short story
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「名無しサン、一緒に寝ましょ」
「い、嫌、です。」
それは浦原が積年の想いがやっと実を結んだ後、すぐの話。
添い寝と夜と働き者と
風呂に入り、戸締りの確認もして、さぁ後は寝るだけだ…といった時のことだ。
語尾にハートがつきそうな程、ルンルンのウキウキで浦原は誘うが…名無しの首は一向に『うん』と縦に振られることがない。
勿論、付き合い始めて何度か一緒の布団で寝た。
性的な意味もあるし、ただ単に所謂添い寝するだけの時もあった。
本音を言えば……毎日交合いたいが、流石にそれは自重している。浦原も(一応)大人だからだ。
(…ボクの寝相が悪いとか?)
自分の鼾や寝相は自覚しにくいものだ。その可能性は大いにある。
もしくは身体を重ねるのが苦痛なのか。
いや、そうは思いたくない。
……確かについつい彼女の意識をとばすまで張り切ってしまうが。それは置いておこう。
ぼんやりと部屋から中庭を眺めると、いつもよりキビキビと働いている名無しの姿が目に入った。
中庭に植わっている木の枝を剪定し終わったのか、地面に落ちた枝を丁寧に片付けている。
どのぐらい働いているかというと、いつもの1.2倍は働いている気がした。
(…少しは手を抜けばいいんっスけどねぇ)
少し汗ばんだのか、軍手をつけた手で額を拭う名無し。
そんな様子を見られていることに気がついたのか、頬杖をついて眺めている浦原とばちりと目が合った。
(…あ。)
初々しい、反応。
頬を僅かに染めて、慌てて逸らされる視線。
嫌われているわけではないのだろうが、そんな可愛い顔をされたら余計ムラムラしてしまうのが『浦原喜助』という男で。
(流石に何度もお誘い玉砕はちょっと堪えるんっスよぉ)
今晩あたり、再チャレンジしてみよう。
断られたなら理由もちゃんと問いただして。
***
「今日は、大丈夫です。…た、多分。」
そして夜。
『今晩一緒に寝ませんか』チャレンジは、呆気なくOKを頂けた。
少し返事がしどろもどろしているが、確かに了承されたのだ。
「…ボクって寝相悪かったりしました?」
「はい?」
枕を二つ並べて、浦原の布団に潜り込む。
唐突に原因と思われる内のひとつを投げかければ、小さく首を傾げて問い返された。
「いやぁ、だってほら。ココ最近断られてばっかでしたしぃ…」
「…………………そ、それは、その。」
気まずそうに視線を逸らし、ごにょごにょと口篭る名無し。
言い難い理由があるのか、それとも――
「エッチが嫌とか?」
「いや、違いま……」
す。
途中まで言いかけて言葉を止める。
が、それを聞いて顔が緩むのは、浦原からしてみれば不可抗力だ。
名無しからすればある意味失言なのだけど。
「ええー、じゃあ何っスか、教えてくださいよぉ」
「む、胸を揉みながら言うセリフですか!?それ!」
後ろから抱きしめたついでに柔らかい胸をシャツ越しに揉めば、腕の中でじたばたと抵抗をし始める名無し。
「う、」
「う?」
「浦原さんと一緒に寝ると!緊張して中々寝れないんです!!」
……流石にこれには、浦原も驚いた。
浦原の寝相が問題だったわけでもなく、夜の生活が嫌だったわけでもなく。
つまり、ドキドキして眠れなかった、と。
(…あぁ、なるほど。)
だから最近、日中でもいつもより多く動いていた、と。
疲れてしまえば夜はぐっすり眠れる…という目論見だったのだろう。
合点がついたと同時に、じわじわと胸の奥から込み上げてくる愛しさ。
愛くるしいとは、まさにこのことだろう。
「それだったらそうと、言ってくれればよかったんっスよぉ」
「ニチャニチャにやけながら言われても、説得力に欠けるんですけど!」
ニヤニヤではなく、ニチャニチャと言うあたり的を射ている。確かに今の顔はかなりだらしなく緩んでいるだろう。
「でもほら、」
「……?」
「エッチしたあと、名無しサン熟睡してるから問題ないっスよね?」
「…………いや!今日はほら!よく働いて疲れてますから!!」
「ええー。しばらくボク、おあずけだったんっスよ?」
「ぐっ…!」
年甲斐もなく可愛くおねだりしてみれば、何も言い返せないのか言葉に詰まる名無し。
疲れているのは、分かっている。そういう風に動いていたのも。
でも、それでも。
(そんな可愛いことを言われると、逆にボクが眠れないっスよ)
――結局その夜、無茶苦茶抱いたことは、言うまでもないだろう。
「い、嫌、です。」
それは浦原が積年の想いがやっと実を結んだ後、すぐの話。
添い寝と夜と働き者と
風呂に入り、戸締りの確認もして、さぁ後は寝るだけだ…といった時のことだ。
語尾にハートがつきそうな程、ルンルンのウキウキで浦原は誘うが…名無しの首は一向に『うん』と縦に振られることがない。
勿論、付き合い始めて何度か一緒の布団で寝た。
性的な意味もあるし、ただ単に所謂添い寝するだけの時もあった。
本音を言えば……毎日交合いたいが、流石にそれは自重している。浦原も(一応)大人だからだ。
(…ボクの寝相が悪いとか?)
