やっぱりキミがすき
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「どしたんだ、それ。」
「お登勢さんからお裾分け。たくさん頂いたから、みんなでどうぞ、って」
「ふぅん」
あのババア、俺だけの時はそんなことしなかったのに。
いや、娘のように可愛がられるのはいいことだ。
ザルで水洗いされてキラキラとした水滴か瞬いている、大量のさくらんぼ。
熟した赤い果実は、小腹がすいているせいかいつもより美味しそうに見えた。
「食っていい?」
「駄目だよ、神楽ちゃんや新八くんが定春の散歩から帰ってきてないじゃない」
「一個だけ。」
なっ?とお願いすれば、小さく肩を竦めて苦笑いする名無し。
どうやらお許しが出たらしい。
ひとつ口に含めれば、甘酸っぱい味が口いっぱいに広がる。
ゴリッと歯に当たる種を台所の三角コーナーに吐き出せば、あとは果肉を味わうだけだ。
「名無しも食えよ。共犯だ、共犯。うめェぞ」
「じゃあ、ひとつだけ。」
小ぶりな果実をひとつ手に取り、もごりと口に含む。
薄赤の唇に赤い果実って、なんかエロい。
もごもごと咀嚼すれば名無しの頬も自然と綻ぶ。
そういえば昔、寺子屋の近くの川沿いに生えていたイチジクをもいで、美味そうに食べていたのを思い出した。
薬草を取りに行った時は野いちごや筍も持って帰ってきていた。…そう考えたら意外と野生児してんな、コイツ。
「そういえば、」
「ん?」
もごもごと口を動かしながら名無しが顔を上げる。小さく首を傾げる様も可愛い。
「さくらんぼの茎、口の中で結べるか?」
ニヤリと笑って指で摘んでいた茎を見せびらかす。
そういう世辞には疎い彼女のことだ、恐らく意味は知らないだろう。
「んー…したことないや」
手のひらに種を吐き出しながら名無しが答える。
まぁそうだろうな。
「意外と難しいぞ。やってみるか?」
「うん。」
口の中に茎を放り込み、顎をもごもごさせる。
不思議そうな顔で最初はしていたのに、徐々に難しい顔に変わっていく。
まぁ難しいだろうな。そうだろうよ。
五分程口の中で頑張ってみるが、どうにもならなかったらしい。
ぺっ、と彼女が吐き出した茎は多少頑張った跡はあるものの、ほぼ真っ直ぐだった。
「難しいよ…。本当に出来るの?」
「見せてやろうか?」
持っていた茎を口に含み、俺もゆっくりと口を動かす。正しくは舌だが。
一分もしないうちに結べた完成品を口から出すと、それは我ながら完璧な出来の結び目が出来ていた。
「わ、凄い!」
「だろ?」
意味も知らずに純粋に感動する名無し。
さくらんぼよりも赤い目をキラキラさせながら、マジマジと俺の手のひらの上に転がる茎を眺める。
「これ面白い遊びだね」
「やっぱ意味を知らねぇか」
純粋に遊びだと思っている名無しは茎と俺の顔を見比べた。まぁそうだろうな、とは思ったけど。
「どういうこと?」
「こういうこと。」
引き寄せて、頬に手を添える。
不意に深く口付ければ驚いたように大きく見開かれる真紅の双眸。あぁ、やっぱ綺麗だな。
舌を差し込んで口の中を弄べば、僅かにくぐもった声と、口の端から零れる甘い声。
逃げ惑う舌の感触や柔らかい口内を味わえば、ふるりと小さく震える身体がたまらなく愛しく思えた。
深く深く味わえば、先程食べたさくらんぼの味がした。甘酸っぺぇ。
抗議するように軽く叩かれる胸板。
渋々と唇を離せば、トロリととけた目元と濡れた唇の名無しが真っ赤な顔で見上げてくる。
…あー、このあと新八達が帰って来ないなら、絶対に名無しを食べていたのに。残念だ。
「い、いきなり、なに、」
「茎が結べたらキスが上手いんだってよ」
どうだった?
