short story
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「五条さんの襟足って刈り上げてるんですね。」
僕の肩もみをしてくれていた名無しが、意外そうに呟いた。
「え、今更?」
「はい。今更。」
彼此名無しとは六年程の付き合いになる。
その頃から髪型を変えたつもりはないのだが――これはこれでショックだった。
自分で言うのもなんだが、こんなにも『顔がいい』男が側にいるのだ。
もう少しキャーキャー言ってくれてもいいのでは……と思ったが、あまり想像がつかないので考えるのをやめた。
「……その、短く切った髪って、独特の感触なんですよね?」
「まぁね。」
「………………触ってみてもいいですか?」
そわそわと。
玩具で遊びたがっている猫。
ご飯を『まて』されている犬。
どちらが表現として正しいかと言われたら、正直甲乙付け難い。
それ程までに名無しの表情はワクワクしており、纏う空気がうずうずしていた。可愛い。
「いいよ」と答えれば、それはそれは嬉しそうに破顔する。
後ろで膝立ちをして、馬鹿丁寧に「失礼します」と声を掛けられ、細い指先がそろりと襟足を撫でた。
「わ、ちょりちょりしてる……ふふっ、夢のちょりちょり……」
ちょりちょりって、何。
野球少年の丸坊主を触ったことがないのだろうか。
いや、触ったことがないからはしゃいでいるのか。
――それより、やっぱり気になる。ちょりちょりって何。
言い方可愛いなぁ、もう。そんなに触りたかったのかな。
夢中になって襟足を上から下へ撫でたり、毛流れに逆らって下から上へ撫で上げたり。
独特の触り心地を全力で楽しんでいるようだった。
まぁ……それはそれで結構なのだが。
「名無しちゃーん。そろそろ擽ったいんだけど?」
「……も、もう少し駄目ですか?」
珍しくおねだりするような視線。
しょんぼりとワントーン下がってしまった声。
これを断れる恋人がいるなら見てみたい。僕は無理。
夢の襟足
「くっ…………いいよ…」
「ありがとうございます!」
今日も今日とて僕の恋人は無茶苦茶可愛い。
僕の肩もみをしてくれていた名無しが、意外そうに呟いた。
「え、今更?」
「はい。今更。」
彼此名無しとは六年程の付き合いになる。
その頃から髪型を変えたつもりはないのだが――これはこれでショックだった。
自分で言うのもなんだが、こんなにも『顔がいい』男が側にいるのだ。
もう少しキャーキャー言ってくれてもいいのでは……と思ったが、あまり想像がつかないので考えるのをやめた。
「……その、短く切った髪って、独特の感触なんですよね?」
「まぁね。」
「………………触ってみてもいいですか?」
そわそわと。
玩具で遊びたがっている猫。
ご飯を『まて』されている犬。
どちらが表現として正しいかと言われたら、正直甲乙付け難い。
それ程までに名無しの表情はワクワクしており、纏う空気がうずうずしていた。可愛い。
「いいよ」と答えれば、それはそれは嬉しそうに破顔する。
後ろで膝立ちをして、馬鹿丁寧に「失礼します」と声を掛けられ、細い指先がそろりと襟足を撫でた。
「わ、ちょりちょりしてる……ふふっ、夢のちょりちょり……」
ちょりちょりって、何。
野球少年の丸坊主を触ったことがないのだろうか。
いや、触ったことがないからはしゃいでいるのか。
――それより、やっぱり気になる。ちょりちょりって何。
言い方可愛いなぁ、もう。そんなに触りたかったのかな。
夢中になって襟足を上から下へ撫でたり、毛流れに逆らって下から上へ撫で上げたり。
独特の触り心地を全力で楽しんでいるようだった。
まぁ……それはそれで結構なのだが。
「名無しちゃーん。そろそろ擽ったいんだけど?」
「……も、もう少し駄目ですか?」
珍しくおねだりするような視線。
しょんぼりとワントーン下がってしまった声。
これを断れる恋人がいるなら見てみたい。僕は無理。
夢の襟足
「くっ…………いいよ…」
「ありがとうございます!」
今日も今日とて僕の恋人は無茶苦茶可愛い。