for promise
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「あー、本日から『留学していた』浦原がクラスに戻ってきた。皆、改めてよろしく頼むぞー」
「半年ぶりですが、よろしくお願いします。」
ぺこりと頭を下げ、ゆっくりと顔を上げる。
『人間』だった頃の彼女の結末を知る四人の顔は、それはもう見ものだった。
for promise#07
「名無しちゃん、無事でよかったぁぁ」
人目も憚らずわんわん泣く織姫をあやす様に、背中をトントン擦る名無し。
思っていた以上に心配させてしまっていたようだった。
「名無し、お前。その、なんだ。…死んだって、聞いてたけど」
言いにくそうに一護が問えば「うん。そうそう、死んだよ」と息を吐くように答える彼女。
あまりにも軽い返事に、一護は目眩がした。
「…名無しさん、霊絡が赤く、」
「さすが石田くん。そうでーす、死神になりました〜」
あっけらかんと笑いながらカミングアウトする名無し。
まぁ隠したって仕方がない。
いずれはルキア達から聞く可能性だってあるのだから。
「死神になった、って。いや、何軽く言ってんだよ。お前死んだんだろ?何かもっと、こう、」
「深刻そうに言ったって仕方がないかなぁ、って思って。
ほらほら。諸悪の根源も一護くん達が頑張ったお陰でいなくなったし、結果オーライよ」
「だからと言って、」
死んだことには変わりはない。
そう言いたげに口篭り、視線を一巡させる彼。
そんな優しいところが黒崎一護のいいところでもあり、無闇矢鱈に責任を感じてしまうところが彼の悪い癖だ。
「そんな深刻そうな顔をしないで。今の現状に私は満足してるんだから」
拳で軽くトン・と一護の胸板を叩けば「まぁ、そうならいいんだ」と彼は小さく肩を竦めた。
「前向きだな」
「それが私のいいところだもの」
綻ぶように笑う茶渡に対して、満面の笑みで答える名無し。
この面子の中で一番彼女と手合わせしてきた彼は、その本質をよく知っている。
つまるところ、諦めが悪いのだ。
「織姫ちゃん、目が真っ赤」
「だってぇ…」
「氷、貰ってこよう。タツキちゃんに心配されちゃうし。」
近くの保健室まで織姫の手を引いて、引き戸の扉を開ける名無し。
あまり保健室に世話になったことはないが、保険医は誰だったか。
「すみません、氷頂きたいんですけ、」
ど。
言い終わる前にピシャッ!と扉を閉める名無し。
ニュートラルだった彼女の表情は、まるで『なんか変なもの見た』と言わんばかりの表情になっている。
「どうしたんだよ、名無し。」
「いや、ちょっと、」
「?、氷を貰うだけだろう。何をしてるんだい?」
首を傾げて石田がガラリと引き戸を開ける。
メガネのレンズ越しに『彼』を見た瞬間、やはり同じように扉を勢いよく閉めた。
「…知っていたのかい?」
「知っていたら保健室行こうだなんて言わないよ。」
「それもそうだね」
「オイ!氷貰うだけだろ。何してんだよ、ったく…」
一護が呆れながら保健室のドアを開けた瞬間だった。
「さっきから開けたり閉めたり酷いっスよぉ〜。」
今度はドアを閉めさせるか!と言わんばかりに扉を掴まれた。
その妨害工作に見舞われなければ、恐らく一護も元気よく扉を閉めたことだろう。
「う、浦原さん!?なんでアンタ、ここにいるんだよ!?」
ご尤もな一護のツッコミが、生徒で賑わう廊下に響き渡った。
***
「ストーカーじゃないですか。」
「やだなぁ、ストーカーだなんて。
ボクだってぇ、名無しサンと学園ラブコメがしたくってわざわざ保険医になっていうのに」
一体どういう手を使って・とは聞かなかった。聞かない方がいいだろう。
こういう男なのだ、浦原喜助は。
「で、何のお仕事ですか。」
「まぁ、調査っスよ。重霊地の」
秘密主義が最高潮だった頃の彼なら決して口を割らなかっただろう。
秘密にすることの程でもないと思ったのか、はたまた秘密にするのは義に反すると思ったのか。
案外あっさりと教えてくれた。
「でも、なんで保険医なんだよ」
念の為、とついてきた一護が呆れたように口を開く。
当の浦原はというと「似合うでしょ〜」と言いながら白衣をつまんでいる。
「言ったじゃないっスかぁ。名無しサンと学園ラブコメしたいって。半分は仕事っスけど、半分は本音っスからぁ」
「…どうしよう、黒崎くん。頭が痛くなってきた」
