for promise
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「誕生日にあげるプレゼントォ?」
年末。
浦原商店の大掃除が終わり、今日は十二番隊の大掃除に来ていた。
おやつ時に掃除が完了したのは何よりだ…が、その後は乱菊の思いつきで女性死神協会で忘年会が行われることになった。
年末年始の予定を訊ねられ、軽い相談のつもりでそこにいた面々に訊いてみたのだ。
「おぉ、そうか。浦原の誕生日は大晦日だったか」
「そうそう。で、夜一さんはお正月。」
真っ先に誕生日自体を思い出したのがルキアだ。
去年は夜一も年末年始、浦原商店にいたものだから年越し誕生日会を開いた。
年越し蕎麦ならぬ、まさに年越しケーキ。
今回の年末年始はどうするのか予定を聞いたら『夕四郎が、今年は是非家で一緒に過ごしましょう!としつこいのでな、』と肩を竦めていた。
やれやれ・といった表情だが、弟の頼みは断れないらしい。
姉らしい表情浮かべながら笑う夜一は、やはり姉なのだ・と改めて認識した。
夜一にあげる誕生日プレゼントはもう決まっている。
先日白哉をつかまえて相談したから品質に間違いはない。老舗の高級椿油と櫛だ。
こういう時、夜一と古い知り合いで生活水準か同じくらいの白哉がいて本当に助かる。
そして問題が浦原商店の店主なのだ。
…ん?去年はどうしたのか?
去年は自分で稼いだ金銭がなかったから、誕生日ケーキや食事を作るのをかなり奮発した。
だからプレゼントで頭を悩ませることもなかったのだけれど…
今年は自分で稼いだお金もあるし、何なら入用以外は殆ど手付かずなので予想以上に貯まっていた。嬉しい悲鳴である。
散々お世話になったし、少しでも恩返しに繋がるのなら・と思って考えた結果がこれだ。
肝心の浦原への誕生日プレゼントで頭を抱えてしまった。
「名無しがリボンつけて『私がプレゼント』でエェやろ」
「あはは!それいいですねぇ、」
ビール片手にからかう矢胴丸に、笑いながら同意する乱菊。
「それ夜一さんにも言われたので既出ネタですよ」
「なぁんだ。」
残念。と言いながら熱燗を傾ける乱菊。
何が残念だ。
まともな意見が聞けるかと思ったらこれだよ。
「涅隊長なら…ほら、長い付き合いだし、聞いてみたらどうかな?」
「それ一応聞いてみたけど『キミがあげるものなら実験用サンプルの死骸でも喜ぶヨ』って言われた。」
「……それはただの嫌がらせでは?」
名案を思いついた・と言わんばかりに提案してくる雛森。
が、それは掃除中に話を振った後だった。流石にゴミを渡すわけにはいかない。
というより、七緒の言う通りただの嫌がらせだろう、それは。
「つまり、名無しが選んだものならなんでも喜ぶのだろう?浦原は。」
酒が苦手なのか、ソフトドリンクを飲んでいるルキアが声をあげる。
確かに心の広い彼ならなんでも喜ぶだろう。
だからこそ欲しそうなものを選んであげたい。
「…本人に、聞いてみようかな」
「まぁ浦原なら『名無しサンがいいっス』とか言いかねんがな」
「ははー、ルキアちゃんもそういうこと言っちゃうかー笑えないなー」
***
「名無しサンがいいっスねぇ」
12月29日。
胃が痛くなる程悩んで悩んで、悩んだ末。
本人に尋ねてみれば方々から聞いた回答と同じものが返ってきた。
何となく予想…というか覚悟はしていたが。あぁ頭が痛い。
『ちゃーんとアンタが欲しいって言われたらリボンつけなさいよ〜?』
ベロベロに酔った乱菊が笑いながらそう言っていたが、さて。どうしたものか。
「だって誕生日っスよぉ?」
「いや、まぁ、そうですけど」
浦原の言う通りだ。
彼の望みを叶えてあげたい気持ちも山々なのだが。
「ちょっと、考えて、おきます」
いつもなら『またまたご冗談を』とあしらえるのだが、最近はそうもいかない。
無下に扱うことも、軽い気持ちで笑いとばすこともできず、正直戸惑っていた。
for promise#16
