………………ん?今日で24歳?
「もしかして今日誕生日でした!?」
「あれぇ?言ってなかったっけ」
「初耳ですよ!教えてくださっていたら何かしらご用意したのに…」
ポケットをまさぐっても何も出てくるはずがなく。
名無しは頭が痛そうにこめかみをそっと押さえた。
今からケーキ。いや、ホールは無理だろう。あったとしても売れ残りだ。
プレゼント。……五条さん、確か普段着のシャツがビックリするほど高かったな…。
あーでもない、こーでもない。
呪霊を祓った後だというのに、今はもう担任かつ、恩人である五条の誕生日のことで頭がいっぱいだった。
その光景がなんだか微笑ましくて、五条は思わず吹き出し笑いを零す。
「……くくっ、じゃあさ。次の休み、デートしようよ。」
「あ。なるほど。そこでプレゼントを選んでもらえばいいんですね、名案です。」
まぁ五条からしたらプレゼントなんて二の次。
名無しと過ごせる休日の方がよっぽど『プレゼント』に等しい。
「名無しに買ってもらえるなら、ゲームボーイでもミニ四駆でも最高のプレゼントだよ〜」
「小学生ですか。」
呆れたように肩を竦める名無し。
ポケットから取り出したスマートフォンを片手に、ポチポチと何かを入力していく。
興味本位で五条が覗き込めば、開いていたのはカレンダーのアプリだ。
「あ、もう。見ないでください、プライバシーの侵害ですよ」
「だって〜気になるじゃん」
「大したことじゃないですよ。カレンダーに五条さんの誕生日を入れてるだけです。これなら毎年忘れないでしょう?」
毎年。
ということは――
「……もしかして来年も?」
「?、はい。ご迷惑じゃなかったらプレゼントも今度こそきちんと用意しておくつもりですけど…」
「その先もずっと?」
「いいですけど…五条先生、他にも祝ってくれる人いるんじゃないですか?」
「いるとは思うけど〜」
機嫌良さそうに体を揺らしながら、五条は笑う。
「キミに、『お誕生日おめでとう』って一番に言って欲しいな。」
不意打ちbirthday
「お誕生日おめでとうございます、五条さん。」
「うん、ありがと。」
『課外授業』と称した任務を終え、名無しが制服についた埃を払っていた時。
帳を解きながら、五条が近くに待機していた伊地知を呼ぶため、スマートフォンを片手にとった。
「あ。今日12月7日か。」
思い出したかのように呟かれる声に、名無しは小さく首を傾げた。
「何かご用事があったんですか?歯医者の予約をすっぽかしたとか。」
「虫歯ないも〜ん。って、そうじゃなくて。
今日で24歳かぁ、って思って。」
「ふーん…」
………………ん?今日で24歳?
「もしかして今日誕生日でした!?」
「あれぇ?言ってなかったっけ」
「初耳ですよ!教えてくださっていたら何かしらご用意したのに…」
ポケットをまさぐっても何も出てくるはずがなく。
名無しは頭が痛そうにこめかみをそっと押さえた。
今からケーキ。いや、ホールは無理だろう。あったとしても売れ残りだ。
プレゼント。……五条さん、確か普段着のシャツがビックリするほど高かったな…。
あーでもない、こーでもない。
呪霊を祓った後だというのに、今はもう担任かつ、恩人である五条の誕生日のことで頭がいっぱいだった。
その光景がなんだか微笑ましくて、五条は思わず吹き出し笑いを零す。
「……くくっ、じゃあさ。次の休み、デートしようよ。」
「あ。なるほど。そこでプレゼントを選んでもらえばいいんですね、名案です。」
まぁ五条からしたらプレゼントなんて二の次。
名無しと過ごせる休日の方がよっぽど『プレゼント』に等しい。
「名無しに買ってもらえるなら、ゲームボーイでもミニ四駆でも最高のプレゼントだよ〜」
「小学生ですか。」
呆れたように肩を竦める名無し。
ポケットから取り出したスマートフォンを片手に、ポチポチと何かを入力していく。
興味本位で五条が覗き込めば、開いていたのはカレンダーのアプリだ。
「あ、もう。見ないでください、プライバシーの侵害ですよ」
「だって〜気になるじゃん」
「大したことじゃないですよ。カレンダーに五条さんの誕生日を入れてるだけです。これなら毎年忘れないでしょう?」
毎年。
ということは――
「……もしかして来年も?」
「?、はい。ご迷惑じゃなかったらプレゼントも今度こそきちんと用意しておくつもりですけど…」
「その先もずっと?」
「いいですけど…五条先生、他にも祝ってくれる人いるんじゃないですか?」
「いるとは思うけど〜」
機嫌良さそうに体を揺らしながら、五条は笑う。
「キミに、『お誕生日おめでとう』って一番に言って欲しいな。」
不意打ちbirthday
「お誕生日おめでとうございます、五条さん。」
「うん、ありがと。」