うさ耳パニック!(中編)
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虚の気配を察した一護と、たまたま現世に来ていたルキアと見事に鉢合わせた。
名無しが虚を一刀両断した瞬間に、彼らは駆けつけてきた。
あの二人の顔と言ったら。
『また浦原さんの趣味に付き合っているのか』と言いたげな顔の一護。
はわわ…!と感動に近い興奮ぶりを見せるルキア。そういえば彼女はウサギのチャッピーが大好きだった。
うさ耳パニック!#02
「とりあえず、落ち着いて話を聞いて頂けません?」
「名無し、コンクリートの上で正座しなくてもいいんじゃ…」
「何と愛らしい!この、白い毛並み!ふわふわではないか!!」
一護は哀れみに近い目で見ている。
ルキアは今にも触りたそうに手をワキワキしている。その手はやめてくれ。
「かくかくしかじか」
「…つまり犯人がわからねぇ、と」
「可愛らしいからそのままでも良いではないか」
「ルキアちゃん、ウチには変態が常駐してるのよ?ちなみに今も私は身の危険を感じてるわ。何故かしらね」
しれっととんでもない発言を投下するルキア。
このままでいいわけがない。勘弁して欲しい。
一護が冷静で本当に助かった。
「しっかしパーカーのフードは怪しすぎだろ」
「ですよね」
「ニット帽はどうなんだよ。ほら、少し大きめの」
「秋だもんね…被ってても大丈夫かな」
「いつも浦原は帽子を被っているではないか。大丈夫だろう」
ルキアが名無しの耳をもふもふ触りながら答える。
確かに、家でも帽子を被っている店主はいる。ところでいつの間に耳を堪能しているんだ、彼女は。
「この事は、他言無用で…」
「まぁ、そりゃあな」
「しかし名無し。犯人が浦原でなければ、犯人を探しに尸魂界に行かなければいけないのでは」
「………」
ある意味、浦原よりも危ない人物がゴロゴロいる魔窟だ。
その中で犯人探しは、骨が折れそうだ。
しかし、
「やるしかない…」
「…不憫なやつ…」
「名無し!写真を一枚撮ってもよいか!?」
キラキラした目で頼んでくるルキア。本当に彼女はウサギが好きらしい。
無下に断るのも悪い気がして「一枚だけなら…他の人には見せないでね」と諦めたように釘を刺した。
まだ最初に見つかったのが彼らだったことが、不幸中の幸いだ。
***
「……ただいま…」
そろっと窓を開けて、部屋に入る。
よし、誰もいない。
布団に倒れている自分の義骸を触ってみるが、見た目に変化はない。
いや浦原がもし、おかしな事をするとしたら痕跡は残さないはず。
とりあえず、ニット帽があったはず。それを出してから義骸に入ろう。
そう思い、大きく溜息をついた時。
ガラッ
「名無しサン、帰ってきてるんっスか?」
襖が開いた。
浦原がいた。
あぁ、終わった。
「どしたんっスかそのみ」
ピシャッ!!!
