夏色バケーション!
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「ロッジに泊まるなんて初めてです。」
ワクワクした表情を浮かべながら名無しが荷造りをする。
(一応)金槌ではなくなったから憂慮する事案がなくなったせいだろう。年相応に胸を躍らせる少女の姿がそこにあった。
「名無しサン、荷物の最終チェック終わりましたかぁ?」
「バッチリです。あとは早く寝て、早く起きるだけです。」
機嫌のいい笑顔を浮かべながら名無しがハキハキ答える。
「そいつは何より」と浦原が笑いながら、氷が溶けかけた麦茶をぐっと呷った。
「じゃ、ボクも荷物チェックしてから寝るとしましょうかねぇ」
「分かりました。じゃあ、お先に」
「はいはい、おやすみなさい〜」
「はい。おやすみなさい、浦原さん。」
軽い足取りで二階の自室へ上がる音は、どこか弾んでいるようだった。
――ちなみに、居間に残ったこの男の心も弾んでいた。
(ほら、一着目の水着は見ましたし)
名無しの荷物をそっと開け、悪い顔で浦原はこっそりほくそ笑んだ。
HELLO SUMMER!
「海だ〜!」
はしゃぐ織姫。
彼女じゃなくともこの景色を見れば声も上げたくなる。
スパンコールを撒いたような水面は、光が弾けるように瞬く。
白い砂浜へ打ち寄せる波。
空がとけたような青い海は、波が引いたあと一瞬、菫色に変わる。
ありったけのブルーを浜辺に撒いたような景色は夏の一幕に相応しかった。
「遅かったじゃない、織姫、名無し!」
「待ちくたびれておったぞ!」
すでに水着に着替えた乱菊とルキアがロッジにて迎えてくれる。
引率係の隊長のせいだろう。
聞けば一時間前には現地に到着していたようだ。
勿論男性陣は別部屋だ。
廊下を挟んだ8畳ずつの部屋、二部屋に分けて泊まるらしい。
「ね、早く海に行こうよ!私、服の下にもう水着、着ちゃってるんだ〜」
「あー、私もそうしておけばよかったなぁ。ちょっと待ってね、着替えるから…」
用意周到な織姫に感心しつつ、荷物を下ろしてボストンバッグのファスナーを開く。
意気揚々と着ていた服を脱ぎ出す織姫を後目に、名無しは着替えが入った荷物をまさぐった。
「………………………あれ?」
ごそ。
ゴソゴソッ…
「どうしたの?名無し」
「まさかお主、水着を忘れたのか!?」
「いえ。…あれ?おかしいな……、………あれ!?」
荷物を覗き込んでくる乱菊とルキア。
徐々に顔色が変わってくる名無し。
どうしたものかと水着に着替えた織姫が、ひょこりと顔を出した時だった。
名無しのなんとも言えない声が、女子部屋に虚しく響き渡った。
***
「お、来たか。」
日差しが照りつける、ロッジのエントランス。
俺の両脇にいる隊長二人は対象的な表情をしていた。
日番谷隊長は今にも倒れそうな顔を。
朽木隊長は相変わらず涼しい顔をしていた。
……この人を隊長の枠組みに入れるべきかは微妙だが、浦原さんは酷く上機嫌だった。この人、そんなに海が楽しみだったのか?
「た〜いちょ〜!お待たせしました!」
「遅せぇぞ松本…」
「すみません。いえ、ちょっと色々アクシデントがありまして。」
「アクシデント…?」
相変わらず豊満な胸を揺らしながら乱菊さんが走ってくる。
……ここに檜佐木さんもいたら大喜びだろうに。
そんな彼女の後ろから出てきたのは名無しだ。
…生足だから水着なのは分かるんだが……日焼け防止のパーカーのファスナーをキッチリ閉めていた。
「すみません、ちょっとウチのバカタレに用があるので皆さん海へどうぞお先に向かっていて下さい。」
「やだ。ウチのってなんか凄いお嫁さん感が……アイタタタ!?名無しサン!耳がちぎれます!」
浦原さんがニヤついていたのは、一瞬限り。
にこにこと笑っている名無しに耳を引っ張られながら、ロッジの裏へ連れて…いや、引き摺られて行った。
…………何やらかしたんだ、あの人。
「……なぁ、何やったんだ?浦原さん」
「あれは浦原が悪い。」
「まぁ浦原さんだし。」
ルキアと井上に問えば、呆れ顔と苦笑いで返された。
とりあえず名無しを怒らせたのは、よく分かった。
「えー、似合ってたからいいんじゃない?私はあの格好、可愛いと思うけど」
あっけらかんと笑う乱菊さんに「まぁそうだが…」とルキアは小さく肯定したのだった。
……あー、うん。何となく察したぞ。
ワクワクした表情を浮かべながら名無しが荷造りをする。
(一応)金槌ではなくなったから憂慮する事案がなくなったせいだろう。年相応に胸を躍らせる少女の姿がそこにあった。
「名無しサン、荷物の最終チェック終わりましたかぁ?」
「バッチリです。あとは早く寝て、早く起きるだけです。」
機嫌のいい笑顔を浮かべながら名無しがハキハキ答える。
「そいつは何より」と浦原が笑いながら、氷が溶けかけた麦茶をぐっと呷った。
「じゃ、ボクも荷物チェックしてから寝るとしましょうかねぇ」
「分かりました。じゃあ、お先に」
「はいはい、おやすみなさい〜」
「はい。おやすみなさい、浦原さん。」
軽い足取りで二階の自室へ上がる音は、どこか弾んでいるようだった。
――ちなみに、居間に残ったこの男の心も弾んでいた。
(ほら、一着目の水着は見ましたし)
名無しの荷物をそっと開け、悪い顔で浦原はこっそりほくそ笑んだ。
HELLO SUMMER!
