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「浦原さん、すみません。仕事入ったので義骸預かってもらっていいですか!?」
外から聞こえてくるのは、生徒達の軽やかな喧騒。
まったりとした昼休みの終了まで、残り10分を切ったところだった。
慌ただしく保健室に駆け込んできた名無しの片手には伝令神機が握られている。
十中八九、仕事だろう。
「はいはい。いってらっしゃいっス〜」
「いってきます!」
悟魂手甲を使ってセルフで義骸を抜け出せば、糸が切れたように倒れ込む仮の肉体と、そこから抜け出すようにふわりと死覇装の裾が宙を舞う。
手馴れた様子で義骸を受け止めると、浦原は窓から飛び出た彼女の背中に向けてヒラヒラと手を軽く振った。
保健医先生と女子高生ちゃん
「ただいま帰りました」
名無しが虚の討伐に出かけてから30分が経過した頃、出て行った時と同じ窓から彼女は帰ってきた。
「おかえりなさいっス。お怪我はないっスか?」
「全然。バッチリですよ」
ベッドに寝かせていた義骸に手馴れた様子で入っていく名無し。
彼女の魂魄が入ると、文字通り死んだように眠っていた義骸がムクリと起き上がった。
「授業戻るんっスか?」
「…いえ、途中で聞いてもチンプンカンプンなのでやめておきます」
そういえば彼女のクラスは数学の授業だったか。
あまり得意でない科目だからか、気乗りしない様子に思わず苦笑いが零れる。
そういうところは年相応・といったところだろう。
「分からないところあったら教えて差し上げますよぉ」
「浦原さん、先生みたいですね」
ベッドに腰掛けたままクスクスと笑う名無し。
スカートの裾から伸びる生白い脚とハイソックスの黒が酷く眩しい。
どうしてこうも女子高生の御御足は素晴らしいのか、謎すぎる。イイものはイイのだが。
「『先生みたい』じゃなくて、今は先生じゃないっスかぁ。ほら、ネクタイだってしてますよぉ」
「保健室の先生ですし、ネクタイだってゆるゆるじゃないですか。ほら、ちゃんと締めてください」
ベッドからひらりと飛び降りて、名無しがボクの前に立つ。
白い指がネクタイを捉えて、お世辞にも手馴れた手つきとは言えないがキチンと真っ直ぐ・そしてキッチリと上まで締められた。
少し窮屈な感じはするが、彼女が締めてくれたのだからこれはこれで悪くない。
「名無しサン、新妻みたいっスね」
「浦原『先生』。それは生徒に対してセクハラなのでは?」
先程のやり取りから、少しだけ嫌味っぽく強調する名無し。
いや、そんなことはどうでもいい。
今、彼女は女子高生の格好で、ボクのことを『先生』と呼んだ。
感無量という言葉では表せない程に、何とも言い難い感情がじわじわと湧いてくる。
まぁ、端的に言えば邪な感情だ。
「名無しサン、もう一回。」
「何がです?」
「先生、って呼んで欲しいんっスけど」
「?……浦原先生。」
不思議そうに小さく首を傾げながら呼ぶ姿は、可愛いの一言に尽きる。
あぁ、仕事もあるけれど本当に先生として高校に潜入して大正解だ。
これだけで十分価値がある。
生徒と先生って、最高。
感極まって目の前に立つ名無しを思い切り抱きしめれば「う、わっ!」と驚いたように声を上げる彼女。
細い腰。小さな背中。
腹部に顔を埋めれば、家で使っている洗濯洗剤の匂いと彼女の匂いが混じり合って、一種の完成された香のようだった。
「その格好で『先生』はズルいっスよ、可愛すぎる」
「ちょ、ちょっと、浦原さん。ここは学校ですよ!」
「『先生』っスよ」
ほら。
呼び方がいつも通りに戻った彼女に催促すれば、先程とは打って変わって少し不服そうに「…浦原先生、離してください」と名無しは口を開いた。
これにもえずに、何にもえるというのか。
『萌える』か『燃える』かは、さておき。
「嫌っス。」
「は、はぁ!?」
「第一、何っスかコレ。スカートの裾が短すぎるんっスよ」
「制服がこうなんだから仕方がないじゃないですか!」
知っている。
どうしてだか知らないがここの制服のスカートは元々が結構短い。
男としては眼福だが、生真面目な名無しは以前『…やっぱり裾短くないですか?これ。』と不満を漏らしていた。
