僕達のロズウェル事件簿
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トイレは何とか問題クリアした。
目を瞑る・息を止める・極めつけにY〇uTubeを使ってのセルフ音姫。
しかし、最大の問題はここからだった。
「腹ごなしもしたし、そろそろこの気持ち悪〜い墨を落としたいよね。」
「蒸しタオルじゃ……」
「無理じゃない?」
言うまでもなかった。
#02.疑惑のバスタイム
そもそも『手を繋いで離せない』なんて、一昔前のRPGにある呪い装備のようだ。
一度装備したら外せない、みたいな。
五条はそんなチープなことを考えながら、シャツの上からなんとか下着のホックを片手で外そうと奮闘している名無しの背中をぼんやり眺めた。
呪いにかかっていくつか試したことがある。
今は五条の左手と名無しの右手を繋いでいるが、持ち替える――例えば、五条の右手と名無しの左手を繋いでから逆の手を離す、ということは出来るらしい。
お陰でこうして風呂に入り、なんとか不自由ながらも脱ぎ着が出来る訳だが。
腰にタオルを巻いてスタンバイしている五条は、最後の最後までなるべく裸になりたくない名無しを観察しながら、そっと心の中で呟いた。
(六眼で『どういった類の呪いか』って分かって、ワザと受けた…なーんて言ったら怒るんだろうな〜)
蛸の姿を模した呪霊の最後っ屁。
無下限を態々解いて、不快指数が高い墨を頭から被った甲斐があった。
お陰で、怒涛の任務に忙殺され、担任兼保護者だというのに最近コミュニケーションが疎かになっていた可愛い生徒とこうして文字通り『寝食を共に』出来ているのだから。
「名無し〜まだ〜?」
「す、すみません、片手でホック外すの難しくて……」
「ん?ブラのホック?ほら。」
空いている右手で、ブラウスの上からホックを摘む。
頼りなさそうな金具はいとも簡単に解け、彼女の背中は不意に自由の身となった。
が、本当に不意打ちだったらしい。
一瞬何が起こったのか理解出来なかった名無しは、布越しだがガラ空きになった背中をワサワサと摩る。
あっさりとホックを、しかも片手で外した五条へ振り返る表情は――非常に複雑そうなものだった。
「…………慣れてますね?」
「ほら、僕ったら器用だから。」
「…そういう事にしておきましょうか」
どうやら聡い生徒は騙されてくれなかったらしい。
五条はそっと溜息を吐きながら『あーあ、やってしまった』と反省をするのであった。
***
「背中、洗ってあげよーか?」
ボディタオルで身体をやわやわと洗っていれば、背後から声を掛けられた。
片手で届く範囲も限りがある。
特に、暦の上では秋とはいえ今年は特に残暑が厳しい。
汗と墨で背中が気持ち悪いのは事実だった。
「じゃあ、お願いします。」
「お、意外とあっさり。もうちょっと『キャー!五条先生のエッチ』とか言われるかと思ったのに」
「私だって人並みに恥じらいくらいはありますよ。まぁ、五条さんには一度ほぼ真っ裸見られてますし」
初対面の、血溜まりの中。
なけなしの検査服のような布切れは纏っていたが、あれは服とは到底いえないだろう。
むしろ血を被った死体のような姿だったから、あれを『裸』というには些か違和感がある。
「あれはノーカンじゃない?」という五条さんの言葉にも、それもそうかと小さく頷いた。
「で、今は?『キャー!先生のエッチ』とか言わないの?」
「ご冗談を。第一、いつも仲良くしている女性方はボンキュッボンなんでしょう?」
人並みになったとはいえ、貧相な身体だ。
これに興奮するとしたら相当な物好きか、女性に相当餓えている男性だろう。
色々な意味で『グルメ』である彼が欲情するとは到底思えなかった。
「えー、どこから聞くのさ。その眉唾情報」
「硝子さんと七海さん。」
「あいつら。」
背後でくしゃくしゃと泡立つボディタオル。
擦る手を休めることなく、忌々しそうに小さく舌打ちをする音が浴室に響いた。
流石の五条さんも生徒には聞かれたくなかったのかもしれない。
「むしろ五条さんが女性に不自由してたらビックリですよ。顔もいいのに。」
「お?名無しちゃんの五条先生、意外にも童貞かもよ?」
「いや、ブラのホックを片手で外す人がそんな訳ないでしょう」
そういうことに疎い私でも分かる。
女性なら兎も角、五条さんは男性だ。
ブラのホックを外す機会なんて――つまりそういうことだ。
「ありがとうございます、助かりました。」と礼を言い、私は纏っていた泡をシャワーで洗い流した。
言うまでもないが、五条さんに背中を向けたまま。
もやしのような身体とはいえ、恥ずかしいものは恥ずかしい。
けれど、彼も背中が流せないのは私と同じ条件だ。意を決して酸素を吸い、恥じらいを吹き飛ばして口を開いた。
