Re:pray
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
口煩い里親か。
俺は半ば呆れてしまった。
『体調悪いのを隠して普通の食事を摂ろうとしますが、なるべくお腹に優しいものを与えてください』
『水は任務の際持たせてあげてください。嘔吐した時など内臓がいたむので。』
『それと…』
「やりゃいいんだろ、分かってる。」
『ちょっと、まだありますよ神田ユウ』
「うるせぇ」
ゴーレムの通信を一方的に切断して、ゴーレム自体の電源も落とす。これで少しは静かになるだろ。
暫く共にいて情でもわいたのか、まさかリンクからアイツの件で連絡がくるとは思ってもみなかった。
…しかしよく考えてみれば、モヤシの監視任務の時もなんだかんだで世話焼きだったことを思い出す。
そういう性分なのか、もしくは――
行き着いた『もしかしたら』の結論に胸の奥がモヤりと翳る。
理由は、分からないけども。
「…呑気に寝やがって。」
修行の合間。10分休憩だと言ったにも関わらず、もう30分は経過していた。
それもこれも、木にもたれかかって気持ちよさそうに寝息を立てているコイツが悪い。
膝を抱えてすぅすぅ熟睡している様は、仔犬が日向で昼寝をしている様子を彷彿させた。
いや、あまり眠れていないと先程の口煩い男からは言われていたから、これはこれでいいのかもしれない。
しかし、修行の続きだ・と起こすべきか、それともそのまま寝させてやるべきか。
しかしなんともまぁ、
「――アホ面。」
呟いた声音は、俺も驚く程に穏やかで。
春の香りを僅かに乗せた北風が、森の木々を穏やかに撫でた。
Re:pray#29
epilogue
春はもう、すぐそこに。
俺は半ば呆れてしまった。
『体調悪いのを隠して普通の食事を摂ろうとしますが、なるべくお腹に優しいものを与えてください』
『水は任務の際持たせてあげてください。嘔吐した時など内臓がいたむので。』
『それと…』
「やりゃいいんだろ、分かってる。」
『ちょっと、まだありますよ神田ユウ』
「うるせぇ」
ゴーレムの通信を一方的に切断して、ゴーレム自体の電源も落とす。これで少しは静かになるだろ。
暫く共にいて情でもわいたのか、まさかリンクからアイツの件で連絡がくるとは思ってもみなかった。
…しかしよく考えてみれば、モヤシの監視任務の時もなんだかんだで世話焼きだったことを思い出す。
そういう性分なのか、もしくは――
行き着いた『もしかしたら』の結論に胸の奥がモヤりと翳る。
理由は、分からないけども。
「…呑気に寝やがって。」
修行の合間。10分休憩だと言ったにも関わらず、もう30分は経過していた。
それもこれも、木にもたれかかって気持ちよさそうに寝息を立てているコイツが悪い。
膝を抱えてすぅすぅ熟睡している様は、仔犬が日向で昼寝をしている様子を彷彿させた。
いや、あまり眠れていないと先程の口煩い男からは言われていたから、これはこれでいいのかもしれない。
しかし、修行の続きだ・と起こすべきか、それともそのまま寝させてやるべきか。
しかしなんともまぁ、
「――アホ面。」
呟いた声音は、俺も驚く程に穏やかで。
春の香りを僅かに乗せた北風が、森の木々を穏やかに撫でた。
Re:pray#29
epilogue
春はもう、すぐそこに。
29/29ページ