日常篇//壱
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「宇宙旅行…四名様?」
「私が一等当てたアル!」
「で、これいつ行くの?」
「「「明日。」」」
「おいコラ、私の仕事のスケジュール、ガン無視か!」
茜色ドロップ#船酔いには気をつけよう
宇宙なんて、初めてだ。
ソワソワしながら窓の外を眺めると、真っ暗な空間にぽっかりと浮かぶ地球が見えた。
どこかの誰かが地球は青かった、とか言っていた気がするが、確かに青い。
まぁ、そんな楽しい旅行も早速定春が迷子になって実はそれどころじゃないんだけれども。
「もう旅行なんて楽しめそうにないヨ」
「だからババアに預けとけって言ったんだよ」
「台無しなのはお前らの人間性だよ」
宇宙船の中の機内食をこれでもかと言うほど食べている銀時と神楽を見て、全力で新八に同意したくなった。
機内食すら楽しみって、どんだけなんだ。
「もう。二人はここにいなさい。新八くんと探してくるから…」
座席の安全ベルトを外して名無しが腰を上げた時だった。
カチャ、と耳元で鳴る金属音。
軽く首を捻れば鼻先に突きつけられた銃口が視界に入った。
「動くな」
覆面をした男の声が低く響く。
彼らの耳障りな演説を聞く限りだと、ハイジャックのようだった。
進路を変えてターミナルへテロを起こすらしいが…
「や、ヤバイよ銀さん!」
青ざめる新八。
その隣で名無しは退屈そうに欠伸をしていた。…銃を突きつけられたまま。
「俺死んだら宇宙葬にしてもらおっかな。星になれる気がするわ」
「あぁ、なれるともさ」
「うぉーい!ホントに星になっちまうぞ!!」
「オイ、貴様ら何をやっている!大人しく席に座れ!この女がどうなってもいいのか!」
頬にグリグリと押し付けられる銃口は少し硝煙の臭いがした。
あまりの不愉快さに名無しは思わず眉を顰める。
「銀時、神楽ちゃん。」
はぁ、と溜息をつきながら名前を呼ぶ名無し。
ふざけるのもそろそろやめなさい。そう言わんばかりの声音だ。
「ほァたぁ!」
神楽の蹴りがテロリストの顎を蹴り上げる。
それを見て逆上した仲間が銀時に銃口を向けるが、それよりも早く彼の蹴りが鳩尾に深く入った。これは痛い。
その側にいた男の脳天に、先程まで銀時が啜っていたラーメン杯を叩きつける新八。
もう船内はまさに混沌としていた。
「動くな!この女がどうなってもいいのか!」
「煩い。」
最後に名無しの肘鉄が男の急所にクリーンヒットする。それを見て銀時と新八は思わず青ざめた。
絶対にあれは痛い。
「ふざけやがって、死ねェェ!」
マシンガンを扉の前で構えた男。
引き金を引くより早く、彼の後ろにあった扉がこれまた元気よく開けられた。
「あー…気持ち悪いのー…酔い止めば飲んでくるの忘れたき…アッハッハッハッ」
定春に頭を噛まれたまま、やって来た男を見て名無しと銀ときは思わず顔を見合わせてしまった。
***
「まさかこんなところで再会するとはのォ」
「本当にね。こんな明らかに辺境の星に不時着するとは、夢にも思わなかったよ。辰馬。」
坂本の暑苦しそうなロングコートは脱ぎ捨てられている。
名無しは久しぶりに着た着物の袖を雑にたくし上げた。
つまるところ、暑い。それも尋常じゃないくらいに。
「それもこれもコイツが舵をへし折るのが悪いんじゃねーか」
「アッハッハッハッハッ」
「笑いの事じゃねーっつーの」
「まぁまぁ、金時。何とか助かったじゃろ?」
「どこがだ!コレのどこが助かったってんだよ!あと金時じゃねーってんだろーが!」
銀時の憎らしげな声が辺りに響く。
見渡す限りの砂漠、砂漠、砂漠だ。
エジプトか何かだろうか。ここは。
「そろそろ迎えが来る頃ぜよ。」
「迎え?あの世から?」
「久しぶりに会ったっちゅーのにィ…名無し〜辛辣ぜよ〜」
甘えた声を出す坂本の顎を掴む名無しと、黒いパーマ頭を掴むのは銀時。
そうでなくとも熱量が高そうな男が近くに寄るだなんて。絶対に暑い。間違いない。
「馬鹿ヤロー、久しぶりの再会だってのに馴れ馴れしいのは誰だよ辰馬」
「暑いのも好きじゃないの。勘弁して、辰馬」
「アッハッハッハッハッ!相変わらず息がピッタリじゃの!」
そんなやり取りをしていると、空から船が何隻が降りてくる。
辰馬が経営する『快援隊』が悠々と砂地に着地した。