「よし。今度は私が流しましょうか?」
「え。」
目を瞑る・息を止める・極めつけにY〇uTubeを使ってのセルフ音姫。
しかし、最大の問題はここからだった。
「腹ごなしもしたし、そろそろこの気持ち悪〜い墨を落としたいよね。」
「蒸しタオルじゃ……」
「無理じゃない?」
言うまでもなかった。
#02.疑惑のバスタイム
そもそも『手を繋いで離せない』なんて、一昔前のRPGにある呪い装備のようだ。
一度装備したら外せない、みたいな。
五条はそんなチープなことを考えながら、シャツの上からなんとか下着のホックを片手で外そうと奮闘している名無しの背中をぼんやり眺めた。
呪いにかかっていくつか試したことがある。
今は五条の左手と名無しの右手を繋いでいるが、持ち替える――例えば、五条の右手と名無しの左手を繋いでから逆の手を離す、ということは出来るらしい。
お陰でこうして風呂に入り、なんとか不自由ながらも脱ぎ着が出来る訳だが。
腰にタオルを巻いてスタンバイしている五条は、最後の最後までなるべく裸になりたくない名無しを観察しながら、そっと心の中で呟いた。
(六眼で『どういった類の呪いか』って分かって、ワザと受けた…なーんて言ったら怒るんだろうな〜)
蛸の姿を模した呪霊の最後っ屁。
無下限を態々解いて、不快指数が高い墨を頭から被った甲斐があった。
お陰で、怒涛の任務に忙殺され、担任兼保護者だというのに最近コミュニケーションが疎かになっていた可愛い生徒とこうして文字通り『寝食を共に』出来ているのだから。
「名無し〜まだ〜?」
「す、すみません、片手でホック外すの難しくて……」
「ん?ブラのホック?ほら。」
空いている右手で、ブラウスの上からホックを摘む。
頼りなさそうな金具はいとも簡単に解け、彼女の背中は不意に自由の身となった。
が、本当に不意打ちだったらしい。
一瞬何が起こったのか理解出来なかった名無しは、布越しだがガラ空きになった背中をワサワサと摩る。
あっさりとホックを、しかも片手で外した五条へ振り返る表情は――非常に複雑そうなものだった。
「…………慣れてますね?」
「ほら、僕ったら器用だから。」
「…そういう事にしておきましょうか」
どうやら聡い生徒は騙されてくれなかったらしい。
五条はそっと溜息を吐きながら『あーあ、やってしまった』と反省をするのであった。
***
「背中、洗ってあげよーか?」
ボディタオルで身体をやわやわと洗っていれば、背後から声を掛けられた。
片手で届く範囲も限りがある。
特に、暦の上では秋とはいえ今年は特に残暑が厳しい。
汗と墨で背中が気持ち悪いのは事実だった。
「じゃあ、お願いします。」
「お、意外とあっさり。もうちょっと『キャー!五条先生のエッチ』とか言われるかと思ったのに」
「私だって人並みに恥じらいくらいはありますよ。まぁ、五条さんには一度ほぼ真っ裸見られてますし」
初対面の、血溜まりの中。
なけなしの検査服のような布切れは纏っていたが、あれは服とは到底いえないだろう。
むしろ血を被った死体のような姿だったから、あれを『裸』というには些か違和感がある。
「あれはノーカンじゃない?」という五条さんの言葉にも、それもそうかと小さく頷いた。
「で、今は?『キャー!先生のエッチ』とか言わないの?」
「ご冗談を。第一、いつも仲良くしている女性方はボンキュッボンなんでしょう?」
人並みになったとはいえ、貧相な身体だ。
これに興奮するとしたら相当な物好きか、女性に相当餓えている男性だろう。
色々な意味で『グルメ』である彼が欲情するとは到底思えなかった。
「えー、どこから聞くのさ。その眉唾情報」
「硝子さんと七海さん。」
「あいつら。」
背後でくしゃくしゃと泡立つボディタオル。
擦る手を休めることなく、忌々しそうに小さく舌打ちをする音が浴室に響いた。
流石の五条さんも生徒には聞かれたくなかったのかもしれない。
「むしろ五条さんが女性に不自由してたらビックリですよ。顔もいいのに。」
「お?名無しちゃんの五条先生、意外にも童貞かもよ?」
「いや、ブラのホックを片手で外す人がそんな訳ないでしょう」
そういうことに疎い私でも分かる。
女性なら兎も角、五条さんは男性だ。
ブラのホックを外す機会なんて――つまりそういうことだ。
「ありがとうございます、助かりました。」と礼を言い、私は纏っていた泡をシャワーで洗い流した。
言うまでもないが、五条さんに背中を向けたまま。
もやしのような身体とはいえ、恥ずかしいものは恥ずかしい。
けれど、彼も背中が流せないのは私と同じ条件だ。意を決して酸素を吸い、恥じらいを吹き飛ばして口を開いた。
「よし。今度は私が流しましょうか?」
「え。」