Re:birth//short story
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『お願い』をした後。
神田も神田で条件を出てきた。
『徐々に慣らしていくからな。』
何を、だなんて愚問だろう。
恋愛ビギナー#知らぬが仏
「あの、神田さん。」
「何だ。」
「動けません…」
とある任務明けの、オフの日。
鍛錬も終わり、昼食も食べた。
なので名無しは先日閉架からわざわざ借りた本を今読んでいるのだが――。
名無しのベッドの上に寛ぐように座り、壁を背凭れにしている神田。
彼の足の間に座るよう促され、足の間で体育座りをする名無し。
最初はあまりにも落ち着かなかったらしい。
『…あの、ヒマじゃないですか?』と問うてきていた。
勿論、答えはNoだ。
敢えて暇な時間を作っているのだ。
ただでさえ元帥になってから嫌いな書類仕事が増えたせいで、何も考えない・何もしないこの時間は贅沢そのものだった。
まだ初々しい恋人を抱きしめているなら、尚更。
神田の『慣らし』に慣れてきたのか、くっついたり抱きしめただけなら名無しも心拍数を跳ね上げなくなってきた。
だから次のステップに進んでいいだろうと判断し、最近は――
「ひゃっ!?か、神田さん、擽ったいですよ」
不意に首筋へ落とす唇。
食んだり、時々舌を這わせたり。
甘い匂いが強い首筋は、顔を埋めれば『至高』の一言に尽きた。
白い首筋を一瞬甘く吸い付いてやれば赤い花が咲く。
本人には見えない首筋の後ろや肩のすじに付けているから、バレない限りは文句を言われることもないだろう。
「このくらいはいいだろ。」
「う……いい、です、けど…。…なんか神田さん猫ちゃんみたいですね」
首筋にすり寄ったり、顔を埋めたり。
名無しは恐らくただの『匂い付け』だと思っているのだろう。
――まぁ神田が本人に黙ってしているコレも、ある種マーキングといえば『マーキング』だ。
「……猫だと?」
「はい。気ままですし、美人さんですし、特にほら。長いしっぽ。」
名無しは肩にかかった髪をひと房手に取り指先でくるりと弄び、悪戯っぽく笑った。
「じゃあ差詰め、お前は子犬だな」
「あはは、それはよく言われます。」
そんな穏やかな、神田師弟の一幕。
後日、キスマークがリナリーに見つかり『ドスケベ神田』と恨み節を吐かれながら背中を思い切り叩かれたのは……言うまでもない。
知らぬ存ぜぬは本人のみ。
まさに『知らぬが仏』。
……知られた日には可愛い弟子に怒られるだろうに。
神田も神田で条件を出てきた。
『徐々に慣らしていくからな。』
何を、だなんて愚問だろう。
恋愛ビギナー#知らぬが仏
「あの、神田さん。」
「何だ。」
「動けません…」
とある任務明けの、オフの日。
鍛錬も終わり、昼食も食べた。
なので名無しは先日閉架からわざわざ借りた本を今読んでいるのだが――。
名無しのベッドの上に寛ぐように座り、壁を背凭れにしている神田。
彼の足の間に座るよう促され、足の間で体育座りをする名無し。
最初はあまりにも落ち着かなかったらしい。
『…あの、ヒマじゃないですか?』と問うてきていた。
勿論、答えはNoだ。
敢えて暇な時間を作っているのだ。
ただでさえ元帥になってから嫌いな書類仕事が増えたせいで、何も考えない・何もしないこの時間は贅沢そのものだった。
まだ初々しい恋人を抱きしめているなら、尚更。
神田の『慣らし』に慣れてきたのか、くっついたり抱きしめただけなら名無しも心拍数を跳ね上げなくなってきた。
だから次のステップに進んでいいだろうと判断し、最近は――
「ひゃっ!?か、神田さん、擽ったいですよ」
不意に首筋へ落とす唇。
食んだり、時々舌を這わせたり。
甘い匂いが強い首筋は、顔を埋めれば『至高』の一言に尽きた。
白い首筋を一瞬甘く吸い付いてやれば赤い花が咲く。
本人には見えない首筋の後ろや肩のすじに付けているから、バレない限りは文句を言われることもないだろう。
「このくらいはいいだろ。」
「う……いい、です、けど…。…なんか神田さん猫ちゃんみたいですね」
首筋にすり寄ったり、顔を埋めたり。
名無しは恐らくただの『匂い付け』だと思っているのだろう。
――まぁ神田が本人に黙ってしているコレも、ある種マーキングといえば『マーキング』だ。
「……猫だと?」
「はい。気ままですし、美人さんですし、特にほら。長いしっぽ。」
名無しは肩にかかった髪をひと房手に取り指先でくるりと弄び、悪戯っぽく笑った。
「じゃあ差詰め、お前は子犬だな」
「あはは、それはよく言われます。」
そんな穏やかな、神田師弟の一幕。
後日、キスマークがリナリーに見つかり『ドスケベ神田』と恨み節を吐かれながら背中を思い切り叩かれたのは……言うまでもない。
知らぬ存ぜぬは本人のみ。
まさに『知らぬが仏』。
……知られた日には可愛い弟子に怒られるだろうに。
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