病熱メトロノーム
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目を覚ませば、まだ明け方だった。
東の空が白んで夜の濃紺を鮮やかに溶かしていく。
閉められたカーテンの隙間から、淡い暁が地平線を彩っていた。
規則的に上下する胸板。
肌蹴たシャツの襟元からは刺青のような梵字が見え隠れする。
出会った当初はそれこそ『呪い』のように黒い根が張っていた。
今やスッキリと、綺麗になっているのだが。
視線を上げれば穏やかな寝顔。
長い睫毛に縁取られた薄い瞼。
スっと通った鼻筋や薄い唇、どのパーツひとつとっても、
(絶世の美形。)
寝顔は相変わらず女性と見紛う程だ。
起きて、口を開いて目を見開けば、外見とは裏腹にやや粗暴な性格なのだが。
それでもそれを覆す程、彼はやさしい。
どうしようもなく、好きになってしまうくらいに。
――この瞬間、この時間だけは、誰のものでもない。
起きていたら絶対できない。
卑怯だと分かっている。
一呼吸おいて、透き通るような白い頬にそろりと口付ける。
それだけで顔から火が出てしまいそうになるが、同時に声にならない達成感と愛しさが湧き上がった。
「…………………えへへ。」
ふにゃりと破顔して、布団に戻る。
大好きな逞しい胸板にそっと顔を埋めて、贅沢な二度寝を決め込んだのであった。
病院メトロノーム#07
(………………はーーーーー、抱きてぇー…)
見事な狸寝入りをしていた可哀想な元帥は、朝から性欲を持て余すことになったのは、また別の話。
東の空が白んで夜の濃紺を鮮やかに溶かしていく。
閉められたカーテンの隙間から、淡い暁が地平線を彩っていた。
規則的に上下する胸板。
肌蹴たシャツの襟元からは刺青のような梵字が見え隠れする。
出会った当初はそれこそ『呪い』のように黒い根が張っていた。
今やスッキリと、綺麗になっているのだが。
視線を上げれば穏やかな寝顔。
長い睫毛に縁取られた薄い瞼。
スっと通った鼻筋や薄い唇、どのパーツひとつとっても、
(絶世の美形。)
寝顔は相変わらず女性と見紛う程だ。
起きて、口を開いて目を見開けば、外見とは裏腹にやや粗暴な性格なのだが。
それでもそれを覆す程、彼はやさしい。
どうしようもなく、好きになってしまうくらいに。
――この瞬間、この時間だけは、誰のものでもない。
起きていたら絶対できない。
卑怯だと分かっている。
一呼吸おいて、透き通るような白い頬にそろりと口付ける。
それだけで顔から火が出てしまいそうになるが、同時に声にならない達成感と愛しさが湧き上がった。
「…………………えへへ。」
ふにゃりと破顔して、布団に戻る。
大好きな逞しい胸板にそっと顔を埋めて、贅沢な二度寝を決め込んだのであった。
病院メトロノーム#07
(………………はーーーーー、抱きてぇー…)
見事な狸寝入りをしていた可哀想な元帥は、朝から性欲を持て余すことになったのは、また別の話。