short story
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最近、シャンプーの減りが早い。……気がする。
浦原商店では各々自前のお気に入りのシャンプーを使っている人もいれば、鉄裁が適当に買った万人受けするシャンプーを使っている場合もある。
名無しは前者だ。
なので使う人は限られている…はずなのだが。
(雨ちゃん……は、使う時一言言うタイプだしなぁ)
悶々とした気持ちを抱えたまま、首を小さく捻る。
毎回そんな減る量を逐一チェックしているわけではない。気の所為だろう。
そう言い聞かせながら風呂上がりの牛乳を飲んだあとのコップをくしゃくしゃとスポンジで洗っていた矢先だった。
「あ、名無しサン。ボクも牛乳欲しいっス」
のこのことやってきたのは、風呂上がりの浦原だ。
先程入ったばかりだというのにもう上がったらしい。カラスの行水ではあるまいし、ゆっくり入ればいいものを。
「はいはい。……………?」
当たり前のように後ろから抱きついてくる浦原を振り払う気もなく、淡々と相槌を打つ。
が、僅かな違和感に名無しは傾げていた首を、今度は反対側へ捻った。
すん、と鼻を鳴らせばお気に入りのシャンプーの香り。
それは自分の髪からではなく、背後霊のように後ろから纏わりついている男から匂ったものだった。
生乾きの、柔らかい金糸。
牛乳を手渡す前に大きく鼻呼吸をすれば、それは確信に変わった。
「浦原さん、最近私のシャンプー使ってます?」
「おや。バレちゃいました?」
やっぱり。
無精髭をたくわえた胡散臭い店主は、悪戯が見つかった子供のように無邪気に笑った。
「いやまぁ…別にいいですけど…。いつものじゃダメだったんですか?」
「全然いいんっスけどぉ。ほら、名無しサンと同じ匂いがしたら、瀞霊廷に行っちゃってる時も寂しくないかな〜と思いまして。」
動物のような言い訳に呆れると同時に、ふと思った疑問。
思い浮かんだ時には、既に遅かった。
「…………今は私がいるんだから、別にいらなくないです?」
その言葉はぽろりと口をつき、失言に近い一言は彼の耳にバッチリ届いてしまった。
しまった、と口を押える名無しとは対照的に、綻ぶような笑顔で破顔する浦原。
その後のことは………言うまでもないだろう。
匂い泥棒は今日も笑う
「ウソ。待った。前言撤回です。忘れてください!」
「いやいや、それはつまり匂い放題ってことっスよね?実質名無しサンのバイキングっスよね?」
「どうしてそうなるんですか!」
浦原商店では各々自前のお気に入りのシャンプーを使っている人もいれば、鉄裁が適当に買った万人受けするシャンプーを使っている場合もある。
名無しは前者だ。
なので使う人は限られている…はずなのだが。
(雨ちゃん……は、使う時一言言うタイプだしなぁ)
悶々とした気持ちを抱えたまま、首を小さく捻る。
毎回そんな減る量を逐一チェックしているわけではない。気の所為だろう。
そう言い聞かせながら風呂上がりの牛乳を飲んだあとのコップをくしゃくしゃとスポンジで洗っていた矢先だった。
「あ、名無しサン。ボクも牛乳欲しいっス」
のこのことやってきたのは、風呂上がりの浦原だ。
先程入ったばかりだというのにもう上がったらしい。カラスの行水ではあるまいし、ゆっくり入ればいいものを。
「はいはい。……………?」
当たり前のように後ろから抱きついてくる浦原を振り払う気もなく、淡々と相槌を打つ。
が、僅かな違和感に名無しは傾げていた首を、今度は反対側へ捻った。
すん、と鼻を鳴らせばお気に入りのシャンプーの香り。
それは自分の髪からではなく、背後霊のように後ろから纏わりついている男から匂ったものだった。
生乾きの、柔らかい金糸。
牛乳を手渡す前に大きく鼻呼吸をすれば、それは確信に変わった。
「浦原さん、最近私のシャンプー使ってます?」
「おや。バレちゃいました?」
やっぱり。
無精髭をたくわえた胡散臭い店主は、悪戯が見つかった子供のように無邪気に笑った。
「いやまぁ…別にいいですけど…。いつものじゃダメだったんですか?」
「全然いいんっスけどぉ。ほら、名無しサンと同じ匂いがしたら、瀞霊廷に行っちゃってる時も寂しくないかな〜と思いまして。」
動物のような言い訳に呆れると同時に、ふと思った疑問。
思い浮かんだ時には、既に遅かった。
「…………今は私がいるんだから、別にいらなくないです?」
その言葉はぽろりと口をつき、失言に近い一言は彼の耳にバッチリ届いてしまった。
しまった、と口を押える名無しとは対照的に、綻ぶような笑顔で破顔する浦原。
その後のことは………言うまでもないだろう。
匂い泥棒は今日も笑う
「ウソ。待った。前言撤回です。忘れてください!」
「いやいや、それはつまり匂い放題ってことっスよね?実質名無しサンのバイキングっスよね?」
「どうしてそうなるんですか!」