自分の鼾や寝相は自覚しにくいものだ。その可能性は大いにある。
もしくは身体を重ねるのが苦痛なのか。
いや、そうは思いたくない。
……確かについつい彼女の意識をとばすまで張り切ってしまうが。それは置いておこう。
ぼんやりと部屋から中庭を眺めると、いつもよりキビキビと働いている名無しの姿が目に入った。
中庭に植わっている木の枝を剪定し終わったのか、地面に落ちた枝を丁寧に片付けている。
どのぐらい働いているかというと、いつもの1.2倍は働いている気がした。
(…少しは手を抜けばいいんっスけどねぇ)
少し汗ばんだのか、軍手をつけた手で額を拭う名無し。
そんな様子を見られていることに気がついたのか、頬杖をついて眺めている浦原とばちりと目が合った。
(…あ。)
初々しい、反応。
頬を僅かに染めて、慌てて逸らされる視線。
嫌われているわけではないのだろうが、そんな可愛い顔をされたら余計ムラムラしてしまうのが『浦原喜助』という男で。
(流石に何度もお誘い玉砕はちょっと堪えるんっスよぉ)
今晩あたり、再チャレンジしてみよう。
断られたなら理由もちゃんと問いただして。
***
「今日は、大丈夫です。…た、多分。」
そして夜。
『今晩一緒に寝ませんか』チャレンジは、呆気なくOKを頂けた。
少し返事がしどろもどろしているが、確かに了承されたのだ。
「…ボクって寝相悪かったりしました?」
「はい?」
枕を二つ並べて、浦原の布団に潜り込む。
唐突に原因と思われる内のひとつを投げかければ、小さく首を傾げて問い返された。
「いやぁ、だってほら。ココ最近断られてばっかでしたしぃ…」
「…………………そ、それは、その。」
気まずそうに視線を逸らし、ごにょごにょと口篭る名無し。
言い難い理由があるのか、それとも――
「エッチが嫌とか?」
「いや、違いま……」
す。
途中まで言いかけて言葉を止める。
が、それを聞いて顔が緩むのは、浦原からしてみれば不可抗力だ。
名無しからすればある意味失言なのだけど。
「ええー、じゃあ何っスか、教えてくださいよぉ」
「む、胸を揉みながら言うセリフですか!?それ!」
後ろから抱きしめたついでに柔らかい胸をシャツ越しに揉めば、腕の中でじたばたと抵抗をし始める名無し。
「う、」
「う?」
「浦原さんと一緒に寝ると!緊張して中々寝れないんです!!」
……流石にこれには、浦原も驚いた。
浦原の寝相が問題だったわけでもなく、夜の生活が嫌だったわけでもなく。
つまり、ドキドキして眠れなかった、と。
(…あぁ、なるほど。)
だから最近、日中でもいつもより多く動いていた、と。
疲れてしまえば夜はぐっすり眠れる…という目論見だったのだろう。
合点がついたと同時に、じわじわと胸の奥から込み上げてくる愛しさ。
愛くるしいとは、まさにこのことだろう。
「それだったらそうと、言ってくれればよかったんっスよぉ」
「ニチャニチャにやけながら言われても、説得力に欠けるんですけど!」
ニヤニヤではなく、ニチャニチャと言うあたり的を射ている。確かに今の顔はかなりだらしなく緩んでいるだろう。
「でもほら、」
「……?」
「エッチしたあと、名無しサン熟睡してるから問題ないっスよね?」
「…………いや!今日はほら!よく働いて疲れてますから!!」
「ええー。しばらくボク、おあずけだったんっスよ?」
「ぐっ…!」
年甲斐もなく可愛くおねだりしてみれば、何も言い返せないのか言葉に詰まる名無し。
疲れているのは、分かっている。そういう風に動いていたのも。
でも、それでも。
(そんな可愛いことを言われると、逆にボクが眠れないっスよ)
――結局その夜、無茶苦茶抱いたことは、言うまでもないだろう。