for promise//short story
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「はー、寒いねぇ。みかん食べる?」
名無しがコタツに入って独り言を喋っている。
その姿を見て、浦原は首を小さく傾げた。
鉄裁をはじめ雨とジン太も、よく遊びに来る夜一の霊圧すら感じない。
あるのは、名無しの霊圧がふたつ。
…ん?二つ?
『貰おう』
コタツからニュっと顔を出したのは、銀色の狼。
「名無しサン、」
「あ、浦原さん。鉄裁さん達なら近くの公園で雪だるま作りに外へ行きましたよ」
「あ、そうっスか。って、そうじゃなくて」
「どしたんっスか、その………犬?」
『狼だ。相変わらず失礼な男だ』
そう言って隻眼の狼は不機嫌そうにそっぽを向いた。
卍解のススメ
「はぁ、具現化」
「始解出来てから霊力が跳ね上がっちゃったじゃないですか。それが有り余っちゃって。
ほら、虚の出現も前よりは落ち着いたじゃないですか。ぱーっと発散することが出来なくてですね」
『垂れ流しになっている霊力を斬魄刀に貯蓄し、しきれなくなれば時々こうして姿を現して霊力の放出をしている』
元・一ツ目、現・天狼がそう答える。
なるほど、理屈は分かった。
「斬魄刀を具現化出来たら、卍解取得までもう一歩っスよ」
「そうなんですか?」
『そうだな』
「え、何それ。卍解、教えてよ天狼」
『教えぬ』
「斬魄刀を屈服させることっスよ」
「屈服。」
『貴様、なぜ教えた』
忌々しそうに唸る天狼。
彼のことだ、力をつければ名無しが危ない目に遭うことを憂慮しているのだろう。
しかし名無しは力をつけることに恐れを抱いていない。
使うことも、迷いはない。
それは一見危険なようにも見えるが、彼女の行動には芯が通っている。
無闇に力を振るうことがない故に、浦原は力をつけていく彼女に対し特に心配をしていなかった。
が、
「屈服かぁ。屈服って、ほら。主人と主従みたいなもの決めるってことですよね?」
「まぁそうっス」
「天狼とは対等ですし。なんか…ねぇ。ちょっとそう言われると、躊躇しますね」
『同感だ』
彼女らしい理由だ。
まぁ、いずれ卍解を覚えるだろう。その時までのんびりしても悪くないか、と浦原は思った。
「なんか斬魄刀っていうか、双子って感じよね」
『そうだな』
「双子の弟みたいな!」『双子の妹だな』
「『………』」
意見が、見事に割れた。
「屈服した方が弟ってことでどう?」
『そうか、そんなに妹になりたいのか』
その後、地下勉強部屋に斬魄刀を持って篭もり、後日見事な卍解を覚えた名無しがいた。
勝負の結果は、推して知るべし。
名無しがコタツに入って独り言を喋っている。
その姿を見て、浦原は首を小さく傾げた。
鉄裁をはじめ雨とジン太も、よく遊びに来る夜一の霊圧すら感じない。
あるのは、名無しの霊圧がふたつ。
…ん?二つ?
『貰おう』
コタツからニュっと顔を出したのは、銀色の狼。
「名無しサン、」
「あ、浦原さん。鉄裁さん達なら近くの公園で雪だるま作りに外へ行きましたよ」
「あ、そうっスか。って、そうじゃなくて」
「どしたんっスか、その………犬?」
『狼だ。相変わらず失礼な男だ』
そう言って隻眼の狼は不機嫌そうにそっぽを向いた。
卍解のススメ
「はぁ、具現化」
「始解出来てから霊力が跳ね上がっちゃったじゃないですか。それが有り余っちゃって。
ほら、虚の出現も前よりは落ち着いたじゃないですか。ぱーっと発散することが出来なくてですね」
『垂れ流しになっている霊力を斬魄刀に貯蓄し、しきれなくなれば時々こうして姿を現して霊力の放出をしている』
元・一ツ目、現・天狼がそう答える。
なるほど、理屈は分かった。
「斬魄刀を具現化出来たら、卍解取得までもう一歩っスよ」
「そうなんですか?」
『そうだな』
「え、何それ。卍解、教えてよ天狼」
『教えぬ』
「斬魄刀を屈服させることっスよ」
「屈服。」
『貴様、なぜ教えた』
忌々しそうに唸る天狼。
彼のことだ、力をつければ名無しが危ない目に遭うことを憂慮しているのだろう。
しかし名無しは力をつけることに恐れを抱いていない。
使うことも、迷いはない。
それは一見危険なようにも見えるが、彼女の行動には芯が通っている。
無闇に力を振るうことがない故に、浦原は力をつけていく彼女に対し特に心配をしていなかった。
が、
「屈服かぁ。屈服って、ほら。主人と主従みたいなもの決めるってことですよね?」
「まぁそうっス」
「天狼とは対等ですし。なんか…ねぇ。ちょっとそう言われると、躊躇しますね」
『同感だ』
彼女らしい理由だ。
まぁ、いずれ卍解を覚えるだろう。その時までのんびりしても悪くないか、と浦原は思った。
「なんか斬魄刀っていうか、双子って感じよね」
『そうだな』
「双子の弟みたいな!」『双子の妹だな』
「『………』」
意見が、見事に割れた。
「屈服した方が弟ってことでどう?」
『そうか、そんなに妹になりたいのか』
その後、地下勉強部屋に斬魄刀を持って篭もり、後日見事な卍解を覚えた名無しがいた。
勝負の結果は、推して知るべし。