コイビト・スイッチ!
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「『ルベリエ監査官の耳に入れない為に根回しするから、明日くらいまでは周りに気付かれないようにしてくれ』って言われましたけど…」
神田の自室にて。
『室長とっちめて、早く薬作らせるわ』と帰っていったリーバーを見送り、当人達同士で作戦会議。
幸か不幸か、恋人同士なのでまだこの状況はマシと言えるだろう。何の関係もない他人同士だと、地獄絵図以外の何物でもない。
しかし、だ。
根回しする時間が必要とのことで、『明日まで周りに気づかれないように』というのは中々──。
「出来るんですか?神田さん。」
「黙っていればいいだろ。」
「私、そこまで無口キャラじゃないです」
丁寧な口調の神田ボイスに、ぶっきらぼうな名無しの声。
吹き替え失敗した?それともキャスティングミス?と耳と目を疑う状況だが、当人達はこの状況に慣れつつあった。順応性が高いのも考えものである。
「お前こそ出来んのか?」
「ふふん、見ててください。」
コホンと咳払いをひとつ。
いつもの仏頂面へと表情を固め、名無しが放った一言は。
「ジェリー、蕎麦ひとつ。」
似ている。
殆ど本人と言っても差支えがない物真似のクオリティだ。
あとは本人らしい所作、態度、ふとした仕草に気をつけてしまえば、気づかれることはないだろう。
「あとは……オイ、モヤシ。黙れ、クソうさぎ。……とか?」
普段の名無しでは考えられない口汚い言葉に対して、つい『そんなに俺は口悪くねぇ』と言いかけるが、よくよく考えてみればそれは自然と口をついて出る悪舌だった。
『似ているが、彼女の口からは聞きたくなかった』なんて後悔は、神田が言葉にする権利のないものだった。
名無しはといえば「それに神田さん、口数少ないですし何とかなりますよ」とあっけらかんと笑っている。
「…………。」
「神田さん?」
「……似すぎているせいか、自分に話しかけられてるようで気味悪ィ…」
「褒め言葉として受け取っておきますね。」
コイビト・スイッチ!#02
「それよりビックリしました。」
「何が。」
「神田さんの身体、鍛えてるのに動きが軽くて!走ったら凄く早く走れそう!」
トントンとその場で飛び上がる名無し。
勿論、姿は神田なので、はしゃぐ様子は些か異様だ。
「中身はお前 だからな……何もないところで転けるなよ?」
「大丈夫ですよ、多分。それより神田さんもちゃーんと私のモノマネしてくださいね?」
背をかがめて顔を覗きこめば、喧嘩後のように不機嫌な自分の顔。
思考を一巡した後、あまり自信なさそうに「…あぁ」と彼は小さく返事を返すのであった。
神田の自室にて。
『室長とっちめて、早く薬作らせるわ』と帰っていったリーバーを見送り、当人達同士で作戦会議。
幸か不幸か、恋人同士なのでまだこの状況はマシと言えるだろう。何の関係もない他人同士だと、地獄絵図以外の何物でもない。
しかし、だ。
根回しする時間が必要とのことで、『明日まで周りに気づかれないように』というのは中々──。
「出来るんですか?神田さん。」
「黙っていればいいだろ。」
「私、そこまで無口キャラじゃないです」
丁寧な口調の神田ボイスに、ぶっきらぼうな名無しの声。
吹き替え失敗した?それともキャスティングミス?と耳と目を疑う状況だが、当人達はこの状況に慣れつつあった。順応性が高いのも考えものである。
「お前こそ出来んのか?」
「ふふん、見ててください。」
コホンと咳払いをひとつ。
いつもの仏頂面へと表情を固め、名無しが放った一言は。
「ジェリー、蕎麦ひとつ。」
似ている。
殆ど本人と言っても差支えがない物真似のクオリティだ。
あとは本人らしい所作、態度、ふとした仕草に気をつけてしまえば、気づかれることはないだろう。
「あとは……オイ、モヤシ。黙れ、クソうさぎ。……とか?」
普段の名無しでは考えられない口汚い言葉に対して、つい『そんなに俺は口悪くねぇ』と言いかけるが、よくよく考えてみればそれは自然と口をついて出る悪舌だった。
『似ているが、彼女の口からは聞きたくなかった』なんて後悔は、神田が言葉にする権利のないものだった。
名無しはといえば「それに神田さん、口数少ないですし何とかなりますよ」とあっけらかんと笑っている。
「…………。」
「神田さん?」
「……似すぎているせいか、自分に話しかけられてるようで気味悪ィ…」
「褒め言葉として受け取っておきますね。」
コイビト・スイッチ!#02
「それよりビックリしました。」
「何が。」
「神田さんの身体、鍛えてるのに動きが軽くて!走ったら凄く早く走れそう!」
トントンとその場で飛び上がる名無し。
勿論、姿は神田なので、はしゃぐ様子は些か異様だ。
「中身は
「大丈夫ですよ、多分。それより神田さんもちゃーんと私のモノマネしてくださいね?」
背をかがめて顔を覗きこめば、喧嘩後のように不機嫌な自分の顔。
思考を一巡した後、あまり自信なさそうに「…あぁ」と彼は小さく返事を返すのであった。