「海だ〜!」
はしゃぐ織姫。
彼女じゃなくともこの景色を見れば声も上げたくなる。
スパンコールを撒いたような水面は、光が弾けるように瞬く。
白い砂浜へ打ち寄せる波。
空がとけたような青い海は、波が引いたあと一瞬、菫色に変わる。
ありったけのブルーを浜辺に撒いたような景色は夏の一幕に相応しかった。
「遅かったじゃない、織姫、名無し!」
「待ちくたびれておったぞ!」
すでに水着に着替えた乱菊とルキアがロッジにて迎えてくれる。
引率係の隊長のせいだろう。
聞けば一時間前には現地に到着していたようだ。
勿論男性陣は別部屋だ。
廊下を挟んだ8畳ずつの部屋、二部屋に分けて泊まるらしい。
「ね、早く海に行こうよ!私、服の下にもう水着、着ちゃってるんだ〜」
「あー、私もそうしておけばよかったなぁ。ちょっと待ってね、着替えるから…」
用意周到な織姫に感心しつつ、荷物を下ろしてボストンバッグのファスナーを開く。
意気揚々と着ていた服を脱ぎ出す織姫を後目に、名無しは着替えが入った荷物をまさぐった。
「………………………あれ?」
ごそ。
ゴソゴソッ…
「どうしたの?名無し」
「まさかお主、水着を忘れたのか!?」
「いえ。…あれ?おかしいな……、………あれ!?」
荷物を覗き込んでくる乱菊とルキア。
徐々に顔色が変わってくる名無し。
どうしたものかと水着に着替えた織姫が、ひょこりと顔を出した時だった。
名無しのなんとも言えない声が、女子部屋に虚しく響き渡った。
***
「お、来たか。」
日差しが照りつける、ロッジのエントランス。
俺の両脇にいる隊長二人は対象的な表情をしていた。
日番谷隊長は今にも倒れそうな顔を。
朽木隊長は相変わらず涼しい顔をしていた。
……この人を隊長の枠組みに入れるべきかは微妙だが、浦原さんは酷く上機嫌だった。この人、そんなに海が楽しみだったのか?
「た〜いちょ〜!お待たせしました!」
「遅せぇぞ松本…」
「すみません。いえ、ちょっと色々アクシデントがありまして。」
「アクシデント…?」
相変わらず豊満な胸を揺らしながら乱菊さんが走ってくる。
……ここに檜佐木さんもいたら大喜びだろうに。
そんな彼女の後ろから出てきたのは名無しだ。
…生足だから水着なのは分かるんだが……日焼け防止のパーカーのファスナーをキッチリ閉めていた。
「すみません、ちょっとウチのバカタレに用があるので皆さん海へどうぞお先に向かっていて下さい。」
「やだ。ウチのってなんか凄いお嫁さん感が……アイタタタ!?名無しサン!耳がちぎれます!」
浦原さんがニヤついていたのは、一瞬限り。
にこにこと笑っている名無しに耳を引っ張られながら、ロッジの裏へ連れて…いや、引き摺られて行った。
…………何やらかしたんだ、あの人。
「……なぁ、何やったんだ?浦原さん」
「あれは浦原が悪い。」
「まぁ浦原さんだし。」
ルキアと井上に問えば、呆れ顔と苦笑いで返された。
とりあえず名無しを怒らせたのは、よく分かった。
「えー、似合ってたからいいんじゃない?私はあの格好、可愛いと思うけど」
あっけらかんと笑う乱菊さんに「まぁそうだが…」とルキアは小さく肯定したのだった。
……あー、うん。何となく察したぞ。