short story
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「名無し、何食べてるの?」
日曜日。
なんてことない休日。
先日虎杖が名無しの管理人室へ持ってきた、アルフォートのバラエティパックをちまちま食べながら五条は問うた。
ゴロゴロと横になり、当たり前のように名無しの膝に頭を乗せ……、
テレビで呑気に動画配信サービスの海外ドラマを眺めている特級呪術師の姿を見たら……ミーハーな三輪は幻滅してしまうかもしれない。
「セブンのいちごサンドです。」
「去年も食べてなかった?」
「はい。去年のはカスタードが美味しくて最高でした」
本当に気に入っているのだろう。
食べる手を休めることなく、一口、二口、三口。
美味しいおやつを与えられたハムスターのように、食べることに全集中していた。
五条自身、別にフルーツサンドが特別好きでも……逆に、嫌いでもなかった。
甘い物は全般的に好きなので、勧められれば大歓迎で食べはするが。
「一口ちょーだい?」
「いいですよ。」
名無しが食べているものが魅力的に見えるのは不可抗力だろう。
安っぽい駄菓子でもコンビニスイーツでも、それはそれはとても美味そうに食べているのだから。
苺とクリーム、カスタードがしっかり詰まったところを差し出してくるあたり名無しの性格がよく出ている。
遠慮なく一口食べれば、丸々とした苺の甘味と程よい酸味。
ふわふわのパンとしっとりとしたクリームと、卵の味が引き立ったカスタードクリームが口いっぱいに広がった。
控えめに言って、美味い。
「どうです?」
「いやぁ、甘い物は正義だね。」
咀嚼し、口の中の余韻をじっくり味わう。
――今度は自分の分も買ってこよう。勿論、目の前の可愛い恋人の分も一緒に。
「それはよかった。
……ところで五条さん。カスタード、付いてますよ?」
小さく肩を竦める名無し。
するりと伸ばされる手。
指先が少し固くなった、働き者の手が五条の顔へ伸ばされた。
『どこ?』と尋ねる間もなく、人差し指が唇の端を柔らかく撫でる。
するりと攫うようにカスタードを掬い、名無しは「はい、取れましたよ」とそっと笑った。
sweet finger
カスタードクリームがついた指先を行儀悪く舐め取れば、五条が少し困ったような表情で見上げてくる。流石に行儀が悪かったか。
「名無しってさぁ。ホントそういうとこだよね。」
「あ、すみません。行儀悪かったですね」
「そうじゃなくて。んー…やっぱいいや、な〜いしょ」
日曜日。
なんてことない休日。
先日虎杖が名無しの管理人室へ持ってきた、アルフォートのバラエティパックをちまちま食べながら五条は問うた。
ゴロゴロと横になり、当たり前のように名無しの膝に頭を乗せ……、
テレビで呑気に動画配信サービスの海外ドラマを眺めている特級呪術師の姿を見たら……ミーハーな三輪は幻滅してしまうかもしれない。
「セブンのいちごサンドです。」
「去年も食べてなかった?」
「はい。去年のはカスタードが美味しくて最高でした」
本当に気に入っているのだろう。
食べる手を休めることなく、一口、二口、三口。
美味しいおやつを与えられたハムスターのように、食べることに全集中していた。
五条自身、別にフルーツサンドが特別好きでも……逆に、嫌いでもなかった。
甘い物は全般的に好きなので、勧められれば大歓迎で食べはするが。
「一口ちょーだい?」
「いいですよ。」
名無しが食べているものが魅力的に見えるのは不可抗力だろう。
安っぽい駄菓子でもコンビニスイーツでも、それはそれはとても美味そうに食べているのだから。
苺とクリーム、カスタードがしっかり詰まったところを差し出してくるあたり名無しの性格がよく出ている。
遠慮なく一口食べれば、丸々とした苺の甘味と程よい酸味。
ふわふわのパンとしっとりとしたクリームと、卵の味が引き立ったカスタードクリームが口いっぱいに広がった。
控えめに言って、美味い。
「どうです?」
「いやぁ、甘い物は正義だね。」
咀嚼し、口の中の余韻をじっくり味わう。
――今度は自分の分も買ってこよう。勿論、目の前の可愛い恋人の分も一緒に。
「それはよかった。
……ところで五条さん。カスタード、付いてますよ?」
小さく肩を竦める名無し。
するりと伸ばされる手。
指先が少し固くなった、働き者の手が五条の顔へ伸ばされた。
『どこ?』と尋ねる間もなく、人差し指が唇の端を柔らかく撫でる。
するりと攫うようにカスタードを掬い、名無しは「はい、取れましたよ」とそっと笑った。
sweet finger
カスタードクリームがついた指先を行儀悪く舐め取れば、五条が少し困ったような表情で見上げてくる。流石に行儀が悪かったか。
「名無しってさぁ。ホントそういうとこだよね。」
「あ、すみません。行儀悪かったですね」
「そうじゃなくて。んー…やっぱいいや、な〜いしょ」