short story
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「五条さん、入れすぎじゃないですか?」
なんて事ない、コンビニエンスストアでの一幕。
買い物カゴいっぱいに入ったコンビニスィーツの数々は魅惑的な光景だろう。
期間限定のティラミス、牛乳寒天、シュークリームからチーズケーキ、手のひらサイズのクレープまで目白押しだ。
「何言ってんの、昨今のコンビニスィーツは侮れないんだよ?名無し。」
「存じておりますよ、私は庶民派の貧乏舌ですから。
……って、そうじゃなくて。量ですよ、量。何個買うつもりですか」
舌が肥えている五条がコンビニスィーツを『バイキングか?』と錯覚しそうな勢いでカゴに入れていく様を眺めながら、名無しはついつい口を出してしまった。
「そんなに食べきれないでしょう。糖尿になりますよ?」
「ひどーい。これは僕なりのカモフラージュのつもりなのに。」
「カモフラージュ?」
「そ。ほら。」と言いながら彼が買い物の底から取り出したのは――箱。
お菓子なら良かったのだろうが、そのパッケージには『0.01』とシンプルな文字で書かれている。
余談だが、サイズはXLだ。
「い…っ…つの間に、買ったんですか…!」
「名無しが雑誌をちらっと見てた隙に。」
「一瞬見ただけでしたけど?!」
料理雑誌へ一瞬だけ視線を取られた。それだけだ。
数秒にも満たないその時間でコンドームを買い物カゴに入れ、何事も無かったかのようにプリンやみたらし団子を入れていたのだ。この男は。
身体能力をそんなところで発揮しないで欲しいのだが、抗議したところで無駄だろう。
第一、なかったらなかったで困る。色々と。
不本意……というわけでもないのだが、必需品になってしまっているのも事実で。
どう抗議していいのか分からず、名無しは歯痒そうにじとりと五条を見上げた。
「え。それとも名無し…ゴムだけレジに持っていくの平気なタイプだった?エロ本をジャンプで挟むタイプでしょ?」
「なんでそれを今言わなきゃダメなんですか…!そもそも買ったことありませんよ!」
歩く年齢指定、顔面宝具。
五条の内面やら容姿やら、散々な――否、様々な言われ様を耳にするが、この際ハッキリ言おう。
そういったものにお世話になる暇があるわけがない。
つまりそういうことだ。
「っていうか結局あれってレジの人に見られますよね」
「無駄な足掻きだよね〜」
結局バーコードを読み取るのだから隠したところで無駄だ。
かといって隠したくなる気持ちも分かる。非常に分かる。
現状、名無しの脳内では『セルフレジってどこのコンビニにあったっけ』と検索をかけている最中だ。
「……絶対五条さん、普段手掴みでレジに出してそう…」
「え。だって恥ずかしがる方が後ろめたくない?」
「そこは個人の感覚なのでノーコメントです」
hide and sweets?
(というか僕と買いに行くのは気にしてないのね)
まぁ実際この後たっぷり可愛がる気満々なのだが。
二人でゴムを買いに行くということは、つまり――そういうことだ。
(ここで指摘したら顔真っ赤にして狼狽えるんだろうな〜)
見たいような、このまま黙っておきたいような。
五条は底意地悪い笑みをぐっと噛み殺し、帰り次第封を破られるであろうコンドームと、大量のコンビニスィーツが入ったカゴを、レジに立つ店員へ静かに差し出した。
なんて事ない、コンビニエンスストアでの一幕。
買い物カゴいっぱいに入ったコンビニスィーツの数々は魅惑的な光景だろう。
期間限定のティラミス、牛乳寒天、シュークリームからチーズケーキ、手のひらサイズのクレープまで目白押しだ。
「何言ってんの、昨今のコンビニスィーツは侮れないんだよ?名無し。」
「存じておりますよ、私は庶民派の貧乏舌ですから。
……って、そうじゃなくて。量ですよ、量。何個買うつもりですか」
舌が肥えている五条がコンビニスィーツを『バイキングか?』と錯覚しそうな勢いでカゴに入れていく様を眺めながら、名無しはついつい口を出してしまった。
「そんなに食べきれないでしょう。糖尿になりますよ?」
「ひどーい。これは僕なりのカモフラージュのつもりなのに。」
「カモフラージュ?」
「そ。ほら。」と言いながら彼が買い物の底から取り出したのは――箱。
お菓子なら良かったのだろうが、そのパッケージには『0.01』とシンプルな文字で書かれている。
余談だが、サイズはXLだ。
「い…っ…つの間に、買ったんですか…!」
「名無しが雑誌をちらっと見てた隙に。」
「一瞬見ただけでしたけど?!」
料理雑誌へ一瞬だけ視線を取られた。それだけだ。
数秒にも満たないその時間でコンドームを買い物カゴに入れ、何事も無かったかのようにプリンやみたらし団子を入れていたのだ。この男は。
身体能力をそんなところで発揮しないで欲しいのだが、抗議したところで無駄だろう。
第一、なかったらなかったで困る。色々と。
不本意……というわけでもないのだが、必需品になってしまっているのも事実で。
どう抗議していいのか分からず、名無しは歯痒そうにじとりと五条を見上げた。
「え。それとも名無し…ゴムだけレジに持っていくの平気なタイプだった?エロ本をジャンプで挟むタイプでしょ?」
「なんでそれを今言わなきゃダメなんですか…!そもそも買ったことありませんよ!」
歩く年齢指定、顔面宝具。
五条の内面やら容姿やら、散々な――否、様々な言われ様を耳にするが、この際ハッキリ言おう。
そういったものにお世話になる暇があるわけがない。
つまりそういうことだ。
「っていうか結局あれってレジの人に見られますよね」
「無駄な足掻きだよね〜」
結局バーコードを読み取るのだから隠したところで無駄だ。
かといって隠したくなる気持ちも分かる。非常に分かる。
現状、名無しの脳内では『セルフレジってどこのコンビニにあったっけ』と検索をかけている最中だ。
「……絶対五条さん、普段手掴みでレジに出してそう…」
「え。だって恥ずかしがる方が後ろめたくない?」
「そこは個人の感覚なのでノーコメントです」
hide and sweets?
(というか僕と買いに行くのは気にしてないのね)
まぁ実際この後たっぷり可愛がる気満々なのだが。
二人でゴムを買いに行くということは、つまり――そういうことだ。
(ここで指摘したら顔真っ赤にして狼狽えるんだろうな〜)
見たいような、このまま黙っておきたいような。
五条は底意地悪い笑みをぐっと噛み殺し、帰り次第封を破られるであろうコンドームと、大量のコンビニスィーツが入ったカゴを、レジに立つ店員へ静かに差し出した。