short story
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お、名無し。オッス!」
「やぁ、虎杖くん。伏黒くんも野薔薇ちゃんも、今から任務?」
「あぁ。」
「そう、気を付けてね。いってらっしゃい」
「いってきまぁ〜す」
廊下の曲がり角。
仲良し一年組が、ニコニコ・ムスッと・ちょっと面倒くさそうに。
各々口々に言葉を交わし、すれ違っていく。
――そういえばこの面々は揃っているのに彼はいないのか。
まぁ担任とはいえ、毎度任務について行くなんてことはしないのだろう。
そう思いながら廊下の角を曲がった先。
見慣れた板張りの廊下を曲がる。
途端、掴まれ、思い切り引かれる手。
固くて柔らかい何かに思い切りぶつかった。
「ぶふっ」
「や、名無し。」
「…五条先生、何するんですか。」
手を引かれ、当たり前のように抱き竦められる身体。
どうやら思い切り顔を強打した原因は、五条の胸板らしい。
「すぐそこの任務だからさ、すぐ帰ってくるね」
「じゃあ皆さんの分の夕飯用意しておきますね」
「うん。……………。」
「?、なにか?」
拘束された身体は未だに離されず、つい真下から無遠慮に見上げる形になってしまう。
黒い目隠し。
ふわりと逆立った白髪。
期待しているような表情は、どこかご機嫌そうだ。
「いってらっしゃいのチューは?」
「……は、はい!?」
思わず声を裏げてしまった。
場所・高専の廊下。
時間・まだ明るい午前中。
たまたま人が通っていない――というか先程可愛い一年坊達とすれ違ったばかりのこの場所で、なんて、まさか。
「名無し、チューは?」
……どうやらするまで解放してくれないらしい。
――左、右。後ろ。
目視で手早く確認し、観念したように五条の頬に手を伸ばす。
つま先立ちでうんと背伸びすれば、情けをかけるようにスっと五条が腰をかがめてくれた。
掠めるように触れる唇。
ふにっ、と柔らかい感触と、あまりに近い彼の匂い。
それだけで心臓がはち切れそうだというのに。
「いってらっしゃ、」
「足りなーい。」
「は?…ん、んんっ!」
呼吸も混ざりそうな距離で見送りの言葉を贈れば、一瞬にして呑み込まれた。
深い、深い口付け。
一応場所を弁えてるのか、舌は入って来なかったものの、貪るような口付けに頭がくらりとした。
「ん。ごちそうさま。じゃあいってきま〜す」
離れがたそうに最後に「ちゅっ」と落とされるリップ音。
語尾にハートがつきそうな程に、良くなった機嫌。
五条の足取りが軽くなったように見えるのは気の所為ではないだろう。
漸く開放された肩を自ら掻き抱き、名無しはドッドッと大きく叩く心臓の鼓動を大人しくさせるため、深く深く深呼吸をした。
通り魔的犯行
頬に伸ばされた手。
触れた柔らかい唇。
ふわりと香った彼女の匂い。
(あー、任務行きたくないなぁ)
いってきますとは言ったものの、余計離れがたくなってしまったのが本音だ。
こんな時は、とっとと片付けて即時帰投が一番である。
五条は歩調と歩幅を上げて、競歩のような早足で現場に向かって行った。
「やぁ、虎杖くん。伏黒くんも野薔薇ちゃんも、今から任務?」
「あぁ。」
「そう、気を付けてね。いってらっしゃい」
「いってきまぁ〜す」
廊下の曲がり角。
仲良し一年組が、ニコニコ・ムスッと・ちょっと面倒くさそうに。
各々口々に言葉を交わし、すれ違っていく。
――そういえばこの面々は揃っているのに彼はいないのか。
まぁ担任とはいえ、毎度任務について行くなんてことはしないのだろう。
そう思いながら廊下の角を曲がった先。
見慣れた板張りの廊下を曲がる。
途端、掴まれ、思い切り引かれる手。
固くて柔らかい何かに思い切りぶつかった。
「ぶふっ」
「や、名無し。」
「…五条先生、何するんですか。」
手を引かれ、当たり前のように抱き竦められる身体。
どうやら思い切り顔を強打した原因は、五条の胸板らしい。
「すぐそこの任務だからさ、すぐ帰ってくるね」
「じゃあ皆さんの分の夕飯用意しておきますね」
「うん。……………。」
「?、なにか?」
拘束された身体は未だに離されず、つい真下から無遠慮に見上げる形になってしまう。
黒い目隠し。
ふわりと逆立った白髪。
期待しているような表情は、どこかご機嫌そうだ。
「いってらっしゃいのチューは?」
「……は、はい!?」
思わず声を裏げてしまった。
場所・高専の廊下。
時間・まだ明るい午前中。
たまたま人が通っていない――というか先程可愛い一年坊達とすれ違ったばかりのこの場所で、なんて、まさか。
「名無し、チューは?」
……どうやらするまで解放してくれないらしい。
――左、右。後ろ。
目視で手早く確認し、観念したように五条の頬に手を伸ばす。
つま先立ちでうんと背伸びすれば、情けをかけるようにスっと五条が腰をかがめてくれた。
掠めるように触れる唇。
ふにっ、と柔らかい感触と、あまりに近い彼の匂い。
それだけで心臓がはち切れそうだというのに。
「いってらっしゃ、」
「足りなーい。」
「は?…ん、んんっ!」
呼吸も混ざりそうな距離で見送りの言葉を贈れば、一瞬にして呑み込まれた。
深い、深い口付け。
一応場所を弁えてるのか、舌は入って来なかったものの、貪るような口付けに頭がくらりとした。
「ん。ごちそうさま。じゃあいってきま〜す」
離れがたそうに最後に「ちゅっ」と落とされるリップ音。
語尾にハートがつきそうな程に、良くなった機嫌。
五条の足取りが軽くなったように見えるのは気の所為ではないだろう。
漸く開放された肩を自ら掻き抱き、名無しはドッドッと大きく叩く心臓の鼓動を大人しくさせるため、深く深く深呼吸をした。
通り魔的犯行
頬に伸ばされた手。
触れた柔らかい唇。
ふわりと香った彼女の匂い。
(あー、任務行きたくないなぁ)
いってきますとは言ったものの、余計離れがたくなってしまったのが本音だ。
こんな時は、とっとと片付けて即時帰投が一番である。
五条は歩調と歩幅を上げて、競歩のような早足で現場に向かって行った。