short story
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「名無しサン、金平糖はお好きっスか?」
小瓶に入った星屑のような砂糖菓子を目の前で振れば、乾いた子気味良い音がカラカラと鳴る。
色とりどりの金平糖を見て、目の前の彼女は小さく首を傾げた。
「好きですけど…どうされたんですか?それ」
「尸魂界でのお土産っス」
京楽に教えて貰った和菓子店に立ち寄ったら、夕方だったからか生菓子は売り切れになっていた。
少しばかり肩を落としていると、たまたま目に入ったのが金平糖だったのだ。
まるで星屑のような砂糖菓子は彼女の内在世界にある、満天の星空を彷彿させた。
「わぁ、ありがとうございます」
ふにゃふにゃと目元を綻ばせて笑う名無しは相変わらず可愛い。
砂糖菓子ひとつでこんなにも喜ぶなんて子供っぽい・と思うと同時に、愛しくて愛しくてたまらなかった。
「早速頂いていいですか?」
「どーぞどーぞ」
瓶を開けて向日葵色の金平糖を一粒口に含んだ。
ポリポリと気持ちいい音をさせながら咀嚼すれば、ほっこりと蕩けた表情になる名無し。
どうやらお気に召したらしい。
「色毎に味が違うんですかね、黄色は柚子の味でした!美味しいですね!」
「それはよかったっス」
半ばはしゃぎ気味で喜ぶ彼女を見て、思わず僕自身も頬が綻んだ。
甘え下手な名無しが喜んでいる姿を見るのは、単純に嬉しく思う。
本当に、僕は彼女に甘い。金平糖以上に。
「浦原さんも食べてみます?」
「ん。じゃあ頂くっス」
鮮やかな萌黄色の金平糖をひとつまみして、口元に運んでくれる。
細くて白い指先。それは甘い砂糖菓子よりも酷く魅力的に見えてしまって。
つい、指ごと食んでしまった。
「ひぇっ!?」
「ん、甘いっスね」
ちゅう、と音を立ててひと舐めすれば、真っ赤な顔で手を引く名無し。
柔らかい指先。
それは金平糖よりも甘いような気がしたのは、気のせいかもしれない。
けれど、僕にとってはどんな砂糖菓子よりもご馳走だ。
まぁ、そんなことを言ったら顔を真っ赤にして怒られるのだろうけど。
「…す、スケベ!」
「えぇ〜、天狼サンだってじゃれて舐めたりしてるじゃないっスか」
「犬と同列にしないでください!」
本人がいたら『狼だ。』と訂正するところだろうが、生憎彼は斬魄刀の中でぐっすりだ。
鉄裁達も出払っている今なら、もう少しじゃれ合っても大丈夫だろう。
楽しそうに身を乗り出せば、名無しは僅かに後ろへ身を退いた。
さぁ、攻防戦の始まりだ。
砂糖菓子より甘いキミ
「名無しサンとじゃれ合えるなら犬でも狼でも猫にでもなるっスよ」
「それは色々問題発言なのでやめましょう。浦原さんなら本当になりかねない」
小瓶に入った星屑のような砂糖菓子を目の前で振れば、乾いた子気味良い音がカラカラと鳴る。
色とりどりの金平糖を見て、目の前の彼女は小さく首を傾げた。
「好きですけど…どうされたんですか?それ」
「尸魂界でのお土産っス」
京楽に教えて貰った和菓子店に立ち寄ったら、夕方だったからか生菓子は売り切れになっていた。
少しばかり肩を落としていると、たまたま目に入ったのが金平糖だったのだ。
まるで星屑のような砂糖菓子は彼女の内在世界にある、満天の星空を彷彿させた。
「わぁ、ありがとうございます」
ふにゃふにゃと目元を綻ばせて笑う名無しは相変わらず可愛い。
砂糖菓子ひとつでこんなにも喜ぶなんて子供っぽい・と思うと同時に、愛しくて愛しくてたまらなかった。
「早速頂いていいですか?」
「どーぞどーぞ」
瓶を開けて向日葵色の金平糖を一粒口に含んだ。
ポリポリと気持ちいい音をさせながら咀嚼すれば、ほっこりと蕩けた表情になる名無し。
どうやらお気に召したらしい。
「色毎に味が違うんですかね、黄色は柚子の味でした!美味しいですね!」
「それはよかったっス」
半ばはしゃぎ気味で喜ぶ彼女を見て、思わず僕自身も頬が綻んだ。
甘え下手な名無しが喜んでいる姿を見るのは、単純に嬉しく思う。
本当に、僕は彼女に甘い。金平糖以上に。
「浦原さんも食べてみます?」
「ん。じゃあ頂くっス」
鮮やかな萌黄色の金平糖をひとつまみして、口元に運んでくれる。
細くて白い指先。それは甘い砂糖菓子よりも酷く魅力的に見えてしまって。
つい、指ごと食んでしまった。
「ひぇっ!?」
「ん、甘いっスね」
ちゅう、と音を立ててひと舐めすれば、真っ赤な顔で手を引く名無し。
柔らかい指先。
それは金平糖よりも甘いような気がしたのは、気のせいかもしれない。
けれど、僕にとってはどんな砂糖菓子よりもご馳走だ。
まぁ、そんなことを言ったら顔を真っ赤にして怒られるのだろうけど。
「…す、スケベ!」
「えぇ〜、天狼サンだってじゃれて舐めたりしてるじゃないっスか」
「犬と同列にしないでください!」
本人がいたら『狼だ。』と訂正するところだろうが、生憎彼は斬魄刀の中でぐっすりだ。
鉄裁達も出払っている今なら、もう少しじゃれ合っても大丈夫だろう。
楽しそうに身を乗り出せば、名無しは僅かに後ろへ身を退いた。
さぁ、攻防戦の始まりだ。
砂糖菓子より甘いキミ
「名無しサンとじゃれ合えるなら犬でも狼でも猫にでもなるっスよ」
「それは色々問題発言なのでやめましょう。浦原さんなら本当になりかねない」