うさ耳パニック!(中編)
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今日も散々遊ばれ、もふもふされ、もみくちゃにされた。
「縛道を使う人がどこにいるんですか!」
「いやぁ、名無しサン暴れるから、ついうっかり」
「耳、なんかゴワゴワするし」
「食みましたっスから」
「尻尾もモゾモゾするし」
「ふわふわしてて最高でしたねぇ」
満足そうにニコニコしている浦原の頬を、全力で抓った。
うさ耳パニック!#03
「本当に浦原さんの仕業じゃないんですね?」
「違いますってー。ボクがしてたら朝から名無しサン閉じ込めてずーっとモフモフしますもん」
さらっととんでもないことを言っているが、聞かなかったことにしよう。
襲われてからというものの、隙あらばちょっかいを出してくる浦原。
ニット帽を被って耳は死守しているが、背中を向けていると尻を触るように尻尾をズボンの上から撫でてくる。
変な気分になるから、本当にやめて欲しい。
何日もずっと問いただしても、浦原が犯人だという答えも証拠も出てこない。
鵜呑みにするのは少し癪だが、とりあえず信じることにしよう。
「…とすれば、尸魂界に犯人いるのか…嫌だなぁ…」
「心当たりは?」
「耳やらが生えてくる前日、色んな人から差し入れ貰っちゃったんですよね…」
とりあえず思い出せるのは、マユリから出されたお茶と、私が戻ってきていると聞いた平子が顔を出してきて袖から出した飴玉だ。
大体こういうのは経口摂取が多いらしい。
そうなると、その日尸魂界で食べたものに限定されるが、如何せんあの手この手と差し入れを貰うのだ。
私は飼育小屋に飼われているウサギか。いや、ウサギじゃない!
「既にもうその二人が面倒くさそうっスね」
「浦原さんよりはマシですかね…」
「どういう意味っスかぁ。酷いなぁ」
そう言ってニット帽の上から耳をモミモミする。こういうところだ!
***
「ということでぇ、来ちゃいました」
「で、どうなんですか!?マユリさん!」
マユリの目の前にはヘラヘラと笑う浦原と、ニット帽をむしり取って抗議する名無しの姿。
それと『目立つといけないっスから』というどうでもいい理由で、最近本来の姿である死覇装姿でやってくる浦原。
しかしマユリは知っていた。ほらぁ、これで名無しサンとお揃いっス、と言っていたことを。
何がお揃いだ。そんなことを言っていたら死神全員ペアルックだヨ。と言えば、気持ちの問題っスよ、と笑いながらこの男は言い放った。
何だろう、妙にムカつく。
「知らないヨ。私は哺乳類よりも爬虫類派なのでネ」
嘘だ。
目の前の第二の娘のように可愛がっている名無しの姿は可愛いの一言に尽きる。
写真を撮りたい。けど目の前のこの男がムカつきすぎて手を出せない。
そんなマユリのジレンマを目の前の二人は知る由もない。
「そうですか…じゃあ犯人はマユリさんじゃないですね」
「なぁんだ、涅サンが噛んでたら、その薬分けてもらおうかと思ったのに」
「噛んでいたとしても、貴様に分けるわけがないだろう」
むしろマユリが欲しいくらいだ。
しょんぼりして耳が垂れ下がっている名無し。
まるでロップイヤーのようだった。可愛い。あとで監視カメラを見直してスクリーンショットを保存しよう。
諦めたようにニット帽をかぶる名無し。
死覇装にその格好は、些か不自然なのは仕方ない。
「よし、次行きましょう、浦原さん。
マユリさん、手掛かりがあればすぐ伝令神機に連絡下さい!頼りにしてますからね!」
「それじゃあ涅隊長、また今度〜」
「浦原喜助、貴様は二度と来なくていいヨ」
走っていく名無しの背中を見送り、小さく手を振る。浦原はなるべく、視界に入れないようにして。
「隊長」
「何だネ、阿近。私は今最高に苛立ってるんだヨ」
「名無しのさっきの姿、隠し撮りしといたんで機嫌治してください」
「次の副官査定、楽しみにしておいたまえ」
