short story
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眠い。
物凄く眠い。
死神といえども睡眠時間は大事・ということを、私は今、物凄く痛感していた。
定期報告を済ますため、尸魂界に向かったのが9日の午後だ。
そこから夜一に捕まり、飲めや歌えやマタタビだ・と謎の宴会が始まってしまった。
念の為…というのは建前で、『帰って来なさい』と言ってくれるかもしれない、淡い期待をもって浦原へ報告を入れる。
まぁ『ファイトっスよ、名無しサン』と薄情な返事が返ってきたのだけど。本当にこの男は夜一には弱い。
そこから眠たい目を擦りながら現世へ帰れば、虚の反応ときた。
多少イライラしながら片付けて、浦原商店へ帰れば日付は11日に変わってしまっていた。
「名無しサン、おかえりなさいっス~。」
目の前でポッキーとプリッツの箱を持った浦原が出迎えてくれる。
身体をそわそわ揺らしながら待っている姿は、何かイタズラを仕掛けようとする子供のようだ。
…そういえば11月11日はポッキーの日だ。
最近はプリッツも企画に乗ってきているらしいので、正確にはポッキー&プリッツの日…だそうな。
「ポッキーの日ですか」
「話が早いっスね。どっちがいいっスか?」
「疲れてるので甘いものがいいです」
ポッキーの箱を指させば「了解っス」と言いながら、嬉々とした表情で箱を開け始める浦原。
…まさか帰って来て早々にポッキーゲームしよう・など言い出すのでは、
「ポッキーゲームしましょ、名無しサン」
あーほらきた。
チョコレートがたっぷりついている方を咥えさせられれば、ほろ苦く甘い味が舌に当たった。
というか、ただ単にキスしたいだけなのではないだろうか。この目の前のセクハラ店主は。
「ふらはらはん。」
「はい?」
今にもビスケットの持ち手部分を咥えようとしていた男の名前を呼ぶ。
返事をすると同時に、私は咥えていたポッキーを手に取る。
そして間髪入れず、ちょっと間抜けな顔で動きを止めた彼へ、掠めるように口付けを送った。
少し乾いた唇の感触。
暫くヒゲを剃るのをまたサボっていたのだろう、擦れた無精髭が少し痛かった。
一秒も経たないうちに離れれば、ぽかんと驚いた顔をしている浦原が視界に入る。
うん。これでよし。
「じゃあ、眠たいので私は寝ます。おやすみなさい、浦原さん」
一度咥えたポッキーを咀嚼しながら、私はぼんやりとした頭で自室へ戻って行った。
あぁ。ポッキーって美味しいなぁ。
Pocky raid attack!
「…って。ボク、キスもしたかったけどポッキーゲームもしたかったんっスよ、名無しサン~!」
我に返った浦原の声が、深夜の浦原商店へ響いたのは数秒後の話。
物凄く眠い。
死神といえども睡眠時間は大事・ということを、私は今、物凄く痛感していた。
定期報告を済ますため、尸魂界に向かったのが9日の午後だ。
そこから夜一に捕まり、飲めや歌えやマタタビだ・と謎の宴会が始まってしまった。
念の為…というのは建前で、『帰って来なさい』と言ってくれるかもしれない、淡い期待をもって浦原へ報告を入れる。
まぁ『ファイトっスよ、名無しサン』と薄情な返事が返ってきたのだけど。本当にこの男は夜一には弱い。
そこから眠たい目を擦りながら現世へ帰れば、虚の反応ときた。
多少イライラしながら片付けて、浦原商店へ帰れば日付は11日に変わってしまっていた。
「名無しサン、おかえりなさいっス~。」
目の前でポッキーとプリッツの箱を持った浦原が出迎えてくれる。
身体をそわそわ揺らしながら待っている姿は、何かイタズラを仕掛けようとする子供のようだ。
…そういえば11月11日はポッキーの日だ。
最近はプリッツも企画に乗ってきているらしいので、正確にはポッキー&プリッツの日…だそうな。
「ポッキーの日ですか」
「話が早いっスね。どっちがいいっスか?」
「疲れてるので甘いものがいいです」
ポッキーの箱を指させば「了解っス」と言いながら、嬉々とした表情で箱を開け始める浦原。
…まさか帰って来て早々にポッキーゲームしよう・など言い出すのでは、
「ポッキーゲームしましょ、名無しサン」
あーほらきた。
チョコレートがたっぷりついている方を咥えさせられれば、ほろ苦く甘い味が舌に当たった。
というか、ただ単にキスしたいだけなのではないだろうか。この目の前のセクハラ店主は。
「ふらはらはん。」
「はい?」
今にもビスケットの持ち手部分を咥えようとしていた男の名前を呼ぶ。
返事をすると同時に、私は咥えていたポッキーを手に取る。
そして間髪入れず、ちょっと間抜けな顔で動きを止めた彼へ、掠めるように口付けを送った。
少し乾いた唇の感触。
暫くヒゲを剃るのをまたサボっていたのだろう、擦れた無精髭が少し痛かった。
一秒も経たないうちに離れれば、ぽかんと驚いた顔をしている浦原が視界に入る。
うん。これでよし。
「じゃあ、眠たいので私は寝ます。おやすみなさい、浦原さん」
一度咥えたポッキーを咀嚼しながら、私はぼんやりとした頭で自室へ戻って行った。
あぁ。ポッキーって美味しいなぁ。
Pocky raid attack!
「…って。ボク、キスもしたかったけどポッキーゲームもしたかったんっスよ、名無しサン~!」
我に返った浦原の声が、深夜の浦原商店へ響いたのは数秒後の話。