short story
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僕は、寒がりな方だと思う。
「いいねぇ。名無し、あったかそう。」
夜。風呂上がり。
楽そうな格好の部屋着用半ズボンとTシャツ。
夏はそれで過ごしていた名無しだが、秋も深まって肌寒くなってきたこの季節。
ベージュのモコモコした、見るからに暖かそうなパーカーに袖を通していた。
電子レンジで温めたホットミルク。
彼女のお気に入りのマグカップに入れて、ぺたぺたと裸足で戻ってきた。
「野薔薇ちゃんと一緒に買いに行ったんです。可愛い部屋着屋さんでした。」
「ずばり、ジェラピケ。」
「そう、それです。」
なるほど。それは暖かそうだ。
僕が座ってるソファの足元に座り込み、湯気が立ち上るホットミルクをちびちびと飲み始める。
「ハロウィン限定だったんですよ。フードがほら、犬耳。」
「犬。」
名無しがフードを被れば確かに垂れ下がった耳がぺろりと揺れた。
……あまりに長いので犬というかロップイヤーのウサギに見えなくもないが。
「で、僕のは?」
「え。いりました?」
「だって寒いもーん。」
ソファからカーペットの上に座り、ぬいぐるみのようにモコモコの名無しを抱き締める。
ふわふわ、ぬくぬく。
一度洗濯したのだろうか、嗅ぎなれた彼女の匂いと洗濯物の匂いが混ざって、思わず頬を綻ばせた。
「今度買いに行こっか。お揃いのヤツ。」
「お揃いにする意味あります…?」
「大いにあるよ。僕が嬉しい。」
「なんですか、それ。」
クスクスと笑う名無しの手からマグカップをひょいと取り上げる。
一口だけ拝借すれば、はちみつ入りのホットミルクは僕の口によくあった。うん、美味しい。
「次の休みの予定決まったねぇ」
「そうですね。」
マグカップを返せば「五条さんの分もご用意しましょうか?」と訊ねてくる名無し。
ゆるゆると首を振れば「いつでも言ってくださいね、用意するんで」と笑った。
分かってないなぁ、僕は名無しが飲んでるから欲しいのに。
そう言ったらきっとキミは『困った人ですね』と苦笑いするんだろう。
相変わらず細くて薄い肩口に顔を埋めれば、風呂上がりのシャンプーと石鹸の匂い。
それに加えて昼下がりのような微睡む体温。
眠くなってきた。
……というわけではなく――
「ちょっと、どこに手を入れてるんですか!」
「ん?どこって、どこだと思う?」
「ひぇっ」
パーカーの裾からTシャツを捲り、柔らかいお腹に手を当てる。
ふわふわすべすべの皮膚の下にはちゃんとした筋肉があるのだから、これも日頃の訓練の賜物だろう。
えらいえらい。先生、花丸をあげちゃおう。
悪戯に指先で脇腹を撫でれば、驚いたように跳ねる身体。
真っ赤にした顔でじとりと僕を見遣る彼女の頬に、キスをひとつプレゼント。
「その服も温そうだけど、やっぱり名無しが一番あったかいね。」
もこもこは正義です。
「というわけで、ベッド行こうか。」
「ちょ、ちょっと。私まだすることがあるんですけど、」
「ダメ。僕がムラムラしてきた。」
「ひ、人でなし!」
「いいねぇ。名無し、あったかそう。」
夜。風呂上がり。
楽そうな格好の部屋着用半ズボンとTシャツ。
夏はそれで過ごしていた名無しだが、秋も深まって肌寒くなってきたこの季節。
ベージュのモコモコした、見るからに暖かそうなパーカーに袖を通していた。
電子レンジで温めたホットミルク。
彼女のお気に入りのマグカップに入れて、ぺたぺたと裸足で戻ってきた。
「野薔薇ちゃんと一緒に買いに行ったんです。可愛い部屋着屋さんでした。」
「ずばり、ジェラピケ。」
「そう、それです。」
なるほど。それは暖かそうだ。
僕が座ってるソファの足元に座り込み、湯気が立ち上るホットミルクをちびちびと飲み始める。
「ハロウィン限定だったんですよ。フードがほら、犬耳。」
「犬。」
名無しがフードを被れば確かに垂れ下がった耳がぺろりと揺れた。
……あまりに長いので犬というかロップイヤーのウサギに見えなくもないが。
「で、僕のは?」
「え。いりました?」
「だって寒いもーん。」
ソファからカーペットの上に座り、ぬいぐるみのようにモコモコの名無しを抱き締める。
ふわふわ、ぬくぬく。
一度洗濯したのだろうか、嗅ぎなれた彼女の匂いと洗濯物の匂いが混ざって、思わず頬を綻ばせた。
「今度買いに行こっか。お揃いのヤツ。」
「お揃いにする意味あります…?」
「大いにあるよ。僕が嬉しい。」
「なんですか、それ。」
クスクスと笑う名無しの手からマグカップをひょいと取り上げる。
一口だけ拝借すれば、はちみつ入りのホットミルクは僕の口によくあった。うん、美味しい。
「次の休みの予定決まったねぇ」
「そうですね。」
マグカップを返せば「五条さんの分もご用意しましょうか?」と訊ねてくる名無し。
ゆるゆると首を振れば「いつでも言ってくださいね、用意するんで」と笑った。
分かってないなぁ、僕は名無しが飲んでるから欲しいのに。
そう言ったらきっとキミは『困った人ですね』と苦笑いするんだろう。
相変わらず細くて薄い肩口に顔を埋めれば、風呂上がりのシャンプーと石鹸の匂い。
それに加えて昼下がりのような微睡む体温。
眠くなってきた。
……というわけではなく――
「ちょっと、どこに手を入れてるんですか!」
「ん?どこって、どこだと思う?」
「ひぇっ」
パーカーの裾からTシャツを捲り、柔らかいお腹に手を当てる。
ふわふわすべすべの皮膚の下にはちゃんとした筋肉があるのだから、これも日頃の訓練の賜物だろう。
えらいえらい。先生、花丸をあげちゃおう。
悪戯に指先で脇腹を撫でれば、驚いたように跳ねる身体。
真っ赤にした顔でじとりと僕を見遣る彼女の頬に、キスをひとつプレゼント。
「その服も温そうだけど、やっぱり名無しが一番あったかいね。」
もこもこは正義です。
「というわけで、ベッド行こうか。」
「ちょ、ちょっと。私まだすることがあるんですけど、」
「ダメ。僕がムラムラしてきた。」
「ひ、人でなし!」