ファーストドライブ!
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「運転よゆ〜じゃん、名無し。」
「走り始めてしまえば、まぁ。高速道路ですし」
一般道を走っている時よりも、高速道路の方が歩行者や自転車がいない分、気が楽だ。
だからといって気を抜いている訳では勿論ない。
あくまで運転に集中しやすい、という意味なのだが──
「何か曲流しちゃう?AKB?」
「意外ですね。アイドルの曲とかも聴かれるんですか?」
「僕なんでも聴くよ。ヘビロテ、振り付きで踊ろうか?アイウォンチュ〜♡って。今ならなんと!ウインクとか投げキッスとか、ファンサ増し増しにしちゃおっかな〜」
「車内ですよ、やめてください…」
五条悟リサイタルは、また別の機会に。
あとあの振り付けを隣でされた日には、正直言って視界の邪魔でしかない。
ついでに言えば、顔のいい男のファンサなど運転に集中できないし、見なかったとしても気が散る。
──先日。
たまたま顔を合わせた七海さんに『最近どうですか』と社交辞令のような話を振られたので、今回のドライブのことを少しだけ話した。
その時七海さんが『五条さんとドライブなんて、正気ですか?』と本気トーンで言うものだから、そこまでか?と首を傾げたのだが──前言撤回。確かに正気じゃなかったかもしれない。
『運転に集中したいから話しかけるな』とまでは言わないが、こっちはピカピカの若葉マークを車体に貼った初心者なのだ。
小粋なトークが弾むのは大歓迎だが、ライブ会場にしろとは一言も言っていない。
だが、よくよく考えたら五条さんに『配慮』を求めること自体が無理な話なのだ。
……しかしまぁ、モテる男なのだからドライブデートの十や二十はこなしているだろうに。
まるで初ドライブであるかのように振る舞う姿は、ちょっとだけ少年のようで微笑ましかった。本人には絶対に言わないが。
「じゃあB’z?UltraSoul流しながら変顔一発芸でもしようか?」
「普通の。普通の選曲でお願いします。なんで初心者相手にハンドル操作誤りそうな妨害ばっかしてくるんです?」
「名無しったら我儘〜。しょうがないなぁ。」
なんて白々しく言いながら彼が選んだプレイリストは、ちょっとだけ懐かしい曲のラインナップ。
私が小学生から中学生の頃に流行っていた、軽快なJ-POPの曲の数々だった。
五条さんは多分、中学生から高校生の頃だろうか?……この人に中学生なんて時代があったなんて、にわかに信じ難い話だが。
ポルノだとか、BUMPや、宇多田とか、アジカンまで。
軽やかなポップスから疾走感のあるロックまで、初夏のドライブには最適な曲のチョイスだった。
ファーストドライブ!#03
「懐メロですね。」
「爽やかでいいでしょ?僕みたいで。」
「そういうことにしておきましょうか。」
「走り始めてしまえば、まぁ。高速道路ですし」
一般道を走っている時よりも、高速道路の方が歩行者や自転車がいない分、気が楽だ。
だからといって気を抜いている訳では勿論ない。
あくまで運転に集中しやすい、という意味なのだが──
「何か曲流しちゃう?AKB?」
「意外ですね。アイドルの曲とかも聴かれるんですか?」
「僕なんでも聴くよ。ヘビロテ、振り付きで踊ろうか?アイウォンチュ〜♡って。今ならなんと!ウインクとか投げキッスとか、ファンサ増し増しにしちゃおっかな〜」
「車内ですよ、やめてください…」
五条悟リサイタルは、また別の機会に。
あとあの振り付けを隣でされた日には、正直言って視界の邪魔でしかない。
ついでに言えば、顔のいい男のファンサなど運転に集中できないし、見なかったとしても気が散る。
──先日。
たまたま顔を合わせた七海さんに『最近どうですか』と社交辞令のような話を振られたので、今回のドライブのことを少しだけ話した。
その時七海さんが『五条さんとドライブなんて、正気ですか?』と本気トーンで言うものだから、そこまでか?と首を傾げたのだが──前言撤回。確かに正気じゃなかったかもしれない。
『運転に集中したいから話しかけるな』とまでは言わないが、こっちはピカピカの若葉マークを車体に貼った初心者なのだ。
小粋なトークが弾むのは大歓迎だが、ライブ会場にしろとは一言も言っていない。
だが、よくよく考えたら五条さんに『配慮』を求めること自体が無理な話なのだ。
……しかしまぁ、モテる男なのだからドライブデートの十や二十はこなしているだろうに。
まるで初ドライブであるかのように振る舞う姿は、ちょっとだけ少年のようで微笑ましかった。本人には絶対に言わないが。
「じゃあB’z?UltraSoul流しながら変顔一発芸でもしようか?」
「普通の。普通の選曲でお願いします。なんで初心者相手にハンドル操作誤りそうな妨害ばっかしてくるんです?」
「名無しったら我儘〜。しょうがないなぁ。」
なんて白々しく言いながら彼が選んだプレイリストは、ちょっとだけ懐かしい曲のラインナップ。
私が小学生から中学生の頃に流行っていた、軽快なJ-POPの曲の数々だった。
五条さんは多分、中学生から高校生の頃だろうか?……この人に中学生なんて時代があったなんて、にわかに信じ難い話だが。
ポルノだとか、BUMPや、宇多田とか、アジカンまで。
軽やかなポップスから疾走感のあるロックまで、初夏のドライブには最適な曲のチョイスだった。
ファーストドライブ!#03
「懐メロですね。」
「爽やかでいいでしょ?僕みたいで。」
「そういうことにしておきましょうか。」