short story
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「暑ぅい〜〜〜」
「お疲れ様です、五条さん。」
外ではミーンミンと、とても蝉らしい鳴き声が大合唱している。
青い空。
高く昇った入道雲。
鬱蒼とした緑が茂った山とのコントラストは実に鮮やかで、まさに絵に描いたような『夏』の景色だった。
「はい、これ手土産。」
「あ、わざわざすいません。」
カサリと鳴るのはビニール袋。
コンビニでも寄ったのだろうか、ハーゲンダッツからガリガリ君までコンビニアイスが一通り揃っていた。
「今食べられますか?」
「んー、アイスはいいやぁ」
長袖の上着を脱ぎ、ラフなインナー一枚になる五条。
まるで夏休みに祖母の家に来た孫の如く、ゆるゆると首を振っていた扇風機の前へ陣取り、うだるような声を上げた。
エアコンもつけているとはいえ、少し物足りない温度だったか。
設定温度を2度ほど下げ、名無しは受け取ったアイスクリームを冷蔵庫に入れるべく、ペタペタと冷凍庫へ向かった。
一つずつ丁寧に冷凍庫にしまい、最後のひとつで手が止まる。
箱。
それはアイスクリームではなく、大人のエチケットにして、ある意味マナー用品だ。
『0.01』と箱に書かれたそれを見て、反射的に五条へ首を振った。
「ん?どうしたの、名無し。顔が真っ赤だけど。」
ニタニタと笑う五条。
頬肘をついて悪戯っぽく笑う表情は、腹が立つほど綺麗で。
……確信犯じゃないか!!
名無しは「あー」だとか「うー」だとか唸り、文句を言うのを諦めた。
勢いのまま窓の外に投げることも出来ないし、かといってゴミ箱に捨てることもできない。
呆れたような溜息をひとつ吐いて、五条のために入れた麦茶へ、氷をぽちゃんと浮かべた。
怠惰なサマーシンドローム
「ね、名無し。」
「なんですか。」
「僕、『アイスは』いいやって言ったんだけどなぁ〜」
「〜〜ッひ、昼ですよ!?」
「たまにはいいじゃないの。夏だし、怠惰にだらだら、せっせと致すのも。」
のそりと近づいてくる五条。
サングラスの隙間から見える青い瞳が心底愉しそうに細められる。
「それに昼だとよく見えるからね。」
何が、とは言わない。
――名無しはあまりに恥ずかしくなって、近くにあったクッションを五条悟の顔面へ押し当てた。
「お疲れ様です、五条さん。」
外ではミーンミンと、とても蝉らしい鳴き声が大合唱している。
青い空。
高く昇った入道雲。
鬱蒼とした緑が茂った山とのコントラストは実に鮮やかで、まさに絵に描いたような『夏』の景色だった。
「はい、これ手土産。」
「あ、わざわざすいません。」
カサリと鳴るのはビニール袋。
コンビニでも寄ったのだろうか、ハーゲンダッツからガリガリ君までコンビニアイスが一通り揃っていた。
「今食べられますか?」
「んー、アイスはいいやぁ」
長袖の上着を脱ぎ、ラフなインナー一枚になる五条。
まるで夏休みに祖母の家に来た孫の如く、ゆるゆると首を振っていた扇風機の前へ陣取り、うだるような声を上げた。
エアコンもつけているとはいえ、少し物足りない温度だったか。
設定温度を2度ほど下げ、名無しは受け取ったアイスクリームを冷蔵庫に入れるべく、ペタペタと冷凍庫へ向かった。
一つずつ丁寧に冷凍庫にしまい、最後のひとつで手が止まる。
箱。
それはアイスクリームではなく、大人のエチケットにして、ある意味マナー用品だ。
『0.01』と箱に書かれたそれを見て、反射的に五条へ首を振った。
「ん?どうしたの、名無し。顔が真っ赤だけど。」
ニタニタと笑う五条。
頬肘をついて悪戯っぽく笑う表情は、腹が立つほど綺麗で。
……確信犯じゃないか!!
名無しは「あー」だとか「うー」だとか唸り、文句を言うのを諦めた。
勢いのまま窓の外に投げることも出来ないし、かといってゴミ箱に捨てることもできない。
呆れたような溜息をひとつ吐いて、五条のために入れた麦茶へ、氷をぽちゃんと浮かべた。
怠惰なサマーシンドローム
「ね、名無し。」
「なんですか。」
「僕、『アイスは』いいやって言ったんだけどなぁ〜」
「〜〜ッひ、昼ですよ!?」
「たまにはいいじゃないの。夏だし、怠惰にだらだら、せっせと致すのも。」
のそりと近づいてくる五条。
サングラスの隙間から見える青い瞳が心底愉しそうに細められる。
「それに昼だとよく見えるからね。」
何が、とは言わない。
――名無しはあまりに恥ずかしくなって、近くにあったクッションを五条悟の顔面へ押し当てた。