やっぱりキミがすき
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
特に依頼の入っていない、昼下がり。
新八と神楽は定春の散歩ついでに買い物へ、名無しは緊急で入った回診の夜勤からまだ帰ってきていない。
はずだった。
(どしたの、これ)
ソファに座ってジャンプを読んで、いつの間にか寝落ちしていたらしい。
マフィアの首領ばりに、腕を背もたれに掛けて悠々とソファに座ったまま俺は寝ていた。
はたり、と起きたら左膝に違和感を感じる。
俺の膝に寄りかかって、床に座ったまま名無しが寝ていた。
いつもはキチンと片付けるはずの道具箱もすぐ側に置かれたままだ。
行き倒れ…とまではいかないが、布団を敷いて寝る程の気力もなかったのだろう。
満員電車で隣の人の肩で寝ているような体勢のまま、熟睡しているようだった。
さて、これをどうするか。
布団に連れて行ってやりたいのは山々だが、今俺が動けば名無しが起きてしまうか、体勢が崩れてしまう。
まだ俺が寝落ちしてから大体一時間程しか経っていない。まだ寝入ってすぐかもしれない。
何より普段甘え下手な彼女がこんな格好のまま眠っているということが可愛くて仕方がない。
カメラがあったら絶対に写真を撮っている。可愛すぎる。
「…おぉーい、名無し、」
駄目元で頬を指でついてみるが、むにゃりと口元が緩むだけで起きやしない。
あぁもう。なんだこの可愛い生き物は。
「銀ちゃーん!ただいまアル!!」
「戻りました…って、名無しさん帰って来たんですか?」
バタバタと足音を立てて戻ってくる未成年二人と超大型犬。
慌てて人差し指を立てて「しーーっ」と言えば、普段では考えられない程に物分りがよかった。
「…不潔アル、銀ちゃん。」
「ちょっと、これどういう状況ですか」
「何が不潔だ、俺だって起きたらこうなってたんだよ」
無防備に眠る名無しを覗き込む三人。
普段テキパキと動き回っている彼女ばかり見慣れている新八と神楽は、大変物珍しそうに見ている。
神楽がツン、と頬をつついても、やはり起きない。
「名無し、全然起きないアルネ」
「どーしよこれ」
「そっとしておきましょうよ、おつかれなんですよ。きっと」
そう言って新八は買ってきた買い物袋を台所へ置いて、和室に置いていた毛布を持って戻ってくる。
起こさないようにそっと名無しの肩に掛ければ仮眠の用意は完璧だ。
「じゃあ名無しさんの代わりに夕飯の支度でもしようかな」
「悪ィな、新八」
「銀ちゃん、銀ちゃん」
「んだよ、神楽」
「名無しの寝顔、子供みたいアルな」
ニシシと無邪気に笑う神楽に思わず苦笑が零れた。
まさか名無しも二十歳を過ぎて十代の未成年に、寝顔が子供みたい、と言われるとは思っていなかっただろう。
確かにこんな無防備な寝顔はここに住み始めてから見れるようになった。銀時としては喜ばしいことだ。
「可愛いーだろ。ほら、定春のリードとか仕舞ってこい。起きた時に名無しに叱られちまうぞ」
「はーい」
今度は足音は静かに、神楽が物置へリードを持って小走りで駆けた。
万事屋での穏やかな一幕。
それがたまらなく愛しくて、どうしようもなく幸福な瞬間だと。銀時は柄にもなく思ってしまった。
やっぱりキミがすき#夜勤明け
(ところで俺、小便行きたい時どうしたらいいんだろうな、これ)
新八と神楽は定春の散歩ついでに買い物へ、名無しは緊急で入った回診の夜勤からまだ帰ってきていない。
はずだった。
(どしたの、これ)
ソファに座ってジャンプを読んで、いつの間にか寝落ちしていたらしい。
マフィアの首領ばりに、腕を背もたれに掛けて悠々とソファに座ったまま俺は寝ていた。
はたり、と起きたら左膝に違和感を感じる。
俺の膝に寄りかかって、床に座ったまま名無しが寝ていた。
いつもはキチンと片付けるはずの道具箱もすぐ側に置かれたままだ。
行き倒れ…とまではいかないが、布団を敷いて寝る程の気力もなかったのだろう。
満員電車で隣の人の肩で寝ているような体勢のまま、熟睡しているようだった。
さて、これをどうするか。
布団に連れて行ってやりたいのは山々だが、今俺が動けば名無しが起きてしまうか、体勢が崩れてしまう。
まだ俺が寝落ちしてから大体一時間程しか経っていない。まだ寝入ってすぐかもしれない。
何より普段甘え下手な彼女がこんな格好のまま眠っているということが可愛くて仕方がない。
カメラがあったら絶対に写真を撮っている。可愛すぎる。
「…おぉーい、名無し、」
駄目元で頬を指でついてみるが、むにゃりと口元が緩むだけで起きやしない。
あぁもう。なんだこの可愛い生き物は。
「銀ちゃーん!ただいまアル!!」
「戻りました…って、名無しさん帰って来たんですか?」
バタバタと足音を立てて戻ってくる未成年二人と超大型犬。
慌てて人差し指を立てて「しーーっ」と言えば、普段では考えられない程に物分りがよかった。
「…不潔アル、銀ちゃん。」
「ちょっと、これどういう状況ですか」
「何が不潔だ、俺だって起きたらこうなってたんだよ」
無防備に眠る名無しを覗き込む三人。
普段テキパキと動き回っている彼女ばかり見慣れている新八と神楽は、大変物珍しそうに見ている。
神楽がツン、と頬をつついても、やはり起きない。
「名無し、全然起きないアルネ」
「どーしよこれ」
「そっとしておきましょうよ、おつかれなんですよ。きっと」
そう言って新八は買ってきた買い物袋を台所へ置いて、和室に置いていた毛布を持って戻ってくる。
起こさないようにそっと名無しの肩に掛ければ仮眠の用意は完璧だ。
「じゃあ名無しさんの代わりに夕飯の支度でもしようかな」
「悪ィな、新八」
「銀ちゃん、銀ちゃん」
「んだよ、神楽」
「名無しの寝顔、子供みたいアルな」
ニシシと無邪気に笑う神楽に思わず苦笑が零れた。
まさか名無しも二十歳を過ぎて十代の未成年に、寝顔が子供みたい、と言われるとは思っていなかっただろう。
確かにこんな無防備な寝顔はここに住み始めてから見れるようになった。銀時としては喜ばしいことだ。
「可愛いーだろ。ほら、定春のリードとか仕舞ってこい。起きた時に名無しに叱られちまうぞ」
「はーい」
今度は足音は静かに、神楽が物置へリードを持って小走りで駆けた。
万事屋での穏やかな一幕。
それがたまらなく愛しくて、どうしようもなく幸福な瞬間だと。銀時は柄にもなく思ってしまった。
やっぱりキミがすき#夜勤明け
(ところで俺、小便行きたい時どうしたらいいんだろうな、これ)