short story
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他愛ない動物番組を流しながら、部屋でダラダラと過ごしていた時の事だった。
「可愛い……」
名無しがつい零した言葉に反応した五条は、スマホの画面からテレビの画面へ視線を向けた。
そこには、白くてふわふわの子犬の映像。
ころころと転がるように駆け回る姿はまるで生きた毛玉のようだ。
名無しへと視線を移せば口元を手で覆い、口元が緩んでいるのを隠しているようだった。
元々濁りのない瞳をしていることは知っていたが、いつにも増してキラキラしているように見えるのは五条の気の所為ではないだろう。
「僕の方が可愛いでしょ?」
「なんですか、突然。」
面白くない。
五条の率直な感想はそんなところか。
掛けていたサングラスをローテーブルに置き、隣に座る名無しの肩へ無遠慮に凭れ掛かる。
座高の高低差に首を痛めてしまいそうだが、彼にとってそんなことは些細な問題らしい。
「僕ならすぐ撫で放題だし、なんならお手もオカワリも出来ちゃうけど?」
「犬と張り合ってどうするんですか」
ごもっともである。
現代最強の呪術師が、名もまだない産まれたてのポメラニアンと張り合うだなんて。
家入が見たら呆れるだろうし、夜蛾が知ったら溜息ものだろう。
彼の可愛い生徒達に知られたら――間違いなく白い目で見られるに違いない。
しかしそこでめげない&諦めないのが五条悟である。
誰しもが『そんなところで根性を見せなくても』と思っているだろうが、この男にそれを言ったところで無駄に終わるだろう。
それ程までに彼の『ななし名無し』という少女に対する執着心は、最果てのない空より高く、マリアナ海溝よりも深く、指についたアロンアルファよりも執拗いものなのだから。
「なんならバター犬にもなれ、モガッ」
五条の問題発言に、顔を真っ赤にして彼の口を手で押さえる名無し。
「そういうのいいですから」と彼女は抗議するが――内心五条は『昨晩したんだけどね』なんてそっと呟く。反省の色はゼロである。
名無しのやわらかい手のひらへ『ちゅっ』と軽いリップ音を鳴らし、その手を取ると同時に指を絡めた。
「僕だってさぁ、たまには名無しにヨシヨシって愛でられたい時もあるんだよ」
あ、ウソ。訂正。それはいつもだった。
猫毛のような髪を揺らしながら、五条がぐりぐりと名無しの肩口へ頭を擦りつける。
犬猫のマーキングなら可愛らしいのかもしれないが、相手は190cmを超える大男だ。
擦り寄るというより、どちらかというと覆い被さるに近いかもしれない。
「じゃあ、ほら。どうぞ」
観念した名無しが膝を軽く叩く。
部屋着のハーフパンツからスラリと伸びた白い足へ、この男が飛びつかないわけがない。
二人掛けのソファで身体を横たわらせれば、足が場外へ投げ出されるのは当然で。
体勢は決して楽ではないはずなのに五条の表情はまさに『至福』の色を浮かべていた。
やわらかい銀髪を梳くように指を差し入れる名無し。
子供をあやす様に繰り返し撫でる手つきは陽だまりのように穏やかだ。
ごろごろと存分に甘える五条は、極上のスイーツを食べた時以上に目元を蕩けさせていた。
「どうですか?膝枕の感想は」
「ここが天国か……って感じ。生足なのがいいよね〜」
「発言がオジサンみたいですよ、五条さん」
「舐めたり吸ったりしてもいい?」
「ダメに決まっているでしょう」
確認を取りながらも太腿を既に撫でている。
『際どいところを撫で始めたら膝から落とそう』と名無しが考えいると、五条は極上の膝枕にキスをひとつ落とした。
くすぐったさと、恥ずかしさと。
名無しがじとりと訴えかける視線を落とすが、膝枕にご満悦の五条はふにゃふにゃと笑うだけ。
「男はね、好きな女の子の全てにおいて一番になりたい生き物なんだよ」
No.ワンはだれのもの
「躾がなっていませんよ。内腿を撫でるのはやめてください…擽ったい…」
シミどころか毛穴ひとつない五条の頬を指でつつきながら、名無しは溜息をひとつ零す。
顔に出さないだけで彼女の中で圧倒的No.1の座を勝ち取っているのが、子犬にすら嫉妬する男だなんて。