「ちょ、閉めないでください!」
「えぇい!一番タイミング悪い時に!」
鉄裁もどこかに出かけているらしく、商店にはいない。
つまりこの変態とタイマンをしなければいけない。
終わった。色んな意味で終わった。
「どしたんっスか!?見間違いでなければ名無しサンがバニーガールに」
「バニーガール言わないでくだ、さ…っう、わぁ!」
ほら、力負けした。
ス、パァァン!と耳の鼓膜が大きく震える程の音を立てながら襖が開いた。反抗期の息子が襖を開け閉めする音は、きっとこんな感じだろう。
満面の笑顔の浦原。
両手を広げて飛びかかってくる姿は、まるで主人か獲物を見つけた時の犬のようだ。
対して、名無しは心底嫌そうな顔をしていた。一番見つかったら面倒くさい男に、こんなにも早く見つかってしまうとは。
「名無しサンンンンン!!かわいいいいいいい!!!!!」
「ぎゃーーーーーー!!!!!!」
浦原商店に、かつて無い程の断末魔が響き渡った。
ご近所の皆様、すみません。
これは不可抗力なんです、本当に。
(under//うさ耳パニック!#02.5に続きます)
名無しが虚を一刀両断した瞬間に、彼らは駆けつけてきた。
あの二人の顔と言ったら。
『また浦原さんの趣味に付き合っているのか』と言いたげな顔の一護。
はわわ…!と感動に近い興奮ぶりを見せるルキア。そういえば彼女はウサギのチャッピーが大好きだった。
うさ耳パニック!#02
「とりあえず、落ち着いて話を聞いて頂けません?」
「名無し、コンクリートの上で正座しなくてもいいんじゃ…」
「何と愛らしい!この、白い毛並み!ふわふわではないか!!」
一護は哀れみに近い目で見ている。
ルキアは今にも触りたそうに手をワキワキしている。その手はやめてくれ。
「かくかくしかじか」
「…つまり犯人がわからねぇ、と」
「可愛らしいからそのままでも良いではないか」
「ルキアちゃん、ウチには変態が常駐してるのよ?ちなみに今も私は身の危険を感じてるわ。何故かしらね」
しれっととんでもない発言を投下するルキア。
このままでいいわけがない。勘弁して欲しい。
一護が冷静で本当に助かった。
「しっかしパーカーのフードは怪しすぎだろ」
「ですよね」
「ニット帽はどうなんだよ。ほら、少し大きめの」
「秋だもんね…被ってても大丈夫かな」
「いつも浦原は帽子を被っているではないか。大丈夫だろう」
ルキアが名無しの耳をもふもふ触りながら答える。
確かに、家でも帽子を被っている店主はいる。ところでいつの間に耳を堪能しているんだ、彼女は。
「この事は、他言無用で…」
「まぁ、そりゃあな」
「しかし名無し。犯人が浦原でなければ、犯人を探しに尸魂界に行かなければいけないのでは」
「………」
ある意味、浦原よりも危ない人物がゴロゴロいる魔窟だ。
その中で犯人探しは、骨が折れそうだ。
しかし、
「やるしかない…」
「…不憫なやつ…」
「名無し!写真を一枚撮ってもよいか!?」
キラキラした目で頼んでくるルキア。本当に彼女はウサギが好きらしい。
無下に断るのも悪い気がして「一枚だけなら…他の人には見せないでね」と諦めたように釘を刺した。
まだ最初に見つかったのが彼らだったことが、不幸中の幸いだ。
***
「……ただいま…」
そろっと窓を開けて、部屋に入る。
よし、誰もいない。
布団に倒れている自分の義骸を触ってみるが、見た目に変化はない。
いや浦原がもし、おかしな事をするとしたら痕跡は残さないはず。
とりあえず、ニット帽があったはず。それを出してから義骸に入ろう。
そう思い、大きく溜息をついた時。
ガラッ
「名無しサン、帰ってきてるんっスか?」
襖が開いた。
浦原がいた。
あぁ、終わった。
「どしたんっスかそのみ」
ピシャッ!!!
「ちょ、閉めないでください!」
「えぇい!一番タイミング悪い時に!」
鉄裁もどこかに出かけているらしく、商店にはいない。
つまりこの変態とタイマンをしなければいけない。
終わった。色んな意味で終わった。
「どしたんっスか!?見間違いでなければ名無しサンがバニーガールに」
「バニーガール言わないでくだ、さ…っう、わぁ!」
ほら、力負けした。
ス、パァァン!と耳の鼓膜が大きく震える程の音を立てながら襖が開いた。反抗期の息子が襖を開け閉めする音は、きっとこんな感じだろう。
満面の笑顔の浦原。
両手を広げて飛びかかってくる姿は、まるで主人か獲物を見つけた時の犬のようだ。
対して、名無しは心底嫌そうな顔をしていた。一番見つかったら面倒くさい男に、こんなにも早く見つかってしまうとは。
「名無しサンンンンン!!かわいいいいいいい!!!!!」
「ぎゃーーーーーー!!!!!!」
浦原商店に、かつて無い程の断末魔が響き渡った。
ご近所の皆様、すみません。
これは不可抗力なんです、本当に。
(under//うさ耳パニック!#02.5に続きます)