いたずらっぽく笑えば、真っ赤だった名無しの顔が更に紅潮した。そういう顔はズルいだろ。
「まぁ、聞くまでもねぇか」
キスだけで完全に腰が抜けたらしい、俺が支えていないと床へへたり込んでしまっているだろう。
しがみついてくる小さな手が、もうすっげェ可愛い。可愛いって言葉しか出てこなくなるくらい可愛い。
「ば、バカ。」
「ってことは名無しはキス下手なのか」
「もう!」
ぷりぷりと怒って身体を離そうとするも、腰を俺が引き寄せているから無理だ。
新八と神楽が帰ってきたらイチャイチャ出来ないんだ、これくらいは許してもらわねぇとな。
「まぁいいじゃねぇか。俺が上手いんだから。それとも、実践で練習するか?」
ニヤリと顔を覗き込むように笑えば、恥ずかしそうに逸らされる視線。
どうやら意味は理解出来たらしい。
「…………ばか。」
耳まで真っ赤にした名無しが小さく呟いたのを聞いて、あぁもう今夜絶対に襲ってやる、と心に誓う銀時だった。
やっぱりキミがすき#さくらんぼ
「名無し!さくらんぼの茎が結べたらキスが上手いらしいアルよ!」
「ぶっ!」
「名無しさん!?神楽ちゃん、ちょっと。それ誰から聞いたの」
「そよちゃん。」
「オイオイ、最近の将軍家進んでンな…。
……で?名無しは出来んのか?」
「ゲホッ…銀時、少し黙ろうか」
「お登勢さんからお裾分け。たくさん頂いたから、みんなでどうぞ、って」
「ふぅん」
あのババア、俺だけの時はそんなことしなかったのに。
いや、娘のように可愛がられるのはいいことだ。
ザルで水洗いされてキラキラとした水滴か瞬いている、大量のさくらんぼ。
熟した赤い果実は、小腹がすいているせいかいつもより美味しそうに見えた。
「食っていい?」
「駄目だよ、神楽ちゃんや新八くんが定春の散歩から帰ってきてないじゃない」
「一個だけ。」
なっ?とお願いすれば、小さく肩を竦めて苦笑いする名無し。
どうやらお許しが出たらしい。
ひとつ口に含めれば、甘酸っぱい味が口いっぱいに広がる。
ゴリッと歯に当たる種を台所の三角コーナーに吐き出せば、あとは果肉を味わうだけだ。
「名無しも食えよ。共犯だ、共犯。うめェぞ」
「じゃあ、ひとつだけ。」
小ぶりな果実をひとつ手に取り、もごりと口に含む。
薄赤の唇に赤い果実って、なんかエロい。
もごもごと咀嚼すれば名無しの頬も自然と綻ぶ。
そういえば昔、寺子屋の近くの川沿いに生えていたイチジクをもいで、美味そうに食べていたのを思い出した。
薬草を取りに行った時は野いちごや筍も持って帰ってきていた。…そう考えたら意外と野生児してんな、コイツ。
「そういえば、」
「ん?」
もごもごと口を動かしながら名無しが顔を上げる。小さく首を傾げる様も可愛い。
「さくらんぼの茎、口の中で結べるか?」
ニヤリと笑って指で摘んでいた茎を見せびらかす。
そういう世辞には疎い彼女のことだ、恐らく意味は知らないだろう。
「んー…したことないや」
手のひらに種を吐き出しながら名無しが答える。
まぁそうだろうな。
「意外と難しいぞ。やってみるか?」
「うん。」
口の中に茎を放り込み、顎をもごもごさせる。
不思議そうな顔で最初はしていたのに、徐々に難しい顔に変わっていく。
まぁ難しいだろうな。そうだろうよ。
五分程口の中で頑張ってみるが、どうにもならなかったらしい。
ぺっ、と彼女が吐き出した茎は多少頑張った跡はあるものの、ほぼ真っ直ぐだった。
「難しいよ…。本当に出来るの?」
「見せてやろうか?」
持っていた茎を口に含み、俺もゆっくりと口を動かす。正しくは舌だが。
一分もしないうちに結べた完成品を口から出すと、それは我ながら完璧な出来の結び目が出来ていた。
「わ、凄い!」
「だろ?」
意味も知らずに純粋に感動する名無し。
さくらんぼよりも赤い目をキラキラさせながら、マジマジと俺の手のひらの上に転がる茎を眺める。
「これ面白い遊びだね」
「やっぱ意味を知らねぇか」
純粋に遊びだと思っている名無しは茎と俺の顔を見比べた。まぁそうだろうな、とは思ったけど。
「どういうこと?」
「こういうこと。」
引き寄せて、頬に手を添える。
不意に深く口付ければ驚いたように大きく見開かれる真紅の双眸。あぁ、やっぱ綺麗だな。
舌を差し込んで口の中を弄べば、僅かにくぐもった声と、口の端から零れる甘い声。
逃げ惑う舌の感触や柔らかい口内を味わえば、ふるりと小さく震える身体がたまらなく愛しく思えた。
深く深く味わえば、先程食べたさくらんぼの味がした。甘酸っぺぇ。
抗議するように軽く叩かれる胸板。
渋々と唇を離せば、トロリととけた目元と濡れた唇の名無しが真っ赤な顔で見上げてくる。
…あー、このあと新八達が帰って来ないなら、絶対に名無しを食べていたのに。残念だ。
「い、いきなり、なに、」
「茎が結べたらキスが上手いんだってよ」
どうだった?
いたずらっぽく笑えば、真っ赤だった名無しの顔が更に紅潮した。そういう顔はズルいだろ。
「まぁ、聞くまでもねぇか」
キスだけで完全に腰が抜けたらしい、俺が支えていないと床へへたり込んでしまっているだろう。
しがみついてくる小さな手が、もうすっげェ可愛い。可愛いって言葉しか出てこなくなるくらい可愛い。
「ば、バカ。」
「ってことは名無しはキス下手なのか」
「もう!」
ぷりぷりと怒って身体を離そうとするも、腰を俺が引き寄せているから無理だ。
新八と神楽が帰ってきたらイチャイチャ出来ないんだ、これくらいは許してもらわねぇとな。
「まぁいいじゃねぇか。俺が上手いんだから。それとも、実践で練習するか?」
ニヤリと顔を覗き込むように笑えば、恥ずかしそうに逸らされる視線。
どうやら意味は理解出来たらしい。
「…………ばか。」
耳まで真っ赤にした名無しが小さく呟いたのを聞いて、あぁもう今夜絶対に襲ってやる、と心に誓う銀時だった。
やっぱりキミがすき#さくらんぼ
「名無し!さくらんぼの茎が結べたらキスが上手いらしいアルよ!」
「ぶっ!」
「名無しさん!?神楽ちゃん、ちょっと。それ誰から聞いたの」
「そよちゃん。」
「オイオイ、最近の将軍家進んでンな…。
……で?名無しは出来んのか?」
「ゲホッ…銀時、少し黙ろうか」