「なんというか、エッチっスね」
「先生にあるまじき発言ですよ、それ。」
「だから生徒指導が必要かな・と思いまして」
片手で名無しの腰に腕を回したまま、利き手でするりと太股を撫でる。
その感触が擽ったいのか「ひ、えっ」と何とも愛らしい上擦った声が降ってきた。
椅子に座ったままのボクと、目の前で立っているというのに腰を掴まれていて逃げ出せない名無し。
真っ赤な顔で上から見下ろされるのも、たまには悪くない。
「ちょ、ちょっと!どこに手を入れて、」
「いやぁ、あまりにもエッチなので指導しようかと」
「全校女子生徒にそんなセクハラ働くつもりですか!?」
ギャンギャンと子犬のように抗議する名無しに対して、失礼かもしれないが思わず笑ってしまった。
全校女子生徒に、って。
一体彼女はボクをなんだと思っているのやら。
「いやいや。名無しサンがこの制服着てるのがエッチなんですって。他の女の子に対しては何とも思いませんよぉ、安心してくださいっス。」
「安心できないし。そんなフォローは欲しくなかった!う、あっ、ちょ…ちょっと!!」
太腿の内側を撫で上げれば、先程よりも驚いたように声を上げる彼女。
柔らかく滑らかな太腿は魅惑的の一言に尽きる。
そもそもスカートの中に手を入れるというこの光景が既にヤバい。
背徳感は最高のスパイスとは言うが、その事に気がついた最初の人類は天才だろう。きっと。
「名無しサンどうしましょ。すっごくムラムラしてきたんっスけど。」
「いやいや、私は身の危険を感じてそれどころじゃないんですってば!どうして私に訊くんですか!?」
身を捩って逃げ出そうとしても無駄だ。
残念ながら彼女とボクでは、腕力に関しては天と地の差がある。
どうしてって言われても。
(だって浦原先生、なんて。そんな風に呼ばれて欲情するな・って言うのが無理な話っスよ)
そんなことを口にした途端、金輪際『先生』と呼んでくれなくなるだろう。
紅潮させた頬を見せないように、手の甲で顔を隠す名無しをボクは無遠慮に見上げた。
お得意の曖昧な、はぐらかすような笑顔で。
「内緒っス。」
意地悪な保健医と憐れな女子高生がどうなったかは、本人達のみぞ知る。
外から聞こえてくるのは、生徒達の軽やかな喧騒。
まったりとした昼休みの終了まで、残り10分を切ったところだった。
慌ただしく保健室に駆け込んできた名無しの片手には伝令神機が握られている。
十中八九、仕事だろう。
「はいはい。いってらっしゃいっス〜」
「いってきます!」
悟魂手甲を使ってセルフで義骸を抜け出せば、糸が切れたように倒れ込む仮の肉体と、そこから抜け出すようにふわりと死覇装の裾が宙を舞う。
手馴れた様子で義骸を受け止めると、浦原は窓から飛び出た彼女の背中に向けてヒラヒラと手を軽く振った。
保健医先生と女子高生ちゃん
「ただいま帰りました」
名無しが虚の討伐に出かけてから30分が経過した頃、出て行った時と同じ窓から彼女は帰ってきた。
「おかえりなさいっス。お怪我はないっスか?」
「全然。バッチリですよ」
ベッドに寝かせていた義骸に手馴れた様子で入っていく名無し。
彼女の魂魄が入ると、文字通り死んだように眠っていた義骸がムクリと起き上がった。
「授業戻るんっスか?」
「…いえ、途中で聞いてもチンプンカンプンなのでやめておきます」
そういえば彼女のクラスは数学の授業だったか。
あまり得意でない科目だからか、気乗りしない様子に思わず苦笑いが零れる。
そういうところは年相応・といったところだろう。
「分からないところあったら教えて差し上げますよぉ」
「浦原さん、先生みたいですね」
ベッドに腰掛けたままクスクスと笑う名無し。
スカートの裾から伸びる生白い脚とハイソックスの黒が酷く眩しい。
どうしてこうも女子高生の御御足は素晴らしいのか、謎すぎる。イイものはイイのだが。
「『先生みたい』じゃなくて、今は先生じゃないっスかぁ。ほら、ネクタイだってしてますよぉ」
「保健室の先生ですし、ネクタイだってゆるゆるじゃないですか。ほら、ちゃんと締めてください」
ベッドからひらりと飛び降りて、名無しがボクの前に立つ。