このあと暫くして銀時と名無しは思い知るとこになる。
辰馬が絡むとロクな事が起きない、と。
「私が一等当てたアル!」
「で、これいつ行くの?」
「「「明日。」」」
「おいコラ、私の仕事のスケジュール、ガン無視か!」
茜色ドロップ#船酔いには気をつけよう
宇宙なんて、初めてだ。
ソワソワしながら窓の外を眺めると、真っ暗な空間にぽっかりと浮かぶ地球が見えた。
どこかの誰かが地球は青かった、とか言っていた気がするが、確かに青い。
まぁ、そんな楽しい旅行も早速定春が迷子になって実はそれどころじゃないんだけれども。
「もう旅行なんて楽しめそうにないヨ」
「だからババアに預けとけって言ったんだよ」
「台無しなのはお前らの人間性だよ」
宇宙船の中の機内食をこれでもかと言うほど食べている銀時と神楽を見て、全力で新八に同意したくなった。
機内食すら楽しみって、どんだけなんだ。
「もう。二人はここにいなさい。新八くんと探してくるから…」
座席の安全ベルトを外して名無しが腰を上げた時だった。
カチャ、と耳元で鳴る金属音。
軽く首を捻れば鼻先に突きつけられた銃口が視界に入った。
「動くな」
覆面をした男の声が低く響く。
彼らの耳障りな演説を聞く限りだと、ハイジャックのようだった。
進路を変えてターミナルへテロを起こすらしいが…
「や、ヤバイよ銀さん!」
青ざめる新八。
その隣で名無しは退屈そうに欠伸をしていた。…銃を突きつけられたまま。
「俺死んだら宇宙葬にしてもらおっかな。星になれる気がするわ」
「あぁ、なれるともさ」
「うぉーい!ホントに星になっちまうぞ!!」
「オイ、貴様ら何をやっている!大人しく席に座れ!この女がどうなってもいいのか!」
頬にグリグリと押し付けられる銃口は少し硝煙の臭いがした。
あまりの不愉快さに名無しは思わず眉を顰める。
「銀時、神楽ちゃん。」
はぁ、と溜息をつきながら名前を呼ぶ名無し。
ふざけるのもそろそろやめなさい。そう言わんばかりの声音だ。
「ほァたぁ!」
神楽の蹴りがテロリストの顎を蹴り上げる。
それを見て逆上した仲間が銀時に銃口を向けるが、それよりも早く彼の蹴りが鳩尾に深く入った。これは痛い。
その側にいた男の脳天に、先程まで銀時が啜っていたラーメン杯を叩きつける新八。
もう船内はまさに混沌としていた。
「動くな!この女がどうなってもいいのか!」
「煩い。」
最後に名無しの肘鉄が男の急所にクリーンヒットする。それを見て銀時と新八は思わず青ざめた。
絶対にあれは痛い。
「ふざけやがって、死ねェェ!」
マシンガンを扉の前で構えた男。
引き金を引くより早く、彼の後ろにあった扉がこれまた元気よく開けられた。
「あー…気持ち悪いのー…酔い止めば飲んでくるの忘れたき…アッハッハッハッ」
定春に頭を噛まれたまま、やって来た男を見て名無しと銀ときは思わず顔を見合わせてしまった。
***
「まさかこんなところで再会するとはのォ」
「本当にね。こんな明らかに辺境の星に不時着するとは、夢にも思わなかったよ。辰馬。」
坂本の暑苦しそうなロングコートは脱ぎ捨てられている。
名無しは久しぶりに着た着物の袖を雑にたくし上げた。
つまるところ、暑い。それも尋常じゃないくらいに。
「それもこれもコイツが舵をへし折るのが悪いんじゃねーか」
「アッハッハッハッハッ」
「笑いの事じゃねーっつーの」
「まぁまぁ、金時。何とか助かったじゃろ?」
「どこがだ!コレのどこが助かったってんだよ!あと金時じゃねーってんだろーが!」
銀時の憎らしげな声が辺りに響く。
見渡す限りの砂漠、砂漠、砂漠だ。
エジプトか何かだろうか。ここは。
「そろそろ迎えが来る頃ぜよ。」
「迎え?あの世から?」
「久しぶりに会ったっちゅーのにィ…名無し〜辛辣ぜよ〜」
甘えた声を出す坂本の顎を掴む名無しと、黒いパーマ頭を掴むのは銀時。
そうでなくとも熱量が高そうな男が近くに寄るだなんて。絶対に暑い。間違いない。
「馬鹿ヤロー、久しぶりの再会だってのに馴れ馴れしいのは誰だよ辰馬」
「暑いのも好きじゃないの。勘弁して、辰馬」
「アッハッハッハッハッ!相変わらず息がピッタリじゃの!」
そんなやり取りをしていると、空から船が何隻が降りてくる。
辰馬が経営する『快援隊』が悠々と砂地に着地した。
このあと暫くして銀時と名無しは思い知るとこになる。
辰馬が絡むとロクな事が起きない、と。