「あー。俺もだよ。」
そんな高校生二人を見て、至極楽しそうに「ベッドの空きならあるっスよ」と浦原は笑った。
「半年ぶりですが、よろしくお願いします。」
ぺこりと頭を下げ、ゆっくりと顔を上げる。
『人間』だった頃の彼女の結末を知る四人の顔は、それはもう見ものだった。
for promise#07
「名無しちゃん、無事でよかったぁぁ」
人目も憚らずわんわん泣く織姫をあやす様に、背中をトントン擦る名無し。
思っていた以上に心配させてしまっていたようだった。
「名無し、お前。その、なんだ。…死んだって、聞いてたけど」
言いにくそうに一護が問えば「うん。そうそう、死んだよ」と息を吐くように答える彼女。
あまりにも軽い返事に、一護は目眩がした。
「…名無しさん、霊絡が赤く、」
「さすが石田くん。そうでーす、死神になりました〜」
あっけらかんと笑いながらカミングアウトする名無し。
まぁ隠したって仕方がない。
いずれはルキア達から聞く可能性だってあるのだから。
「死神になった、って。いや、何軽く言ってんだよ。お前死んだんだろ?何かもっと、こう、」
「深刻そうに言ったって仕方がないかなぁ、って思って。
ほらほら。諸悪の根源も一護くん達が頑張ったお陰でいなくなったし、結果オーライよ」
「だからと言って、」
死んだことには変わりはない。
そう言いたげに口篭り、視線を一巡させる彼。
そんな優しいところが黒崎一護のいいところでもあり、無闇矢鱈に責任を感じてしまうところが彼の悪い癖だ。
「そんな深刻そうな顔をしないで。今の現状に私は満足してるんだから」
拳で軽くトン・と一護の胸板を叩けば「まぁ、そうならいいんだ」と彼は小さく肩を竦めた。
「前向きだな」
「それが私のいいところだもの」
綻ぶように笑う茶渡に対して、満面の笑みで答える名無し。
この面子の中で一番彼女と手合わせしてきた彼は、その本質をよく知っている。
つまるところ、諦めが悪いのだ。
「織姫ちゃん、目が真っ赤」
「だってぇ…」
「氷、貰ってこよう。タツキちゃんに心配されちゃうし。」
近くの保健室まで織姫の手を引いて、引き戸の扉を開ける名無し。
あまり保健室に世話になったことはないが、保険医は誰だったか。
「すみません、氷頂きたいんですけ、」
ど。
言い終わる前にピシャッ!と扉を閉める名無し。
ニュートラルだった彼女の表情は、まるで『なんか変なもの見た』と言わんばかりの表情になっている。
「どうしたんだよ、名無し。」
「いや、ちょっと、」
「?、氷を貰うだけだろう。何をしてるんだい?」
首を傾げて石田がガラリと引き戸を開ける。
メガネのレンズ越しに『彼』を見た瞬間、やはり同じように扉を勢いよく閉めた。
「…知っていたのかい?」
「知っていたら保健室行こうだなんて言わないよ。」
「それもそうだね」
「オイ!氷貰うだけだろ。何してんだよ、ったく…」
一護が呆れながら保健室のドアを開けた瞬間だった。
「さっきから開けたり閉めたり酷いっスよぉ〜。」
今度はドアを閉めさせるか!と言わんばかりに扉を掴まれた。
その妨害工作に見舞われなければ、恐らく一護も元気よく扉を閉めたことだろう。
「う、浦原さん!?なんでアンタ、ここにいるんだよ!?」
ご尤もな一護のツッコミが、生徒で賑わう廊下に響き渡った。
***
「ストーカーじゃないですか。」
「やだなぁ、ストーカーだなんて。
ボクだってぇ、名無しサンと学園ラブコメがしたくってわざわざ保険医になっていうのに」
一体どういう手を使って・とは聞かなかった。聞かない方がいいだろう。
こういう男なのだ、浦原喜助は。
「で、何のお仕事ですか。」
「まぁ、調査っスよ。重霊地の」
秘密主義が最高潮だった頃の彼なら決して口を割らなかっただろう。
秘密にすることの程でもないと思ったのか、はたまた秘密にするのは義に反すると思ったのか。
案外あっさりと教えてくれた。
「でも、なんで保険医なんだよ」
念の為、とついてきた一護が呆れたように口を開く。
当の浦原はというと「似合うでしょ〜」と言いながら白衣をつまんでいる。
「言ったじゃないっスかぁ。名無しサンと学園ラブコメしたいって。半分は仕事っスけど、半分は本音っスからぁ」
「…どうしよう、黒崎くん。頭が痛くなってきた」
「あー。俺もだよ。」
そんな高校生二人を見て、至極楽しそうに「ベッドの空きならあるっスよ」と浦原は笑った。