白い指がネクタイを捉えて、お世辞にも手馴れた手つきとは言えないがキチンと真っ直ぐ・そしてキッチリと上まで締められた。
少し窮屈な感じはするが、彼女が締めてくれたのだからこれはこれで悪くない。
「名無しサン、新妻みたいっスね」
「浦原『先生』。それは生徒に対してセクハラなのでは?」
先程のやり取りから、少しだけ嫌味っぽく強調する名無し。
いや、そんなことはどうでもいい。
今、彼女は女子高生の格好で、ボクのことを『先生』と呼んだ。
感無量という言葉では表せない程に、何とも言い難い感情がじわじわと湧いてくる。
まぁ、端的に言えば邪な感情だ。
「名無しサン、もう一回。」
「何がです?」
「先生、って呼んで欲しいんっスけど」
「?……浦原先生。」
不思議そうに小さく首を傾げながら呼ぶ姿は、可愛いの一言に尽きる。
あぁ、仕事もあるけれど本当に先生として高校に潜入して大正解だ。
これだけで十分価値がある。
生徒と先生って、最高。
感極まって目の前に立つ名無しを思い切り抱きしめれば「う、わっ!」と驚いたように声を上げる彼女。
細い腰。小さな背中。
腹部に顔を埋めれば、家で使っている洗濯洗剤の匂いと彼女の匂いが混じり合って、一種の完成された香のようだった。
「その格好で『先生』はズルいっスよ、可愛すぎる」
「ちょ、ちょっと、浦原さん。ここは学校ですよ!」
「『先生』っスよ」
ほら。
呼び方がいつも通りに戻った彼女に催促すれば、先程とは打って変わって少し不服そうに「…浦原先生、離してください」と名無しは口を開いた。
これにもえずに、何にもえるというのか。
『萌える』か『燃える』かは、さておき。
「嫌っス。」
「は、はぁ!?」
「第一、何っスかコレ。スカートの裾が短すぎるんっスよ」
「制服がこうなんだから仕方がないじゃないですか!」
知っている。
どうしてだか知らないがここの制服のスカートは元々が結構短い。
男としては眼福だが、生真面目な名無しは以前『…やっぱり裾短くないですか?これ。』と不満を漏らしていた。
「なんというか、エッチっスね」
「先生にあるまじき発言ですよ、それ。」
「だから生徒指導が必要かな・と思いまして」
片手で名無しの腰に腕を回したまま、利き手でするりと太股を撫でる。
その感触が擽ったいのか「ひ、えっ」と何とも愛らしい上擦った声が降ってきた。
椅子に座ったままのボクと、目の前で立っているというのに腰を掴まれていて逃げ出せない名無し。
真っ赤な顔で上から見下ろされるのも、たまには悪くない。
「ちょ、ちょっと!どこに手を入れて、」
「いやぁ、あまりにもエッチなので指導しようかと」
「全校女子生徒にそんなセクハラ働くつもりですか!?」
ギャンギャンと子犬のように抗議する名無しに対して、失礼かもしれないが思わず笑ってしまった。
全校女子生徒に、って。
一体彼女はボクをなんだと思っているのやら。
「いやいや。名無しサンがこの制服着てるのがエッチなんですって。他の女の子に対しては何とも思いませんよぉ、安心してくださいっス。」
「安心できないし。そんなフォローは欲しくなかった!う、あっ、ちょ…ちょっと!!」
太腿の内側を撫で上げれば、先程よりも驚いたように声を上げる彼女。
柔らかく滑らかな太腿は魅惑的の一言に尽きる。
そもそもスカートの中に手を入れるというこの光景が既にヤバい。
背徳感は最高のスパイスとは言うが、その事に気がついた最初の人類は天才だろう。きっと。
「名無しサンどうしましょ。すっごくムラムラしてきたんっスけど。」
「いやいや、私は身の危険を感じてそれどころじゃないんですってば!どうして私に訊くんですか!?」
身を捩って逃げ出そうとしても無駄だ。
残念ながら彼女とボクでは、腕力に関しては天と地の差がある。
どうしてって言われても。
(だって浦原先生、なんて。そんな風に呼ばれて欲情するな・って言うのが無理な話っスよ)
そんなことを口にした途端、金輪際『先生』と呼んでくれなくなるだろう。
紅潮させた頬を見せないように、手の甲で顔を隠す名無しをボクは無遠慮に見上げた。
お得意の曖昧な、はぐらかすような笑顔で。
「内緒っス。」
意地悪な保健医と憐れな女子高生がどうなったかは、本人達のみぞ知る。