Howard Link Report
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なぜ、この世にイノセンスがまだ存在しているのか。
答えは簡単。壊す者がいるならば、直す者もまた存在するのだ。
(それが、この少女。)
まだ未成年の東洋人は実年齢よりも随分若く見える。
それが小柄で、しかも戦うにはあまりにも雰囲気が一般人だったから、尚更そう思ったのだろう。
(仕方ないとはいえ)
長官も酷な事を──なんて、口が裂けても言わない。言えない。
彼の抱えた信念が固く、尊く、崇高であることは、側近である自分が一番理解している。
……むしろ、自分が一番理解しなければ、あの人のことを誰が赦し、誰がついて行くというのだろう。
エクソシストの服は良くも悪くも目立つ。
外套を脱いで、名無しは髪を払うように一度首を振った。
一度。二度。息を吐く。
三度の瞬きを繰り返し、顔を上げた横顔は
(まるで、別人だ)
先程の一般人のような雰囲気とは一変し、薄いガラスのような張り詰めた空気を纏う。
「……ハワード・リンクさん、でしたっけ。」
「はい。」
「イノセンスの修復任務の司令を教えてください。手早く、迅速に済ませてしまいましょう」
黒曜石のような瞳を真っ直ぐ上げ、淡々とした口調で口を開く。
一切の感情を殺したような声に、思わず言葉にならない声が出そうになった。
それを形にする術も資格も、私にはなかったけれど。
「……分かりました。ではこの調査報告書から目を通して下さい」
答えは簡単。壊す者がいるならば、直す者もまた存在するのだ。
(それが、この少女。)
まだ未成年の東洋人は実年齢よりも随分若く見える。
それが小柄で、しかも戦うにはあまりにも雰囲気が一般人だったから、尚更そう思ったのだろう。
(仕方ないとはいえ)
長官も酷な事を──なんて、口が裂けても言わない。言えない。
彼の抱えた信念が固く、尊く、崇高であることは、側近である自分が一番理解している。
……むしろ、自分が一番理解しなければ、あの人のことを誰が赦し、誰がついて行くというのだろう。
エクソシストの服は良くも悪くも目立つ。
外套を脱いで、名無しは髪を払うように一度首を振った。
一度。二度。息を吐く。
三度の瞬きを繰り返し、顔を上げた横顔は
(まるで、別人だ)
先程の一般人のような雰囲気とは一変し、薄いガラスのような張り詰めた空気を纏う。
「……ハワード・リンクさん、でしたっけ。」
「はい。」
「イノセンスの修復任務の司令を教えてください。手早く、迅速に済ませてしまいましょう」
黒曜石のような瞳を真っ直ぐ上げ、淡々とした口調で口を開く。
一切の感情を殺したような声に、思わず言葉にならない声が出そうになった。
それを形にする術も資格も、私にはなかったけれど。
「……分かりました。ではこの調査報告書から目を通して下さい」
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