short story
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五条さんは身長がとてつもなく大きい。
190cm超えた辺りから測っていない、なんて言っているくらいだ。少しは分けて欲しい。
一方、私はというと……成長期に栄養らしい栄養を摂っていないせいか、身長は少し残念だ。
肉付きは人並みになったものの、背丈はもう恐らく伸びないだろう。
つまり、五条さんとの身長差は30cm以上…下手をすると40cmあるかもしれない。
キスする時は溺れそうな角度で口付けられるものだから、いつか窒息死してしまうんじゃないかと思ってしまうほどだ。
「ふ、あ……っん、ぅ…」
身体を抱き竦められ、顎を目いっぱい上に持ち上げられる。
水面へ息継ぎをするような角度で顔を上げれば、身体と唇へ覆い被さるように影が落ちた。
逃げられない、一方的な身長差。
口内を柔らかく蹂躙していく舌に応えるのが精一杯だ。
口の端から零れるどちらのものか判別がつかない滴が、顎から首へ撫でるように一筋落ちた。
くるしい。きもちいい。
ぼんやりする。ぞくぞくする。
はなしてほしい。だきしめててほしい。
相反する感情は全部本音。
ぐちゃぐちゃになって、思考を掻き乱されて、ドロドロにとかされていく。
漸く放された途端、陸に上がったダイバーのように深く深く呼吸を繰り返す。
身体が、あつい。
肺に取り込む空気が酷く冷たく感じて、背筋がぶるりと小さく震えた。
「名無し。」
五条さんが、透き通る空色の瞳を満足気に細めて笑う。
唾液で塗らりと濡れた唇を舌先でなぞる仕草を、目にするだけで目眩を憶える。
私の顔を高い所から覗き込む姿勢のまま、今度は額に啄むようなキスの雨を降らせてきた。
「ね。もう一回。」
甘えるような声。
抱きしめてくる逞しい両腕。
五条さんの身体と匂いにすっぽりと包まれた私は熱に浮かされたように、首をのっそり縦に振った。
キスのお作法
餌を強請る雛鳥みたいで、ついつい深く口付けてしまう――なんて。
キミが知ったらどんな顔をするだろう。
190cm超えた辺りから測っていない、なんて言っているくらいだ。少しは分けて欲しい。
一方、私はというと……成長期に栄養らしい栄養を摂っていないせいか、身長は少し残念だ。
肉付きは人並みになったものの、背丈はもう恐らく伸びないだろう。
つまり、五条さんとの身長差は30cm以上…下手をすると40cmあるかもしれない。
キスする時は溺れそうな角度で口付けられるものだから、いつか窒息死してしまうんじゃないかと思ってしまうほどだ。
「ふ、あ……っん、ぅ…」
身体を抱き竦められ、顎を目いっぱい上に持ち上げられる。
水面へ息継ぎをするような角度で顔を上げれば、身体と唇へ覆い被さるように影が落ちた。
逃げられない、一方的な身長差。
口内を柔らかく蹂躙していく舌に応えるのが精一杯だ。
口の端から零れるどちらのものか判別がつかない滴が、顎から首へ撫でるように一筋落ちた。
くるしい。きもちいい。
ぼんやりする。ぞくぞくする。
はなしてほしい。だきしめててほしい。
相反する感情は全部本音。
ぐちゃぐちゃになって、思考を掻き乱されて、ドロドロにとかされていく。
漸く放された途端、陸に上がったダイバーのように深く深く呼吸を繰り返す。
身体が、あつい。
肺に取り込む空気が酷く冷たく感じて、背筋がぶるりと小さく震えた。
「名無し。」
五条さんが、透き通る空色の瞳を満足気に細めて笑う。
唾液で塗らりと濡れた唇を舌先でなぞる仕草を、目にするだけで目眩を憶える。
私の顔を高い所から覗き込む姿勢のまま、今度は額に啄むようなキスの雨を降らせてきた。
「ね。もう一回。」
甘えるような声。
抱きしめてくる逞しい両腕。
五条さんの身体と匂いにすっぽりと包まれた私は熱に浮かされたように、首をのっそり縦に振った。
キスのお作法
餌を強請る雛鳥みたいで、ついつい深く口付けてしまう――なんて。
キミが知ったらどんな顔をするだろう。