short story
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「何食べてるんっスか?」
小動物のように、頬袋の中でコロコロと何かを味わっている名無しに尋ねてみる。
コロリと口の中で一度転がし、幸せそうに目元を緩ませた。
「いちごミルクの飴ですよ。この間織姫ちゃんから貰ったんです」
「へぇ。美味しいっスか?」
「そりゃもう。」
ふにゃふにゃと笑いながら名無しは満足そうに答える。
…どうやら飴に夢中のようだ。
飴よりもふわふわと甘い笑みを浮かべている彼女も可愛いが、なんだか少しだけ面白くない。
(飴に嫉妬するなんて重症っスね)
夜一が聞いたら笑うだろうか。マユリが見たら呆れるだろうか。
相当彼女に毒されている自覚がある分、タチが悪い。
――そうだ。
夢中になっているなら、奪ってしまえばいいのか。
「名無しサン、」
「なんですか?」
振り向き様、彼女の柔らかい頬に手を添えて上を向かせる。
甘いいちごと、まろやかなミルクの匂いがする魅惑的な唇を食めば、それはそれは蕩けるような味だった。
「ん、んー!んむ、ん…っ」
抗議するような呻き声は徐々に甘いものに変わっていく。
口内を蹂躙するように舌を差し込んでやれば、かなり小さくなってしまった飴玉が舌先を掠めた。
吸い出すように飴玉を取り上げれば、真っ赤な顔で不満そうに見上げてくる名無しの顔。
散々口内を味わったせいだろう、唾液でぬらりと濡れた口元がやけにやらしかった。
それもこれも、浦原が原因なのだが。
「な、なんで、取るんですか!」
「いやぁ。名無しサンが美味しそうに食べてるから、つい。」
彼女の口から強奪した飴の味は格別だ。
とても、とても、それは甘い。
「つい・じゃないですよ!もう!」
「じゃあお返ししましょっか?」
「へ、」
呆気に取られる彼女の唇へ、もう一度深く深く口付けた。
12.奪いたい
(返せというなら返そうか。柔らかいその唇を対価にして。)
小動物のように、頬袋の中でコロコロと何かを味わっている名無しに尋ねてみる。
コロリと口の中で一度転がし、幸せそうに目元を緩ませた。
「いちごミルクの飴ですよ。この間織姫ちゃんから貰ったんです」
「へぇ。美味しいっスか?」
「そりゃもう。」
ふにゃふにゃと笑いながら名無しは満足そうに答える。
…どうやら飴に夢中のようだ。
飴よりもふわふわと甘い笑みを浮かべている彼女も可愛いが、なんだか少しだけ面白くない。
(飴に嫉妬するなんて重症っスね)
夜一が聞いたら笑うだろうか。マユリが見たら呆れるだろうか。
相当彼女に毒されている自覚がある分、タチが悪い。
――そうだ。
夢中になっているなら、奪ってしまえばいいのか。
「名無しサン、」
「なんですか?」
振り向き様、彼女の柔らかい頬に手を添えて上を向かせる。
甘いいちごと、まろやかなミルクの匂いがする魅惑的な唇を食めば、それはそれは蕩けるような味だった。
「ん、んー!んむ、ん…っ」
抗議するような呻き声は徐々に甘いものに変わっていく。
口内を蹂躙するように舌を差し込んでやれば、かなり小さくなってしまった飴玉が舌先を掠めた。
吸い出すように飴玉を取り上げれば、真っ赤な顔で不満そうに見上げてくる名無しの顔。
散々口内を味わったせいだろう、唾液でぬらりと濡れた口元がやけにやらしかった。
それもこれも、浦原が原因なのだが。
「な、なんで、取るんですか!」
「いやぁ。名無しサンが美味しそうに食べてるから、つい。」
彼女の口から強奪した飴の味は格別だ。
とても、とても、それは甘い。
「つい・じゃないですよ!もう!」
「じゃあお返ししましょっか?」
「へ、」
呆気に取られる彼女の唇へ、もう一度深く深く口付けた。
12.奪いたい
(返せというなら返そうか。柔らかいその唇を対価にして。)