short story
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「五条さん。」
声を掛ければアイマスク越しに視線が絡む。
この場合、彼がどこを見ているのかなんて確証はないけれど、恐らく、多分、きっと。彼は私を見てくれている。
これは最近発見したことだ。
虎杖くん達が五条さんに声を掛けても、190cmを超える背筋は綺麗に真っ直ぐのまま。
もちろん彼は大好きな生徒の話はきちんと聞くし、大体のことはニンマリと笑顔を浮かべて機嫌よく頷いている。
ところが私が話しかけた時は少し違う。
少しだけ、彼が近い。
野薔薇ちゃんと背丈はそう変わらないのだが、少しだけ屈んでくれる。
しゃんと伸びた背筋が猫のように丸まり、端正な口元がふっと緩む瞬間がとても好きだ。
それだけ気を許してくれていると、少しくらい自惚れてもいいだろうか。
優しく、やわらかに微笑む顔は自分だけの特権だと。
あなたのすきなところ
「ん?なぁに?」
僕はポケットに手を入れたまま、彼女の声に耳を傾けるべく背を丸める。
気づいているだろうか?君の声をもっと近くで聞きたくて、腰を屈めて耳を傾けていることを。
いつでもキスを落とせるような射程距離で、やわらかい頬や唇を狙っている――なんてことは露にも思っていないのだろう。
他愛ない話。
笑ってしまうような失敗談。
楽しかったこと。嬉しかったこと。
君の弾むような声も、恨めしそうに鈍る声も、呆れたような声も全部全部、
(あぁ、好きだなぁ)
声を掛ければアイマスク越しに視線が絡む。
この場合、彼がどこを見ているのかなんて確証はないけれど、恐らく、多分、きっと。彼は私を見てくれている。
これは最近発見したことだ。
虎杖くん達が五条さんに声を掛けても、190cmを超える背筋は綺麗に真っ直ぐのまま。
もちろん彼は大好きな生徒の話はきちんと聞くし、大体のことはニンマリと笑顔を浮かべて機嫌よく頷いている。
ところが私が話しかけた時は少し違う。
少しだけ、彼が近い。
野薔薇ちゃんと背丈はそう変わらないのだが、少しだけ屈んでくれる。
しゃんと伸びた背筋が猫のように丸まり、端正な口元がふっと緩む瞬間がとても好きだ。
それだけ気を許してくれていると、少しくらい自惚れてもいいだろうか。
優しく、やわらかに微笑む顔は自分だけの特権だと。
あなたのすきなところ
「ん?なぁに?」
僕はポケットに手を入れたまま、彼女の声に耳を傾けるべく背を丸める。
気づいているだろうか?君の声をもっと近くで聞きたくて、腰を屈めて耳を傾けていることを。
いつでもキスを落とせるような射程距離で、やわらかい頬や唇を狙っている――なんてことは露にも思っていないのだろう。
他愛ない話。
笑ってしまうような失敗談。
楽しかったこと。嬉しかったこと。
君の弾むような声も、恨めしそうに鈍る声も、呆れたような声も全部全部、
(あぁ、好きだなぁ)