short story
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「名無しサンンンンー…」
浦原商店の最奥の研究室から、のっそりと出てきた浦原。
しょぼしょぼした目を擦りながら、どこか芳しくなさそうな表情から察するに、どうやら研究が行き詰まったようだ。
周りから見たら天才変態科学者だと思われているようだが、時々こうして行き詰まる。
そんな時は決まって、
「浦原さん、重いです。」
「いいじゃないっスかぁ、ハグしたらストレス軽減・っていいますし」
まるでおんぶおばけのように後ろから抱き抱えられる…というより、のしかかってくる。
こっちはまったりとした読書タイムだったというのにお構い無しだ。
「名無しサンはストレス溜まらないんっスか?」
「そりゃまぁ、溜まりますよ。私のストレス発散方はご飯つくることですし」
そう答えれば「あぁなるほど」と浦原が後ろで呟いた。
ほぼ毎日作っているためか、いい具合に発散されていると言えば発散されている。
まぁ溜まりそうになった、丁度いい頃合に抱きついてくる大の大人が一人いるため問題なかった。
…本人には絶対に言わないけれど。
「浦原さん、重いですってば。」
「…ちぇ~」
二度目の声掛けに渋々といった様子で離れる浦原。
口先を尖らせて身体を離す姿は、まるで拗ねた子供のようだった。
そんな様子を見て苦笑するな・というのが無理な話だ。
そんなところも可愛いと思ってしまうあたり、意外と私も重症のようだ。
「ほら、浦原さん。」
カレの正面を向いて両手を広げれば、それはもう飼い主見つけた犬よろしく抱きついてきた。
うん、後ろから抱きつかれるよりこっちの方が重たくない。
「…はー、名無しサンのそういう所、ホント好きっス」
「あはは、それは何よりです。」
意外と筋肉質な腕がしっかり背中に回される。
ぎゅう、っと少しキツめに抱きしめられれば多少は息苦しかったが、不思議と不愉快ではなかった。
「落ち着いたら、あったかいホットミルクでも作りますね。少し仮眠を取った方が頭もスッキリしますし、頑張るのはそれからにしましょう?」
「え、名無しサン添い寝してくださるんっスか?」
子供の寝かしつけか。
こんな大きな子供を身篭った覚えはないのだが。
「絵本の読み聞かせはいりますか?」
「それより抱き枕が欲しいっスねぇ」
我儘なご要望に、本日何度目かの苦笑を零してしまった。
まぁ、たまにはいっか。
hug me!
その後きっちり抱き枕にされ、寝かしつけた後に抜け出す算段…………
が、ついつい浦原の体温が心地よくて一緒に寝てしまったのは、もう少しあとの話。
(本当にこれ、子供の寝かしつけと寝落ちする親のパターンでは…?)
浦原商店の最奥の研究室から、のっそりと出てきた浦原。
しょぼしょぼした目を擦りながら、どこか芳しくなさそうな表情から察するに、どうやら研究が行き詰まったようだ。
周りから見たら天才変態科学者だと思われているようだが、時々こうして行き詰まる。
そんな時は決まって、
「浦原さん、重いです。」
「いいじゃないっスかぁ、ハグしたらストレス軽減・っていいますし」
まるでおんぶおばけのように後ろから抱き抱えられる…というより、のしかかってくる。
こっちはまったりとした読書タイムだったというのにお構い無しだ。
「名無しサンはストレス溜まらないんっスか?」
「そりゃまぁ、溜まりますよ。私のストレス発散方はご飯つくることですし」
そう答えれば「あぁなるほど」と浦原が後ろで呟いた。
ほぼ毎日作っているためか、いい具合に発散されていると言えば発散されている。
まぁ溜まりそうになった、丁度いい頃合に抱きついてくる大の大人が一人いるため問題なかった。
…本人には絶対に言わないけれど。
「浦原さん、重いですってば。」
「…ちぇ~」
二度目の声掛けに渋々といった様子で離れる浦原。
口先を尖らせて身体を離す姿は、まるで拗ねた子供のようだった。
そんな様子を見て苦笑するな・というのが無理な話だ。
そんなところも可愛いと思ってしまうあたり、意外と私も重症のようだ。
「ほら、浦原さん。」
カレの正面を向いて両手を広げれば、それはもう飼い主見つけた犬よろしく抱きついてきた。
うん、後ろから抱きつかれるよりこっちの方が重たくない。
「…はー、名無しサンのそういう所、ホント好きっス」
「あはは、それは何よりです。」
意外と筋肉質な腕がしっかり背中に回される。
ぎゅう、っと少しキツめに抱きしめられれば多少は息苦しかったが、不思議と不愉快ではなかった。
「落ち着いたら、あったかいホットミルクでも作りますね。少し仮眠を取った方が頭もスッキリしますし、頑張るのはそれからにしましょう?」
「え、名無しサン添い寝してくださるんっスか?」
子供の寝かしつけか。
こんな大きな子供を身篭った覚えはないのだが。
「絵本の読み聞かせはいりますか?」
「それより抱き枕が欲しいっスねぇ」
我儘なご要望に、本日何度目かの苦笑を零してしまった。
まぁ、たまにはいっか。
hug me!
その後きっちり抱き枕にされ、寝かしつけた後に抜け出す算段…………
が、ついつい浦原の体温が心地よくて一緒に寝てしまったのは、もう少しあとの話。
(本当にこれ、子供の寝かしつけと寝落ちする親のパターンでは…?)