(腹を、括ればいいだけの話なんだけどなぁ)
タイムリミットはあと一日。
年末。
浦原商店の大掃除が終わり、今日は十二番隊の大掃除に来ていた。
おやつ時に掃除が完了したのは何よりだ…が、その後は乱菊の思いつきで女性死神協会で忘年会が行われることになった。
年末年始の予定を訊ねられ、軽い相談のつもりでそこにいた面々に訊いてみたのだ。
「おぉ、そうか。浦原の誕生日は大晦日だったか」
「そうそう。で、夜一さんはお正月。」
真っ先に誕生日自体を思い出したのがルキアだ。
去年は夜一も年末年始、浦原商店にいたものだから年越し誕生日会を開いた。
年越し蕎麦ならぬ、まさに年越しケーキ。
今回の年末年始はどうするのか予定を聞いたら『夕四郎が、今年は是非家で一緒に過ごしましょう!としつこいのでな、』と肩を竦めていた。
やれやれ・といった表情だが、弟の頼みは断れないらしい。
姉らしい表情浮かべながら笑う夜一は、やはり姉なのだ・と改めて認識した。
夜一にあげる誕生日プレゼントはもう決まっている。
先日白哉をつかまえて相談したから品質に間違いはない。老舗の高級椿油と櫛だ。
こういう時、夜一と古い知り合いで生活水準か同じくらいの白哉がいて本当に助かる。
そして問題が浦原商店の店主なのだ。
…ん?去年はどうしたのか?
去年は自分で稼いだ金銭がなかったから、誕生日ケーキや食事を作るのをかなり奮発した。
だからプレゼントで頭を悩ませることもなかったのだけれど…
今年は自分で稼いだお金もあるし、何なら入用以外は殆ど手付かずなので予想以上に貯まっていた。嬉しい悲鳴である。
散々お世話になったし、少しでも恩返しに繋がるのなら・と思って考えた結果がこれだ。
肝心の浦原への誕生日プレゼントで頭を抱えてしまった。
「名無しがリボンつけて『私がプレゼント』でエェやろ」
「あはは!それいいですねぇ、」
ビール片手にからかう矢胴丸に、笑いながら同意する乱菊。
「それ夜一さんにも言われたので既出ネタですよ」
「なぁんだ。」
残念。と言いながら熱燗を傾ける乱菊。
何が残念だ。
まともな意見が聞けるかと思ったらこれだよ。
「涅隊長なら…ほら、長い付き合いだし、聞いてみたらどうかな?」
「それ一応聞いてみたけど『キミがあげるものなら実験用サンプルの死骸でも喜ぶヨ』って言われた。」
「……それはただの嫌がらせでは?」
名案を思いついた・と言わんばかりに提案してくる雛森。
が、それは掃除中に話を振った後だった。流石にゴミを渡すわけにはいかない。
というより、七緒の言う通りただの嫌がらせだろう、それは。
「つまり、名無しが選んだものならなんでも喜ぶのだろう?浦原は。」
酒が苦手なのか、ソフトドリンクを飲んでいるルキアが声をあげる。
確かに心の広い彼ならなんでも喜ぶだろう。
だからこそ欲しそうなものを選んであげたい。
「…本人に、聞いてみようかな」
「まぁ浦原なら『名無しサンがいいっス』とか言いかねんがな」
「ははー、ルキアちゃんもそういうこと言っちゃうかー笑えないなー」
***
「名無しサンがいいっスねぇ」
12月29日。
胃が痛くなる程悩んで悩んで、悩んだ末。
本人に尋ねてみれば方々から聞いた回答と同じものが返ってきた。
何となく予想…というか覚悟はしていたが。あぁ頭が痛い。
『ちゃーんとアンタが欲しいって言われたらリボンつけなさいよ〜?』
ベロベロに酔った乱菊が笑いながらそう言っていたが、さて。どうしたものか。
「だって誕生日っスよぉ?」
「いや、まぁ、そうですけど」
浦原の言う通りだ。
彼の望みを叶えてあげたい気持ちも山々なのだが。
「ちょっと、考えて、おきます」
いつもなら『またまたご冗談を』とあしらえるのだが、最近はそうもいかない。
無下に扱うことも、軽い気持ちで笑いとばすこともできず、正直戸惑っていた。
for promise#16
(腹を、括ればいいだけの話なんだけどなぁ)
タイムリミットはあと一日。