十二番隊隊長は存外単純らしい。
阿近はそっとため息を吐き、名無しも大変だな、と心から同情した。
「縛道を使う人がどこにいるんですか!」
「いやぁ、名無しサン暴れるから、ついうっかり」
「耳、なんかゴワゴワするし」
「食みましたっスから」
「尻尾もモゾモゾするし」
「ふわふわしてて最高でしたねぇ」
満足そうにニコニコしている浦原の頬を、全力で抓った。
うさ耳パニック!#03
「本当に浦原さんの仕業じゃないんですね?」
「違いますってー。ボクがしてたら朝から名無しサン閉じ込めてずーっとモフモフしますもん」
さらっととんでもないことを言っているが、聞かなかったことにしよう。
襲われてからというものの、隙あらばちょっかいを出してくる浦原。
ニット帽を被って耳は死守しているが、背中を向けていると尻を触るように尻尾をズボンの上から撫でてくる。
変な気分になるから、本当にやめて欲しい。
何日もずっと問いただしても、浦原が犯人だという答えも証拠も出てこない。
鵜呑みにするのは少し癪だが、とりあえず信じることにしよう。
「…とすれば、尸魂界に犯人いるのか…嫌だなぁ…」
「心当たりは?」
「耳やらが生えてくる前日、色んな人から差し入れ貰っちゃったんですよね…」
とりあえず思い出せるのは、マユリから出されたお茶と、私が戻ってきていると聞いた平子が顔を出してきて袖から出した飴玉だ。
大体こういうのは経口摂取が多いらしい。
そうなると、その日尸魂界で食べたものに限定されるが、如何せんあの手この手と差し入れを貰うのだ。
私は飼育小屋に飼われているウサギか。いや、ウサギじゃない!
「既にもうその二人が面倒くさそうっスね」
「浦原さんよりはマシですかね…」
「どういう意味っスかぁ。酷いなぁ」
そう言ってニット帽の上から耳をモミモミする。こういうところだ!
***
「ということでぇ、来ちゃいました」
「で、どうなんですか!?マユリさん!」
マユリの目の前にはヘラヘラと笑う浦原と、ニット帽をむしり取って抗議する名無しの姿。
それと『目立つといけないっスから』というどうでもいい理由で、最近本来の姿である死覇装姿でやってくる浦原。
しかしマユリは知っていた。ほらぁ、これで名無しサンとお揃いっス、と言っていたことを。
何がお揃いだ。そんなことを言っていたら死神全員ペアルックだヨ。と言えば、気持ちの問題っスよ、と笑いながらこの男は言い放った。
何だろう、妙にムカつく。
「知らないヨ。私は哺乳類よりも爬虫類派なのでネ」
嘘だ。
目の前の第二の娘のように可愛がっている名無しの姿は可愛いの一言に尽きる。
写真を撮りたい。けど目の前のこの男がムカつきすぎて手を出せない。
そんなマユリのジレンマを目の前の二人は知る由もない。
「そうですか…じゃあ犯人はマユリさんじゃないですね」
「なぁんだ、涅サンが噛んでたら、その薬分けてもらおうかと思ったのに」
「噛んでいたとしても、貴様に分けるわけがないだろう」
むしろマユリが欲しいくらいだ。
しょんぼりして耳が垂れ下がっている名無し。
まるでロップイヤーのようだった。可愛い。あとで監視カメラを見直してスクリーンショットを保存しよう。
諦めたようにニット帽をかぶる名無し。
死覇装にその格好は、些か不自然なのは仕方ない。
「よし、次行きましょう、浦原さん。
マユリさん、手掛かりがあればすぐ伝令神機に連絡下さい!頼りにしてますからね!」
「それじゃあ涅隊長、また今度〜」
「浦原喜助、貴様は二度と来なくていいヨ」
走っていく名無しの背中を見送り、小さく手を振る。浦原はなるべく、視界に入れないようにして。
「隊長」
「何だネ、阿近。私は今最高に苛立ってるんだヨ」
「名無しのさっきの姿、隠し撮りしといたんで機嫌治してください」
「次の副官査定、楽しみにしておいたまえ」
十二番隊隊長は存外単純らしい。
阿近はそっとため息を吐き、名無しも大変だな、と心から同情した。