short story
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「名無し、見ィ〜っけ。」
高専の廊下を歩いていると後ろから覆い被さるように抱きすくめられた。
身長190cm超の大男に熱烈なハグを受けたなら、腰が曲がるのは当たり前だろう。
「何してるんですか、五条先生」
「見てわかんない?」
「セクハラですかね」
「ハズレ〜。充電。」
スンスンと聞こえるのは呼吸音。
筋の通った高い鼻を、髪やら首筋に押し当てられた。
擽ったい。
ムズムズする。
いや、そんなことよりも、それよりも!
「は、恥ずかしいのでやめてください」
「むぐ。」
身体を捩って口元と鼻先を押し返す。
……男とは思えない程に柔らかい唇が、なんだか無性に腹が立つなぁ。
「先生〜、待ってくれよ…あ、名無しじゃん。おっす。」
「やだ。白昼堂々イチャついてる。」
廊下の角から曲がってきたのは、今の彼の可愛い教え子・三人組。
虎杖は何事もないように片手をひらりと上げ、釘崎は侮蔑の言葉とは裏腹に顔はニヤニヤと笑っている。
ちなみに、哀れみの目を向けてくれているのは伏黒だけだった。
おお、心の友よ。
「違う。どう見てもセクハラされてるでしょ。」
「あぁ、だから先生突然走って行ったのか」
納得!と言わんばかりに拳をポン。と叩く虎杖。
うんうん。走ってまでセクハラに来なくていいし、なんで近くにいるのが分かるの。
そこは『五条悟だから』言われたら、何も言えなくなるのだが――。
「名無し。」
手のひらの下で発せられる、くぐもった声。
『なんですか』と聞き返えそうとした時。
可愛らしいリップ音。
ぬらりと手のひらが濡れ、生あたたかい何かが這う感触。
それが五条の舌だと理解するのは一瞬だった。
反射的に口元を抑えていた手を離せば、腰に回された腕も離れ、あっさり解放された。
……彼が目隠しをしていても分かる。
絶対満足気に目を細めているに違いない。
「ごちそうさま。」
ぺろりと出される肉色の舌。
それが不二家のぺこちゃんなら可愛らしいのだろうが、この男なら色気で人を殺せる兵器になりかねない。
現に私は…鏡を見なくても分かる。頬が火照って仕方ない。どうしてくれるんだ。
一方、原因である五条悟は「さぁて、充電終わったから行こうか!」なんて上機嫌になっている。
なんて元気な28歳なんだ。
五条悟の充電方法
「……お疲れさん」
「本当にね!!」
歳下に同情めいた視線を向けられ、肩を叩かれる私の気持ちも察して下さい、先生!
高専の廊下を歩いていると後ろから覆い被さるように抱きすくめられた。
身長190cm超の大男に熱烈なハグを受けたなら、腰が曲がるのは当たり前だろう。
「何してるんですか、五条先生」
「見てわかんない?」
「セクハラですかね」
「ハズレ〜。充電。」
スンスンと聞こえるのは呼吸音。
筋の通った高い鼻を、髪やら首筋に押し当てられた。
擽ったい。
ムズムズする。
いや、そんなことよりも、それよりも!
「は、恥ずかしいのでやめてください」
「むぐ。」
身体を捩って口元と鼻先を押し返す。
……男とは思えない程に柔らかい唇が、なんだか無性に腹が立つなぁ。
「先生〜、待ってくれよ…あ、名無しじゃん。おっす。」
「やだ。白昼堂々イチャついてる。」
廊下の角から曲がってきたのは、今の彼の可愛い教え子・三人組。
虎杖は何事もないように片手をひらりと上げ、釘崎は侮蔑の言葉とは裏腹に顔はニヤニヤと笑っている。
ちなみに、哀れみの目を向けてくれているのは伏黒だけだった。
おお、心の友よ。
「違う。どう見てもセクハラされてるでしょ。」
「あぁ、だから先生突然走って行ったのか」
納得!と言わんばかりに拳をポン。と叩く虎杖。
うんうん。走ってまでセクハラに来なくていいし、なんで近くにいるのが分かるの。
そこは『五条悟だから』言われたら、何も言えなくなるのだが――。
「名無し。」
手のひらの下で発せられる、くぐもった声。
『なんですか』と聞き返えそうとした時。
可愛らしいリップ音。
ぬらりと手のひらが濡れ、生あたたかい何かが這う感触。
それが五条の舌だと理解するのは一瞬だった。
反射的に口元を抑えていた手を離せば、腰に回された腕も離れ、あっさり解放された。
……彼が目隠しをしていても分かる。
絶対満足気に目を細めているに違いない。
「ごちそうさま。」
ぺろりと出される肉色の舌。
それが不二家のぺこちゃんなら可愛らしいのだろうが、この男なら色気で人を殺せる兵器になりかねない。
現に私は…鏡を見なくても分かる。頬が火照って仕方ない。どうしてくれるんだ。
一方、原因である五条悟は「さぁて、充電終わったから行こうか!」なんて上機嫌になっている。
なんて元気な28歳なんだ。
五条悟の充電方法
「……お疲れさん」
「本当にね!!」
歳下に同情めいた視線を向けられ、肩を叩かれる私の気持ちも察して下さい、先生!
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