short story
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それはそれは珍しいものを見た。
「お、名無しちゃん。彼氏かい?」
彼女の行きつけらしい、八百屋に立ち寄ると店主だろう初老の女性にそう訊ねられた。
いつもは鉄裁やジン太と来ているらしい。
スーパーの買い物には付き合うことはあっても、商店街の中での買い物に付き合うのは初めてだった。
言われてみればスーパーで野菜や肉、魚を買うのはあまり見たことがない。
スーパーの店頭より、確かにこっちの店の方が少しグラム売りが安い。
彼女のマメさがこんなところで垣間見れるとは思いもよらなかった。
「そうですよ。カッコいいでしょう?」
「ははは!確かにねぇ。」
快活に女将が笑い、目の前の名無しも自然に笑う。
…いやいや、これは不意打ちっスよ。
別に容姿を褒められて喜ぶ程、幼稚でもないしそんな歳でもない。
けれど、名無しに褒められたら話は別だ。
こうやって彼女がストレートに『カッコいい』と褒めてくれるなんて、かなりレアだ。
情けないことに年甲斐もなく頬が熱くなるのが嫌でも分かった。
あぁ、らしくない。
幸か不幸か、肝心の名無しは目の前にズラリと並ぶ新鮮な夏野菜に夢中だ。
紅潮してしまったであろう頬を抑えていると八百屋の女将と目が合った。
彼女は小さく笑って「あんたも隅に置けないねぇ」と名無しへと声をかけた。
頬の熱はきっと夏のせい
「隅に置けないって、何のことでしょうね?」
「さて。なんのことっスかねぇ」
日が傾き始め、まだまだ日差しが強い夕方四時。
そんな夏の一幕の出来事。
「お、名無しちゃん。彼氏かい?」
彼女の行きつけらしい、八百屋に立ち寄ると店主だろう初老の女性にそう訊ねられた。
いつもは鉄裁やジン太と来ているらしい。
スーパーの買い物には付き合うことはあっても、商店街の中での買い物に付き合うのは初めてだった。
言われてみればスーパーで野菜や肉、魚を買うのはあまり見たことがない。
スーパーの店頭より、確かにこっちの店の方が少しグラム売りが安い。
彼女のマメさがこんなところで垣間見れるとは思いもよらなかった。
「そうですよ。カッコいいでしょう?」
「ははは!確かにねぇ。」
快活に女将が笑い、目の前の名無しも自然に笑う。
…いやいや、これは不意打ちっスよ。
別に容姿を褒められて喜ぶ程、幼稚でもないしそんな歳でもない。
けれど、名無しに褒められたら話は別だ。
こうやって彼女がストレートに『カッコいい』と褒めてくれるなんて、かなりレアだ。
情けないことに年甲斐もなく頬が熱くなるのが嫌でも分かった。
あぁ、らしくない。
幸か不幸か、肝心の名無しは目の前にズラリと並ぶ新鮮な夏野菜に夢中だ。
紅潮してしまったであろう頬を抑えていると八百屋の女将と目が合った。
彼女は小さく笑って「あんたも隅に置けないねぇ」と名無しへと声をかけた。
頬の熱はきっと夏のせい
「隅に置けないって、何のことでしょうね?」
「さて。なんのことっスかねぇ」
日が傾き始め、まだまだ日差しが強い夕方四時。
そんな夏の一幕の出来事。