short story
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夏。
窓の外は相変わらずのコンクリートジャングルで、ジリジリと見てるだけでも暑くなりそうな陽炎が揺らめいている。
名無しがくじ引きで当てた電動かき氷機が万事屋のテーブル上で忙しなく稼働していた。
「名無し!おかわりアル!」
「ちょっと神楽ちゃん。いくら氷でも食べ過ぎだよ」
神楽が元気よく差し出した器には溶けてしまったレモン味のシロップが僅かに残るだけ。
抹茶シロップを掛けて食べていた新八が呆れたように声をかけるが、食欲第一の神楽に意味は成すのだろうか。
「ごめんね、神楽ちゃん。氷さっきのでなくなっちゃった。」
「えぇ〜…夜にはまた氷できるアルか?」
「もちろん。」
オイオイ、まだ食うつもりかよ。
お前さっきので四杯目だっただろーが。
「え、名無しさん…かき氷食べてなくないですか?」
「そういえばそうだね。まぁ、かき氷なんてすぐ作れるしね」
新八が少し申し訳なさそうに言うと、名無しがあっけらかんと笑う。
が、名無しを姉のように慕っている神楽はそうもいかなかったらしい。
珍しくしゅんと眉を垂らすと、思い立ったように立ち上がった。
「名無し!すぐに私が代わりのアイスクリーム買ってくるアルよ!」
「え、大丈夫だよ。ほら、外暑いし…」
「近くのスーパーに行くだけアルよ!名無しだけ食べられないのは可愛そうアル!
ってことで、新八。行くアルヨ」
「ちょっと!僕まだ食べてるんだけど!?」
そう言いながらも律儀にかき氷をかき込む新八。まぁ日差しに弱い神楽がぶっ倒れても困るしな。
元気よく未成年二人が万事屋を出た後、名無しは困ったように苦笑いを浮かべた。
「気を遣わせちゃったかなぁ」
「まぁ、神楽は食いすぎだな。」
シャクシャクと音を立ててイチゴのシロップにたっぷり練乳を掛けた氷を咀嚼する。
俺の分は一番最後に渡されたせいだろう、この暑い中まだまだ氷の原型がそれなりに残っていた。
「名無し、ほらよ。」
スプーンにひと掬いして、練乳がしっかり掛かった甘い部分を差し出した。
名無しは口ではあぁ言っていたが、自分用に買っていたみぞれシロップが未開封のまま冷蔵庫に仕舞われているのを俺は知っている。
それなりにかき氷は楽しみだったのだろう。
「んむ、」
「うめーか?」
「ん。甘い」
満足そうに笑う名無しがあまりにも可愛くて、ついつい二口目も差し出してしまう。
親鳥が雛鳥にエサをやる時の気持ちはこんな感じなのだろうか。
「銀時の分なくなっちゃうよ。」
「俺は夜の時に食うからいいんだよ。かき氷に発泡酒かけたら美味そうじゃね?」
「えー。まぁ、神楽ちゃん寝た後ならしてもいいよ」
困ったように笑いながら二口目を遠慮なく口に入れる名無し。
「練乳、甘いね。」と頬を綻ばせながら、窓から見える青空を背に彼女は無邪気に笑った。
間接キスにお気づきですか?
「ちなみにビールや発泡酒をタッパーに入れて凍らせたらかき氷になるらしいよ。」
「お。そっちの方が美味そうだな」
蝉の喧騒が騒がしい、そんな夏の一幕。
窓の外は相変わらずのコンクリートジャングルで、ジリジリと見てるだけでも暑くなりそうな陽炎が揺らめいている。
名無しがくじ引きで当てた電動かき氷機が万事屋のテーブル上で忙しなく稼働していた。
「名無し!おかわりアル!」
「ちょっと神楽ちゃん。いくら氷でも食べ過ぎだよ」
神楽が元気よく差し出した器には溶けてしまったレモン味のシロップが僅かに残るだけ。
抹茶シロップを掛けて食べていた新八が呆れたように声をかけるが、食欲第一の神楽に意味は成すのだろうか。
「ごめんね、神楽ちゃん。氷さっきのでなくなっちゃった。」
「えぇ〜…夜にはまた氷できるアルか?」
「もちろん。」
オイオイ、まだ食うつもりかよ。
お前さっきので四杯目だっただろーが。
「え、名無しさん…かき氷食べてなくないですか?」
「そういえばそうだね。まぁ、かき氷なんてすぐ作れるしね」
新八が少し申し訳なさそうに言うと、名無しがあっけらかんと笑う。
が、名無しを姉のように慕っている神楽はそうもいかなかったらしい。
珍しくしゅんと眉を垂らすと、思い立ったように立ち上がった。
「名無し!すぐに私が代わりのアイスクリーム買ってくるアルよ!」
「え、大丈夫だよ。ほら、外暑いし…」
「近くのスーパーに行くだけアルよ!名無しだけ食べられないのは可愛そうアル!
ってことで、新八。行くアルヨ」
「ちょっと!僕まだ食べてるんだけど!?」
そう言いながらも律儀にかき氷をかき込む新八。まぁ日差しに弱い神楽がぶっ倒れても困るしな。
元気よく未成年二人が万事屋を出た後、名無しは困ったように苦笑いを浮かべた。
「気を遣わせちゃったかなぁ」
「まぁ、神楽は食いすぎだな。」
シャクシャクと音を立ててイチゴのシロップにたっぷり練乳を掛けた氷を咀嚼する。
俺の分は一番最後に渡されたせいだろう、この暑い中まだまだ氷の原型がそれなりに残っていた。
「名無し、ほらよ。」
スプーンにひと掬いして、練乳がしっかり掛かった甘い部分を差し出した。
名無しは口ではあぁ言っていたが、自分用に買っていたみぞれシロップが未開封のまま冷蔵庫に仕舞われているのを俺は知っている。
それなりにかき氷は楽しみだったのだろう。
「んむ、」
「うめーか?」
「ん。甘い」
満足そうに笑う名無しがあまりにも可愛くて、ついつい二口目も差し出してしまう。
親鳥が雛鳥にエサをやる時の気持ちはこんな感じなのだろうか。
「銀時の分なくなっちゃうよ。」
「俺は夜の時に食うからいいんだよ。かき氷に発泡酒かけたら美味そうじゃね?」
「えー。まぁ、神楽ちゃん寝た後ならしてもいいよ」
困ったように笑いながら二口目を遠慮なく口に入れる名無し。
「練乳、甘いね。」と頬を綻ばせながら、窓から見える青空を背に彼女は無邪気に笑った。
間接キスにお気づきですか?
「ちなみにビールや発泡酒をタッパーに入れて凍らせたらかき氷になるらしいよ。」
「お。そっちの方が美味そうだな」
蝉の喧騒が騒がしい、そんな夏の一幕。