aster days
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「ささ、どうぞどうぞ」
「…本当に私、ここに住むんですか?」
新しく充てられた部屋は、十二番隊隊首私室。
つまるところ、浦原の部屋だった。
aster days#07
「こっちが台所っス。まぁ調理器具は一式揃ってますけど、ほぼ新品っスね。好きに使ってください。
名無しサンの箪笥は、とりあえずここの引き出し使ってやってください。
足りないものたくさんあると思うんで、これで見繕ってやってくださいね」
はい、と手渡しで渡された巾着袋。
見なくても分かる、お金だ。
しかもなんか紙の割には重い。
「なんか多くないですか」
「そうっスか?」
最近、彼について分かったことがある。
誤魔化す時の笑顔、心底楽しい時の笑顔、どうでもいい時の笑顔、ほんの少しだけ怒っている時の笑顔。
基本的に目の前の男は、大抵笑っている。
その笑顔の真意が、どうであれ。
…マユリが勝手に、浦原が使うはずだった資材を使っていたことに関しては、笑顔で怒っていたようだけど。
それ以外は、ひよ里が何度背中を蹴ろうが、ほかの研究員が実験を失敗しようが、怒らない。
基本的にいつも笑顔なのだ。
(張り付いた、仮面のようだ)
そういえば私が尸魂界に呼ばれた時も彼は申し訳なさそうに笑っていた。
(あぁ、だから少し苦手なのか)
そういう意味ではひよ里とマユリはとても分かりやすい。
ツンデレと、自己中。そして存外二人は素直なのだ。
「名無しサン?」
「え、あ。すみません、ボーッとしてました」
「お疲れですかね?そこのベッド、好きに使ってくださいね」
「え。…いや、男性のベッドは、ちょっと」
遠慮して答えれば、ニヤッと笑う浦原。
そう、最近分かったことは他にもある。
こっそり悪さをするのが病的に上手い。
そして飄々としている割に、彼はスケベだ。
先日は夜一にセクハラを働いて、手の甲を思い切り抓られていた。
大体こういう笑みを浮かべた時は、この二つのどちらかだ。
「えぇ〜、何を想像してるんスか、名無しサン。やらしい〜」
「やらしくないですよ、失礼な。ちゃんと自分の布団は買ってきますからご安心を」
あぁ、後者だった。
見た目は若いのにどうして中身はこんなオッサンくさいんだ、この人は。
「早く部屋直らないかな…」
「あ、すみません。涅サンが研究室拡張するって言われてたんであげちゃいました。部屋」
「はぁ!?」
冗談じゃない。
帰れる見通しもないのにどうしてこんな勝手なことを。
いや、そもそもこの男の部屋を勧められたからといって、何も考えずに寝泊まりしようとしている私が悪いのではなかろうか。
今からでも遅くない、ひよ里の部屋に移動を
「って、考えていません?」
「なんで分かるんですか。ちょっと正直、気持ち悪いです」
「酷いッスね。
大丈夫ですよ、ボクは殆どこの部屋に寝泊まりしてませんから」
「はい?」
「最近研究室に缶詰っスから、本当に気にせず使ってください」
へらへらと笑って、そう答える浦原。
…隊長や局長の仕事は、やはり忙しいのだろうか。
実は護廷十三隊はブラックなのかもしれない。
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
不承不承頷けば、またいつもの笑顔で浦原は笑った。
「…本当に私、ここに住むんですか?」
新しく充てられた部屋は、十二番隊隊首私室。
つまるところ、浦原の部屋だった。
aster days#07
「こっちが台所っス。まぁ調理器具は一式揃ってますけど、ほぼ新品っスね。好きに使ってください。
名無しサンの箪笥は、とりあえずここの引き出し使ってやってください。
足りないものたくさんあると思うんで、これで見繕ってやってくださいね」
はい、と手渡しで渡された巾着袋。
見なくても分かる、お金だ。
しかもなんか紙の割には重い。
「なんか多くないですか」
「そうっスか?」
最近、彼について分かったことがある。
誤魔化す時の笑顔、心底楽しい時の笑顔、どうでもいい時の笑顔、ほんの少しだけ怒っている時の笑顔。
基本的に目の前の男は、大抵笑っている。
その笑顔の真意が、どうであれ。
…マユリが勝手に、浦原が使うはずだった資材を使っていたことに関しては、笑顔で怒っていたようだけど。
それ以外は、ひよ里が何度背中を蹴ろうが、ほかの研究員が実験を失敗しようが、怒らない。
基本的にいつも笑顔なのだ。
(張り付いた、仮面のようだ)
そういえば私が尸魂界に呼ばれた時も彼は申し訳なさそうに笑っていた。
(あぁ、だから少し苦手なのか)
そういう意味ではひよ里とマユリはとても分かりやすい。
ツンデレと、自己中。そして存外二人は素直なのだ。
「名無しサン?」
「え、あ。すみません、ボーッとしてました」
「お疲れですかね?そこのベッド、好きに使ってくださいね」
「え。…いや、男性のベッドは、ちょっと」
遠慮して答えれば、ニヤッと笑う浦原。
そう、最近分かったことは他にもある。
こっそり悪さをするのが病的に上手い。
そして飄々としている割に、彼はスケベだ。
先日は夜一にセクハラを働いて、手の甲を思い切り抓られていた。
大体こういう笑みを浮かべた時は、この二つのどちらかだ。
「えぇ〜、何を想像してるんスか、名無しサン。やらしい〜」
「やらしくないですよ、失礼な。ちゃんと自分の布団は買ってきますからご安心を」
あぁ、後者だった。
見た目は若いのにどうして中身はこんなオッサンくさいんだ、この人は。
「早く部屋直らないかな…」
「あ、すみません。涅サンが研究室拡張するって言われてたんであげちゃいました。部屋」
「はぁ!?」
冗談じゃない。
帰れる見通しもないのにどうしてこんな勝手なことを。
いや、そもそもこの男の部屋を勧められたからといって、何も考えずに寝泊まりしようとしている私が悪いのではなかろうか。
今からでも遅くない、ひよ里の部屋に移動を
「って、考えていません?」
「なんで分かるんですか。ちょっと正直、気持ち悪いです」
「酷いッスね。
大丈夫ですよ、ボクは殆どこの部屋に寝泊まりしてませんから」
「はい?」
「最近研究室に缶詰っスから、本当に気にせず使ってください」
へらへらと笑って、そう答える浦原。
…隊長や局長の仕事は、やはり忙しいのだろうか。
実は護廷十三隊はブラックなのかもしれない。
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
不承不承頷けば、またいつもの笑顔で浦原は笑った。