(悔しいから教えてあげないけど。)
指通りのいい銀髪をもう少し堪能すべく、名無しは再び五条の髪へもう一度手を伸ばした。
「可愛い……」
名無しがつい零した言葉に反応した五条は、スマホの画面からテレビの画面へ視線を向けた。
そこには、白くてふわふわの子犬の映像。
ころころと転がるように駆け回る姿はまるで生きた毛玉のようだ。
名無しへと視線を移せば口元を手で覆い、口元が緩んでいるのを隠しているようだった。
元々濁りのない瞳をしていることは知っていたが、いつにも増してキラキラしているように見えるのは五条の気の所為ではないだろう。
「僕の方が可愛いでしょ?」
「なんですか、突然。」
面白くない。
五条の率直な感想はそんなところか。
掛けていたサングラスをローテーブルに置き、隣に座る名無しの肩へ無遠慮に凭れ掛かる。
座高の高低差に首を痛めてしまいそうだが、彼にとってそんなことは些細な問題らしい。
「僕ならすぐ撫で放題だし、なんならお手もオカワリも出来ちゃうけど?」
「犬と張り合ってどうするんですか」
ごもっともである。
現代最強の呪術師が、名もまだない産まれたてのポメラニアンと張り合うだなんて。
家入が見たら呆れるだろうし、夜蛾が知ったら溜息ものだろう。
彼の可愛い生徒達に知られたら――間違いなく白い目で見られるに違いない。
しかしそこでめげない&諦めないのが五条悟である。
誰しもが『そんなところで根性を見せなくても』と思っているだろうが、この男にそれを言ったところで無駄に終わるだろう。
それ程までに彼の『ななし名無し』という少女に対する執着心は、最果てのない空より高く、マリアナ海溝よりも深く、指についたアロンアルファよりも執拗いものなのだから。
「なんならバター犬にもなれ、モガッ」
五条の問題発言に、顔を真っ赤にして彼の口を手で押さえる名無し。
「そういうのいいですから」と彼女は抗議するが――内心五条は『昨晩したんだけどね』なんてそっと呟く。反省の色はゼロである。
名無しのやわらかい手のひらへ『ちゅっ』と軽いリップ音を鳴らし、その手を取ると同時に指を絡めた。
「僕だってさぁ、たまには名無しにヨシヨシって愛でられたい時もあるんだよ」
あ、ウソ。訂正。それはいつもだった。
猫毛のような髪を揺らしながら、五条がぐりぐりと名無しの肩口へ頭を擦りつける。
犬猫のマーキングなら可愛らしいのかもしれないが、相手は190cmを超える大男だ。
擦り寄るというより、どちらかというと覆い被さるに近いかもしれない。
「じゃあ、ほら。どうぞ」
観念した名無しが膝を軽く叩く。
部屋着のハーフパンツからスラリと伸びた白い足へ、この男が飛びつかないわけがない。
二人掛けのソファで身体を横たわらせれば、足が場外へ投げ出されるのは当然で。
体勢は決して楽ではないはずなのに五条の表情はまさに『至福』の色を浮かべていた。
やわらかい銀髪を梳くように指を差し入れる名無し。
子供をあやす様に繰り返し撫でる手つきは陽だまりのように穏やかだ。
ごろごろと存分に甘える五条は、極上のスイーツを食べた時以上に目元を蕩けさせていた。
「どうですか?膝枕の感想は」
「ここが天国か……って感じ。生足なのがいいよね〜」
「発言がオジサンみたいですよ、五条さん」
「舐めたり吸ったりしてもいい?」
「ダメに決まっているでしょう」
確認を取りながらも太腿を既に撫でている。
『際どいところを撫で始めたら膝から落とそう』と名無しが考えいると、五条は極上の膝枕にキスをひとつ落とした。
くすぐったさと、恥ずかしさと。
名無しがじとりと訴えかける視線を落とすが、膝枕にご満悦の五条はふにゃふにゃと笑うだけ。
「男はね、好きな女の子の全てにおいて一番になりたい生き物なんだよ」
No.ワンはだれのもの
「躾がなっていませんよ。内腿を撫でるのはやめてください…擽ったい…」
シミどころか毛穴ひとつない五条の頬を指でつつきながら、名無しは溜息をひとつ零す。
顔に出さないだけで彼女の中で圧倒的No.1の座を勝ち取っているのが、子犬にすら嫉妬する男だなんて。
(悔しいから教えてあげないけど。)
指通りのいい銀髪をもう少し堪能すべく、名無しは再び五条の髪へもう一度手を伸ばした。